キャプチャ_7

Step7 取引を開始する

どーも、ぴろ吉です。
私は、12年以上に渡り、メーカーで海外営業を担当するサラリーマンです。
この業務を通じていつも思うことがあります。それは、日本の中小製造業はやり方さえ間違わなければ、もっと世界に通用するはずだ!ということです。
そこで今回は、これまでの私の実体験を通して蓄積した海外販路開拓に関するノウハウについて失敗体験を交えながら体系的にお伝えさせていただこうと思います。

Step 7 取引を開始する

今回が、シリーズ最後の投稿です。最後は、取引開始時の注意点についてお伝えします。

買い叩かれがち

今、多くの日本企業が海外へ販路を求めています。これは、年々増加傾向にある様です。

特に日本企業の発展途上国市場への流入は多く、交渉相手は高い経済成長率を盾にして、私たちに揺さぶりをかけてきます。

でも、6%とか7%伸びてると言っても、発展途上国の経済規模の絶対値は日本と比べると決して大きくないです。しかし、そこに対して多くの日系企業が殺到し、供給過多になっています。

この状況下で、自社の担当者がやりがちな事は「お願い営業」です。

こうなってしまうと、圧倒的に買い叩かれます。相手は単価の値下げだけでなく、厳しい条件をつきつけてきます。

特に、その国での独占販売権を要求されることがありますが、私はまず1年間パフォーマンスを見てからでないとダメという会社の決まりがあると言って突っぱねてきました。

また、ここで交渉を有利に進めるポイントは、別の販売店とも交渉中であることを匂わせることです。実際に別の販売店と交渉を進めていれば、そのことを匂わせるといいですし、もしやってなくても、やっている雰囲気だけ出せば十分です。

初めの1年の重要性を理解する

相手は販売のプロです。大抵、「こんなに素晴らしい製品なら、このぐらい売れる!」とか言ってきます。もちろん、本気で言っている場合が多いと思います。

しかし、販売店はちょっとやってみて売れなかったら、別のものを売ればいいとも考えています。

私たちからすると、その国で3年、5年とかけてじっくりと販売網をつくっていきたいところですが、販売店にとって私たちの製品は、1 / 100 、1 / 1000の製品ですので、すぐ売れなかったら、「はい、さようなら」です。

なので、初めの1年が勝負です。
初めの1年は、しんどいですが訪問頻度を上げます。最低でも3か月に1回以上は現地に行って、同行営業をかけます。とにかく、ここで結果を出すことが一番大切です。

いきなりの音信不通

これ、一度だけ経験があります。とあるアジアの販売店でかなり順調に売り上げが伸びていたのですが、急にメールの返信がなくなり、こちらから電話しても出てくれなくなりました。

未だに当時何が行ったかは不明です。但し、代金についてはすべて前払いにしていましたので、売掛が焦げ付くことはありませんでした。

やっぱり、取引条件の交渉って重要だなと改めて思い知らされた出来事でした。

最後は少しヒヤッとする話でしたが、これで、「Fラン大卒の僕が13の国と地域で海外販売店と契約するまでにやったこと」シリーズは終了です。

次回以降は、業務上の個別具体的な事例における経験や感じたことをお伝えしていきたいと思います。

それでは、また。