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Step3 仮説を立てる

どーも、ぴろ吉です。
私は、12年以上に渡り、メーカーで海外営業を担当するサラリーマンです。

この業務を通じていつも思うことがあります。それは、日本の中小製造業はやり方さえ間違わなければ、もっと世界に通用するはずだ!ということです。

そこで今回は、これまでの私の実体験を通して蓄積した海外販路開拓に関するノウハウについて失敗体験を交えながら体系的にお伝えさせていただこうと思います。

Step 3 仮説を立てる

自社の製品が日本国内で売れている業界と、売れている理由は前回のStep2で整理できました。
Step3では、これをどの国で展開したら勝ちパターンにはまりそうか、仮説を立てます。

需要はあるか

まずは、需要を調査する必要があります。
世の中には、何十万円~何百万円もする高価な市場レポートがあったりしますし、調査会社に調査を依頼するとそれ以上のコストがかかります。
リソースの限られた中小企業にとって、これは大きな出費です。また、これは私の経験上の話ですが、レポートを購入しても情報量が多すぎて、結局どこの国がいいのか余計に迷ってしまう事が多かったです。

なので、私は別の方法をお薦めします。

それは、JERTOの展示会情報( https://www.jetro.go.jp/j-messe/tradefair.html)を利用することです。

上記リンクの、「キーワード」の欄に、あなたのターゲットとする業界名を入力し、「検索をする」を押してみてください。

すると、そのキーワードを含む展示会の情報が表示されます。
(もし、出てこなければ同じ意味の別の言葉を試してみてください。 例:空調 / エアコン / 熱交換器 / HVAC …など)

そこに記載されている国があなたのターゲットとすべき国の候補です。

なぜ展示会情報を利用するかというと、展示会があるイコールそれだけの市場があると考えられるからです。こう言うと、まだ成熟していない市場のほうが、チャンスがあると思われる方もいるかもしれませんが、ゼロを1にする事は、大企業にやってもらうべきと思います。なぜなら、ゼロを1にすることは、すでにあるビジネスを拡大することと比べて、一般的に50~200倍のコストや労力がかかると言われているからです。

競争環境はどうか

一旦、ターゲットとすべき国の候補が決まったら、それぞれの国の競争環境を確認します。

競争環境というと少し小難しく聞こえるかもしれませんが、何をするかというと、どんな競合他社がいるか調べるということです。

調べ方は、需要を確認したときと同じで、JTETROのウェブサイト( https://www.jetro.go.jp/j-messe/tradefair.html)を使います。

今度は、「キーワード」の欄に、自社製品の名称を入力し、検索してください。
すると、関連の展示会情報が検索結果として表示されます。

次に、その展示会のオフィシャルサイトにアクセスしてください。
多くの展示会のオフィシャルサイトでは、出展者名簿が掲載されており、立派なサイトであれば出展者の検索機能がついている時もあります。
そして、そこから競合メーカー名を抽出し、その競合についてインターネットで調べていきます。

但し、ここで注意したいのが、海外のメーカーはホームページだけが立派で、実体はたいしたことないところも散見されます。また、ホームページ上に資本金などの記載もほとんどありません。そういった時に役に立つのが、その展示会の過去の小間割表です。

小間割表とは、展示会場内の地図で、その会社のブースの大きさと位置が記載されています。そして、このブースの大きさを見れば、その会社の大体の規模を把握することができるのです。(過去の小間割表は、大抵の場合その展示会のホームページ内に記載されています。)

戦略をまとめていく

勘のいい方はお気づきでしょうが、ここまでの過程で私たちが行ってきたことは、「3C」の情報を整理することです。

3Cとは、自社(Company)、顧客(Customer)、競合(Competitor)のことで、販売戦略を立てる上で抑えておくべきポイントになります。

ここまでの段階で、「自社の強み」、「潜在顧客」、「競合他社」についての情報は出そろっています。これを前提に、どの国で勝負するか検討してみてください。
この時のポイントは、日本での勝ちパターンがどれだけ再現しやすそうかという点です。

次回は、エンドユーザーとの接触方法についてお伝えします。
それでは、また。