なぜWebディレクターはコードを触ってはいけないのか。
Web制作現場あるある「Webディレクターが勝手にコード触っちゃった問題」
😱😱😱
「Webディレクターがソースコードを勝手に触ったせいで作業がやり直しになった」
こんな経験ありませんか?
Xなどで愚痴をこぼしているポストを見たことはありませんか?
Webディレクターの皆さんはやらかしたことありませんか?
「コードは絶対に触らない」と全てのWebディレクターが共通認識を持っていればそんな問題は起こらないのですが…
過ちは繰り返してしまうのが、人間の性なのでしょう。
今回はなぜWebディレクターが勝手にコードを触ってはいけないのかを事例と一緒にご紹介します。
理由1:そもそも触り慣れていないから
コーディング経験がないディレクターがコードを触ったことによって生じる問題は計り知れないほど。
ツッコミどころ満載ですね。
テキストだけを変更したように思っていても、誤ってプログラムコードを一文字消してしまっていて、誤りかどうかもわからないから修正しようがなかったり、CSSを修正しても詳細度の関係で変更がかからなかったり、起こりうる問題は様々です。
理由2:バージョン管理していることがあるから
制作会社や案件によってGitを使用していたり、GitHubの自動デプロイ機能を活用したりと様々な工夫を凝らし生産性向上やミス防止に努めています。
稀にWebディレクターはこのバージョン管理を無視してコードを触ってしまうことがあります。
生産性向上、ミス防止のために導入したツールも、無視してしまえば、作業のやり直しが生じることがあります。
これはGitを使用していなくとも起こりうる問題で、ディレクターがFTPクライアントでアップロードしたファイルはもちろん他のコーダーのローカル環境とも差分が生じてしまうので、先祖返りが起こるのは明らかですね。
理由3:コンパイルが必要なことがあるから
コーディングするときに視認性向上や記述を少なくするためにSass(SCSS)を使用して生産性向上をしている制作会社やチームは多いのではないでしょうか。
ここで問題なのが、CSSファイルを直接触ってしまうこと。
こんなこと、ありませんか?
Sass形式のファイルは直接ブラウザで参照することはできないため、ビルドツールやタスクランナーなどを使用してCSS形式にコンパイルし、そのCSSファイルをブラウザで参照するという仕組みになっています。
そしてコンパイルされたCSSはSassファイルを元に上書きされていきます。
Sassファイルにない記述はCSSファイルにもないという状態になります。
こういった理由から、CSSファイルは絶対に直接編集してはならないのです。
なぜ、Webディレクターはコードを触ってしまうのか
🤔🤔🤔
ここまで「Webディレクターはコードを触る云々」といった問題が多く勃発するのになぜディレクターはコードを触ってしまうのでしょうか。
理由としては以下が挙げられます。
コミュニケーションが面倒だから
責任感があり真面目だから
制作会社の教育不足や不明瞭な業務範囲
これらについて詳しく考えてみましょう。
コミュニケーションが面倒だから
Webサイト制作や修正の業務には大きなコミュニケーションコストが生じます。
基本的な修正依頼としてこんな感じのフローになります。
いわゆる伝言ゲームのような形でコーダーに依頼していきます。
クライアントとクリエイターを橋渡しする役割とはいえ、若干面倒ですよね。
大きな修正であれば、コーダーに依頼する甲斐があるのですが、テキストの数文字を訂正するといった軽微な修正はどうでしょうか。
ディレクターとしては、「これくらいなら自分でやった方が早いかも」という心理状態になります。
自分で触ってしまった結果、もっと面倒なことが待ち受けていることでしょう…。
そこはどんなに面倒でも、どんなに小さな修正でも我慢してコーダーに依頼しましょう。
責任感があり真面目な性格だから
責任感や真面目な性格からコードを触っちゃうディレクターがいるのもわかります。正直、僕自身もそういった性格なので…。
急ぎの変更・修正依頼。クライアントから怒られてる…。
でも担当コーダーがお休み。
これは自分がやるしかない!!
