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Step1 間違ったやり方の代表パターンを知る

はじめまして、ぴろ吉です。
私は、12年以上に渡り、メーカーで海外営業を担当するサラリーマンです。

この業務を通じていつも思うことがあります。それは、日本の中小製造業はやり方さえ間違わなければ、もっと世界に通用するはずだ!ということです。

そこで今回は、これまでの私の実体験を通して蓄積した海外販路開拓に関するノウハウについて失敗体験を交えながら体系的にお伝えさせていただこうと思います。

Step1 間違ったやり方の代表パターンを知る 

まずは、絶対おさえておくべき間違ったやり方を紹介します。

まずどの国に販路をつくるか決める

はっきり言って、これは一番やりがちなミスです。
経営幹部の思い付きで、なんとなく経済発展している国をターゲットとしてしまうという事をよく聞きます。しかし、これではただの博打になってしまいます。

まず、私たちがやるべきことは、「現状分析」です。そして、その分析結果から「仮説」を立て、その仮説を「検証」します。そしてこの「現状分析」「仮説」「検証」を繰り返すことで成功確度を上げていく必要があります。

具体的な方法については次回以降に述べますが、概要としては、なぜ自社の製品が国内で売れているかを分析し、その自社の強みがどの国で通用しそうかを考え、現地でリサーチすることから始めるべきです。

いきなり現地法人を設立する

生産拠点としての進出をベースとすべきだった時代の名残で、まずは販売を目的とした現地法人を設立すべきとの発想をする方が未だに多くいらっしゃいます。

しかし、現地市場環境の十分なリサーチを行わず「やってみなはれ精神」で直接投資に踏み切ってしまうと、軌道に乗るまでに時間がかかることが多く、最悪の場合数年で体力の限界がきて撤退ということにも繋がりかねません。

また、この方法は属人的な手法になりがちです。海外経験豊富な人材がいることで、全社的な戦略があいまいな状態でも成功するケースはあると思いますが、リソースに乏しい中小企業において、このレベルの人材を確保することは困難だと思います。

国内の貿易会社に丸投げ

国内の貿易会社にお願いするとたくさんのメリットが得られます。

・貿易会社の輸出ノウハウが使える
・面倒な輸出の手続きが不要となる
・国内取引なので、為替リスクがない

などが思い浮かぶでしょう。しかし、逆の立場で考えてみてください。あなたが貿易会社の担当者だったとして、海外で売れるか不確定な製品を100%の力で拡販しようと思いますか?もちろん、景気が悪かったり、急にメーカーとの取引が取りやめになるなどした場合は、何でもいいから売るしかないというマインドになることもあるかもしれません。

つまり、あなたがどうしても販売したい製品の海外での拡販活動の行方は、貿易会社の都合に委ねられてしまうのです。

これは、本当にありがちで、私も幾度となくこれに頭を悩まされました。

もちろん、私は貿易会社と組むことについて否定をするつもりはありません。前述のメリットを得ることができますし、何よりも担当者としては楽です。
一方で、この方法では拡販のイニシアチブをあなたが握ることができないという事は今一度理解する必要があるでしょう。

では、どうすればいいのか

次回以降、この点について具体的な施策を述べていきます。

では、本日はこの辺で。 

Step2 自社の強みを知る