40kバトルレポート『廃都の死闘』
110.M42、〈大亀裂〉から約180光年の距離にあるクリダス星系では、いまだ〈帝国〉とティラニッド集合艦隊との激闘が続いていた。
そんな中、大逆兵団アイアンウォリアーの至中隊〈焦熱の死〉を率いる戦鍛冶ジャレク・ドレイガーは自身の精鋭部隊とともに、かつて栄えた礼拝惑星カティンガの広大な廃墟に降り立った。大要塞メドレンガルドに持ち帰るべき古の至宝を手に入れるためである。
しかし、目的地の大聖堂跡周辺には、ティラニッドのバイオモンスターの群が集結していた。ジャレクは至宝を探索する血路を開くため、麾下のケイオスマリーンたちに怪物の巣窟への強襲を命ずる。
渾沌の超人戦士たちに隷属する狂信者たちが、兵団の戦旗を無人の見張塔にかかげ、戦端が開かれた。奇怪な咆吼をあげて巨獣が迫り来る。
血の神コーンをたたえる狂えるマリーンらが、チェーンソードを振り回しながら突進。目の前には、生あるものをすべて貪り喰らおうとする飢えた魔獣ハルスペックスだ。
だが冷酷にして沈着な戦鍛冶ジャレクは、怒り狂うコーン信徒たちを一喝して退却させると、ディーモンを封じた魔道兵器フォージフィーンドを魔獣の横腹からけしかけた。すさまじい轟音とともに連射されたハデス・オートキャノンをまともに喰らったハルスペックスは断末魔の叫びをあげて荒れ狂い、マリーンらを数人巻き込みながら倒れ臥した。
右翼では、副将をになっていたロード・ディスコーダント〈シャン・ツァイ〉が、凶悪な刃の魔獣カーニフェクスの群に立ち向かい、敵の群の長を討ち取ったが、自身も重傷を負って戦場を離脱していた。
生き残ったスクリーマーが、ハヴォック重砲部隊の放つロケット弾をものともせず、アイアンウォリアー陣に突っ込んできた。
ジャレク・ドレイガーにも危機が迫っていた。姿を隠し、暗殺を専門とする魔獣デスリーパーが突如出現し、本陣で指揮をとる戦鍛冶に襲いかかったのだ。ジャレクは動じず、チェインフィストをふるってこれを迎撃。凄絶な一騎打ちが始まった。
鬨の声をあげて、コーンの戦士らが敵の巣窟に殺到する。奇怪な甲虫を撃ち出すゴーントらはチェーンソードの刀の錆となった。
フォージフィーンドもまた、聖堂に巣くう敵を蹂躙にかかった。鋼の悪魔の前では、ティラニッドの戦闘怪物の刃も無力である。
デスリーパーはジャレクに重傷を負わせることに成功したものの、チェインソードによってばらばらに引き裂かれた。
主戦力を失ったティラニッドは、残った巣窟を守るために後退。多大な犠牲を払いながらも、アイアンウォリアーは目的地である廃聖堂の占拠に成功したのである。
ジャレク・ドレイガーは、仇敵どうしが相争う戦場をしりめに、太古の技術至宝を入手すると、すみやかに惑星をあとにした。失われた兵隊は彼にとっては何の意味もない。銀河は広く、戦鍛冶が野望を進めるための手駒には事欠かないからだ・・・・・・
(了)
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