こんな心理状態にならコード触ってしまいますよ…。
でももう少し、クライアントにすぐ対応できない旨をご理解いただく努力をしたり、心に余裕を持ったりしてもいいのでは?と思います。
制作会社の教育不足や不明瞭な業務範囲
1番の問題は制作会社やチームで教育や改善作業を行わないことです。
Webディレクターはコードを触らないとルールを設けていれば社内全体の共通認識としてそのルールが根付きます。
Webディレクター、Webデザイナー、コーダーと分業しているのであれば、業務フローの中でどの部分を担当するのかを明確にすることで、誰にどの業務を依頼すべきかも明確になります。
「忙しいから業務改善ができない」と言い訳をしながらそのまま進めていくと負の連鎖は大きくなっていくばかり。
不満、ストレスの温床になること間違いなしです。
もしどうしてもコードを触る必要があるなら
😳😳😳
もしどうしても、コードを触る必要がある、コードと触ってしまいたい…なんて思うのであれば、そういった事態に備えてプロジェクト開始前に準備をしておくほかありません。
それではどんな準備をする必要があるのでしょうか。みてみましょう。
コーディング業務をマニュアル化して自分も把握し環境構築をしておく
邪道な感じはしますが、Webディレクターがしっかりとコーディングの仕事を理解していればコードを触っても問題は起きないという考え方。
プロジェクト開始前に、
使用するツール一覧(Gulp / Sass / Git など)
コンパイル方法
設定ファイルの共有
ローカル開発環境の構築方法
サーバーアップロードの方法
その他注意事項
といった開発要件をあらかじめ明確にしておくこと、もしくは、それらをマニュアル化しておくことでコーディング業務への理解・認識を一貫させることができます。
Webディレクターはこれらの業務をきちんと理解し、覚悟の上でコードを触っていくようにしましょう。
コードの圧縮によって直接手を加えづらい仕組みにする
CSSやJavaScript(もちろんHTMLも)は圧縮することができます。
コードを圧縮するとコードは一行にまとめられます。
圧縮されているコード = どこかに元のコードがある
という認識になるので、下手に編集できませんよね。
そうでなくても、一行に圧縮されたコードに変更をかけるのは至難の技。
これらように直接手を加えづらい仕組みづくりをすることでコードを誤って触ってしまうなどの問題は起こりにくくなります。
そもそも自分がやらざるを得ない状況を避ける
そもそも、ディレクターがコードを触ってしまう理由はディレクター自身がコードを触らざるを得ない状況になっているから。
コードを触らないためにはそういった状況にならないようにしちゃいましょう。
例えば、クライアントとやり取りするグループチャットの中にWebディレクターのみではなく、コーダー(やデザイナー)も一緒に入れてしまって、クライアントがコーダーに直接依頼をできる環境にすることもひとつの手です。
サイトのテキストや画像の変更依頼はコーダーに依頼
その他はディレクターに相談・依頼
こういった形で明確化された役割をクライアントに提示して依頼ごとにメンション先を分けることでコーダー(やデザイナー)に直接依頼することができます。
同じグループに入れていれば、クライアントとコーダーのやり取りをWebディレクターも閲覧できます。
最近はクライアントとチャットでやり取りすることも増えてきており、クライアントの窓口をディレクターのみに絞る必要もなくなってきました。
月次の運用費用内で対応できないようであれば、ディレクターが取り仕切って見積もりを出したり、できない旨を伝えるといった形をとりましょう。
まとめ
Webディレクターがコードを触ってはいけない理由について、あなたはどうお考えでしょうか?
他にも理由があるのでは?
弊社ではこんな取り組みしています!
なんてご意見があればぜひコメントいただけると嬉しいです。
サポートよろしくお願いします。 いただいたサポートは活動費として大事に使わせていただきます。