ルーンクエスト親子セッション記録(1)
2024年12月30日。
ルーンクエスト・スターターセットの売れ行きが好調なことに気をよくしたわたしは、ここのところ子どもたちが多忙で中断しているD&Dキャンペーンを受け継ぐ形で、ルーンクエストのセッションを企画したのであった。
あらかじめわたしが準備したプレイヤーキャラクターは四人、オーランス、オデイラ、アーナールダ、フマクト。子どもたちに選んでもらったところ、アーナールダ以外の三名となった。
ファミリーヒストリー
前夜にでっちあげておいた出身地別名前一覧を見せて、名前を決定してもらい、続いてファミリーヒストリーを決めていった。
冒険者オーランスの戦士ウィスタン(長男)
オデイラの女狩人ウェラナ(次女)
フマクトの女剣士オリアーネ(長女)
アーナールドリ氏族の戦士ウィスタン
祖父バルンタドスはターカロール王のもとで書記を務めていた。
1582年、灰色熊の峰の戦いで主君を失った彼は、アルダ・チュールで王子テラサリンの推戴に参加した。その後、ルナー帝国の侵略に抵抗する戦いに身を投じ、1602年、ボールドホーム戦役で名誉の戦死を遂げた。
父ハルマストは、プラックスに亡命し、ルナーとの戦いを継続した。ヘンドレイキ族のもとに身を寄せると、ホワイトウォール陥落までそこにとどまり、大いなる冬の到来とともに故郷に帰った。
ウィスタン自身は、厳冬を生きのび、オーロックスの丘の合戦に参加して名誉の負傷をおいながらもルナー帝国軍に勝利。父祖のかたきを討った。しかし、故郷は動乱の季節を迎え、隣の氏族との抗争に巻き込まれる。乱世をおさめる英雄をもとめて東のかた、父が暮らしたプラックスへ向かったウィスタンは、パヴィス市で「白き雄牛の」アーグラスと邂逅したのであった。
熊の森の女狩人ウェラナ
繁みが原で野盗の生活を送っていた祖父ラグノルは、灰色熊の峰の戦いに参加したことをきっかけに、対ルナー闘争に参加。サーター王家の人びととともに聖王国へと逃れるが、そこでルナーの暗殺者による王家殺戮の悲劇をまのあたりにした。復讐に燃える彼は、ボールドホームの戦いで叙事詩に残るほど雄々しく戦い、華々しい戦死を遂げた。
父親の衣鉢を受け継いだ母も戦いの道を選び、帝国への反乱に参加。ホワイトウォール陥落の戦いで命を落とした。
ウェラナは母の死後、大いなる冬の惨禍の中で餓死しかけたが、このとき、オデイラの寺院にかくまわれて九死に一生を得た。その後、プラックスに旅するが、部族民の抗争に巻き込まれて重傷を負い、故郷へ帰還。「真竜の目覚め」を目の当たりにし、サーター解放の戦いで殊勲をあげた。
冬の峰の剣士オリアーネ
今も故郷で存命している祖父アンスタッドは、冬の峰の麓に生きるイリスタロス族の癒し手として重きをなし、動乱のドラゴン・パスで戦われる合戦に参加することはなかったが、ただ一度だけ、聖王国を征服しようとするルナー帝国との戦いに身を投じたことがあったという。オリアーネはその伝説的な戦いの旅の話を幼い頃から聞いて育った。
部族の書記として生きた父イラロが山中の事故で急死すると、オリアーネは独り、外の世界に向けて旅立った。彼女が目指したのは東のプラックス。そこではアーグラスという男が勇名をはせていた。アーグラスの徒党に参加したオリアーネは、やがて彼が予言の英雄「白き雄牛」であるとプラックスの部族民たちに認められる場に同席することとなった。その後、アーグラス軍の先手としてサーターに向かった彼女は「真竜の目覚め」に遭遇。伝説が実現していく姿を目の当たりにしたオリアーネは、古ターシュの故郷に帰ると、揺るがすものマーラン・ゴア女神の司祭たちが、新たなターシュ王を推戴する儀式に参加したのであった。
セッション開始『冬霜の呪い』
シーン『ブラックスピアの氏族館』
1625年闇の季のはじめ。三人の英雄たちは、偶然、サーターはコリマー部族の一氏族、アンマンガーン氏族の族長ヴェストルフィンの冬越しの客人として、ブラックスピア村にともに逗留している。
「お客人にひとつ歌を披露していただきたい」
その声に応えて、三人は自らの来歴にまつわる物語を歌にして語る。
ウィスタン:祖父と父の英雄的偉業をたたえた。パッション〈愛情:家族〉で成功→〈歌唱〉成功。
ウェラナ:サーター王家に忠義を尽くした祖父の戦いを語った。パッション〈忠誠:サーター〉効果的成功→〈歌唱〉成功
オリアーネ:古ターシュでの家族の生き様をまじえて、ターシュの古歌を披露。〈愛情:家族〉成功→〈歌唱〉決定的成功
シーン『冬越しの儀式』
それから数日後、本格的な降雪とともに、氏族は炉火の女神マホーメイに厳しい冬を乗りこえるための加護を求める儀式を、石造りの寺院で行う。一行もこれに参加するが、POW×5ロールに成功した三人は、ただならぬ不吉を肌身に感じる。
すると、突如、寺院の燠火が熱を失い、氏族の者たちは寒さによる体調不良に見舞われてしまう。それぞれの家の炉火も弱まり、これでは冬を越すことはできそうにもない。ただちに行われた神託の儀式でしらされたのは、西の谷の森にて、怒りを抱く精霊がいるという事実であった。
ヴェストルフィン族長は、この不思議な呪いの効果を受けていない客人三人に現地での調査を依頼する。その谷には、ジャンスタンという名前の男性が家族とともに農場を営んでいるのだ。彼ならば何か知っているかもしれない・・・・・・
シーン『ジャンスタンの農場』
初冬の野を抜けて谷間にやってきた一行は、ジャンスタンの歓待を受ける。家の炉辺はやはり冷えており、彼の家族は不安に震えている。神託についてジャンスタンに告げると、彼は今年、新しく木々を伐って放牧地にしたところがあることを話す。その林の由来については、ルナー帝国の占領時代に失われてしまってわからない。望むなら、明朝、そこに案内しようとジャンスタンは一行に提案する。
そしてその夜半、ウィスタンは風の音に妙な声が混じっていることに(〈聞き耳〉ロール)、ウェラナは獣じみた臭いをそれぞれ屋外から感じ取る(〈動物知識〉でロール)。オリアーネが精霊呪文《敵の検知》をかけると、はたしてこの農場に害意をもって近づいてくる複数の者たちがいることがわかった。
武器を手に取って屋外に出た三人は、暗闇の中、小柄な人影を認める(〈視力〉ロール)。トロウルキンの一団が、ジャンスタンの農場を襲おうとしているのだ! 三人は撃退のため、冬の夜に踏み出す。
(以下次回)