見出し画像

5.この世界は不思議

幽体離脱

ある日居間のソファーで少し寝ようとしていたら
金縛りに近い状態になった。
金縛りはよくあったのでどうしようかなと思ったんだけれど
昼間だしそう気味が悪くもないので「たまには」と思い身を任せた。

そのとたんに、耳の横で囂々と風を切る音が鳴り
私の身体はすごい速さで上昇し始めた。
上がる速さ×時間の感覚ではとっくに天井や屋根を突き破って上空にいる。

が、目を開けたら
天井ボードに顔がぴたっとくっついていた。
うわぁ!よかった!
いや、よくはない!どうしよう!

首を曲げ自分を確認しようとしたけれど
天井付近のものは見えても
自分の身体は確認できなかった。
とにかく戻らなきゃ!
そう思っても水の中のように天井に張り付いたままもがく私。

頭の隅で
いや、ここでもがいても体は上昇しようとしているから天井を突き破ってしまうかもしれない、まず力を抜いて落ち着いて考えよう。
と思ったとたんに、私は身体に戻った。

魂だけって軽い

いま自分に起きたことを、確かめるようにかみしめながら
夢じゃないことを確認したかった。

ああ、体がないってこんなに「軽い」ってことだったんだ
気持ちよかったな~とか
風を切る音の生々しさを思い出して
てっきり雲の辺りまで行ってたかと思ったけど
なんでだろう?この距離では「合わない」

でも体に戻れてよかった。
そうか、幽体離脱って「寝入りばな」とか「金縛り前(笑)」にできるものなんだな~。

だとしたら、自在にできるようになれたらいいな。←何がだ。
またやってみよう!と
何度も言っているが、なんでも実験したい病の血が騒ぐ。

なにより「あの気持ちよさ」をまた味わってみたい。
そう考えた。

やみつき

それから、
夜は怖いので日中昼寝できそうなときに私は、
起きているのと眠りのはざまに、その実験をして

そのまま眠りに落ちたりとか
時折ふわっと浮くとか
また風を切って上昇するとか(最初の時ほどスピードがない)
頭だけ抜けず首から下だけ浮いてしまって首が苦しくて
頭で考えようとする癖があるからなんだろうな~とその状態を自分で苦笑しているとか

確認することはカレンダーだとか、時間だとか
好きなところへ移動でいるのか?とかだったんだけれど
その状態になれるときには、そのことを「忘れ」てしまう。
ただただ、体のない軽さを「そうかそうか」と楽しんでいるようなのだ。

だから、このままじゃなくてもっと何かをつかみたい
そう思った時期に「あれ」が起こった。

ゼリーの中に閉じ込められる


その日も居間のソファーの上で、半金縛り状態にチャレンジしていた。
平日の午後だったと思う。
半覚醒状態の私は(どうでもいいけど北海道弁で「はんかくせ~」っていうのは、このことだろうか?)
居間のコーナーに置かれたテレビの辺りから
「ピキピキピキ、、、」という音とともに、
空気というか空間が「ゼリー化」し始めたことを知る。
し始めたと言っても、一瞬のことだった。

とにかくその部屋の角(すみ)から波の様に私に向かってきた。

私はゼリーの中のフルーツの様にピキーン!と閉じ込められた。
そう表現するとちょっとかわいらしく聞こえるけど
本当に怖かった。
実に恐かった。
全てが固まって世界中が終わった様に感じたから。

大変大変!出なきゃ出なきゃ!
そうは思ったけど固まっているので動けなかった

で、私はここからどうやって出られたのか?記憶がない。
考えられるのは、寝落ちして解放されたかんじだろうか?
人は恐怖すると「眠り」のほうに逃げることがあるじゃない?
あんな感じで。

戻ってこられた!と気が付いたとき
私は呼吸が荒かった。
うまく息ができなかったんだな、と
今起きたことを思い出し、恐怖した。

それからもう二度と離脱にチャレンジすることはなかった。
友人にも
「戻れなくなる人はたくさんいるんだよ!
出来もしないのにそんな不完全なことを試したらダメ!危なすぎる!」
そう怒られた。

そう言ってくれた友人はのちに
とあるセッションの最中に体に戻れなくなって、
今もまだ戻ってきていない。
そのセッションをインダクション(誘導)した人は彼を連れ戻せないまま
多分文字通り次元を変えた。

この世界はいったいどんな風に成り立っているのだろうか?

心のどこかでわたしはずっとこの件を「宿題」として
心に留保していて最近ようやくその答えの糸口をもらった。
およそ20年がかりだ(笑)

でも長くなるのでまたの機会に。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?