クズ
横浜に住む高校三年。サッカー部所属中。
受験期真っ只中。
今は、
大学受験の小論文、面接を終え
小田急線に揺られながら帰宅中。
小論文は思っていたよりも簡単なものだったが、
面接官である教授が the教授 と言っていいほど
癖の強い頑固な人だった
たいした夢や野望があるわけでもなければ
希望さえない
そんな自分は勉強から
逃げに逃げ続け一般受験からも逃げている
正直、
「とりあえず大学に行っとこう」
「どうにかなる」
そう思っている
典型的な学生のいわゆる クズ なのだ。
しかし、
こんな クズ でも
サッカーだけは真面目に真剣に
やり続けてきた。
こんな自分の小学生の頃からの憧れであった
"全国高校サッカー選手権大会"
ただこれだけを目標に高校生活で
喜び 楽しみ 悲しみ 苦しみ 悔しみ
色々な感情でもがき頑張ってきたつもりだ
中学から高校へと進学し
新たなポジションを任され不安の抱えたまま
一年目が始まった。
これと言った成果も出ず
ただ与えられた練習こなすだけ
二年三年と時間だけが進むだけ、
現在18歳。
身の程も知って
「プロサッカー選手になりたい」
なんて言葉を無邪気に口する勇気はさすがに無くなっているけど、
若き少年である自分にとって、
物心つく頃から打ち込んできたサッカーは
18歳の未熟であどけない自尊心を支えてくれる、
大切なものだ。
コロナウイルスが日本でも恐怖を襲い
感染拡大を続け
大会開催は危ぶまれたが
無事に開催は決まった
そんな今
受験とサッカー
両者も中途半端に進み
今日は
最悪な面接になり
その頃同時に
最悪にも試合も負けていた、
帰り道、
いろんな想いがこみ上げ
汲んでも尽きない井戸のように、
涙が目に溢れる
こんな自分を一番近くで応援していた母は、家にいる
いつものように坂を上がって
黄色い家に
真っ直ぐ帰ることはできなかった、
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