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海外MBA受験記③GMAT/GRE編

GMAT/GREのスコアメイク

今回はMBA受験生にとって第2の関門であるGMAT/GREののスコアメイクについて振り返ります。

GMAT/GREは、簡単に言うとセンター試験の様な各学校による本試験前の学力テストです。800点満点で、米国トップ校で700点、欧州トップ校で640点程度が出願の目安となるラインになります。
私費生にとっては大事な奨学金支給にも関わってきますので、高いスコアを取るにこしたことはないテストです。

……と言われても正直自分がどのレベルにいて、これからどれくらい頑張ればいいのかよく分からないと思います。私もよく分からない中、手探りで勉強を進め最終的にはGMAT660点で出願・合格•奨学金もGETしました。褒められたスコアではないですが、米国中堅校•欧州トップ校には挑戦できるスコアかと思います。私がどんな道のりで同スコアを取得したかを共有しますので、これから対策を進める方々にとって少しでも参考になれば嬉しいです。

勉強開始時点のレベル

目安として自分のバックグラウンドを記載します。GMATはざっくり言うとMath(数学)とVerbal(国語(英語))に分かれます。私の英語レベルは前回細かく記載したので、以下は数学レベルについてです。

小学校、中学校は公立(小学校、中学校受験は経験無し)。中学校までは数学が割と得意。
高校は中堅公立校に進学。2年生の時に私立文系コースを選択して数学とは別れを告げる。数1•Aはクラス最下位レベルだった。
大学は私立文系の大学に進学。大学受験では英語と世界史と国語しか勉強せず。社会人になってからは経理系ではない管理部門に配属されたので、数字に日常的に触れてはいない。

こんな感じです。Mathに関しては①中学受験経験者、②国公立または理系大学受験者が有利と言われていますが、これは全くもってその通りだと思います。Mathは概ね小中学校で学んだ範囲(最大でも数1•Aまで)から出題されます。(速さの計算や、鶴亀算、集合等)この辺りの基礎が身に付いている方にとっては、独特な数学の問題の英語さえ読めればすぐに及第点に届くと思います。
私は数学に触れる時間が短い人間だったので、中学数学の復習からスタートしました。数ヶ月を経て何とか最高到達点49点を取得しましたが、数1•Aの範囲が出ると苦手意識があって自信を持って回答できませんでした。700超のスコアを取得するにはこの辺りもクリアして、50点or51点を取得する必要があります。

Verbalに関してはとにかく問題が難解で時間との勝負になるので、予備校に通ってテクニックを身につける前にある程度の読解力が無いと戦えません。自分はTOEFLのRが30点、IELTSのRが8.5点というレベルで臨んだので、読解で苦しむことはなく、テクニックの習得に勤しみました。

GMAT対策

ネットの情報を参考にして、まずはMathの基礎を固めることにしました。皆さん書いていますが、Verbalは点数の上下がとても激しく勉強すればするほどスコアが上がるものではありません(断言)。一方のMathはしっかり勉強すればスコアが安定してきます。なので、帰国子女の方などでよっぽどVerbalが得意な場合以外はまずはMathを安定させてからVerbalの勉強に臨み、本番で高得点が出るのを待つのが王道かと思います。

Mathの対策

前述の通り数学に自信がある人間ではないので、一通り試験範囲をおさらいすることにしました。
※まずはOGのPrep(GMATの運営会社が提供する公式の模試)を解いて全体感を把握することを勧める人もいますが、個人的には何も勉強せずにやっても毒にも薬にもならないと思います。

教材は受験生必携アイテムとされている①マスアカと②JMathを両方買いました。結論、自分の場合はマスアカはほとんど使いませんでした。ちょっと解説が雑いのと、出題範囲が網羅されていないので、これ一冊やれば大丈夫!というのを好む自分には合いませんでした。ただややこしい問題を速く解答するためのTipsなどは役に立ちました。既に数学の基礎があって記憶を呼び戻すだけの人には良いと思います。
JMathは分厚い2冊組の本です、解説が丁寧で、かつ出題範囲が全て網羅されているので、こちらを選びました。
1日数単元ずつ1ヶ月程で一周して、基礎をおさえました。そこからはeGMATというインドのサイトのMathの問題をひたすら解きました。自分は49点が取れれば万々歳だと考えていたので、Hard問題は無視して解き、EasyとNormalレベルの問題が9割方正解するまで解きました。以上がMath対策です。

Verbal対策

これはまるで何から手をつけていいのか分かりませんでした。前述のeGMATでVerbalの問題を解いてみたりもしましたが、問題は読めるのになぜか不正解になる、、、ということで根本的に何かが間違っていると思いました。その後、Manhattan Prepのテキスト等、ネットで評判の良いものにも手をつけましたがよく分からず…。そんな時、藁にもすがる思いでGprepの中山先生の5日間集中講座を受講しました。これが目からウロコで、Verbalが何を問うているテストなのかを問題を解きながら具体的に解説していただき、これから何を勉強すべきなのかを理解することができました。その授業を受けて、配布された問題集を解き終えてからはeGMATの問題の正答率が格段に上がりました。同様にHardは捨てて、EasyとNormalが概ね7割正解するレベルまで繰り返しました。

下準備を終えたら

上記の勉強をおおよそ3ヶ月続け一通り全体感を抑えてからは、ひたすら模試を解き続けました。色々な模試がありますが、自分が使ったのは以下の通りです。

eGMAT…前述のプランに確か5回分の模試がついている。難しくスコアも出にくい。本番前の高地トレーニングに活用。模試のスコアは620-700。
Experts Global…模試15回分?を購入。やや簡単で自信がつく。最初はこれをガンガン解いた。模試のスコアは660-740。
OG…Part1,2の模試は無料で何回でも受けることができる。Part3,4は購入する必要があり、各2回までしか受けられない。本番とほぼ同じ画面を体験できるので、本番直前はこれを使用。やや簡単と言われているが大体本番と同レベルだと思う。模試のスコアは640-720。 

私はOGの模試で700を超えた段階でGMAT本番にチャレンジしました。結果は620点というなんとも微妙なスコア。ただMathで48がとれたのは自信となり、じきに出願レベルには到達できるだろうと思いました。
個人的にはOGの模試で700点を超えれば本番受験のゴーサインと捉えて良いと思います。700点を超えているということは少なくともMathは48以上で安定しているのではないかと思いますので、本番を受けてVerbalで高スコアが出ることを祈るレベルにあると思います。

その後駐在の打診があり一時受験勉強を中断しましたが、渡航後しばらくしてから、模試を数回解いて本番に臨み、出願スコアの660点を取得しました。
正直全くもって納得できるスコアではないですが、既にMBA受験を決断してから2年弱が経っていたことや、このスコアでも志望校のアドミや在校生の反応が良かったことを受け、GMAT対策を終えることにしました。

GRE対策

TOEFL/IELTS受験時の選択ミスを踏まえ、実は初めてのGMAT本番受験前にGREを受験しました。GREはGMATの様に生涯で受験回数が制限されておらず、軽い気持ちで受けられるため、チャレンジしました。本当に無対策で臨みましたが、結果は317で、GMAT換算で640点とまずまずのスコアでした。(欧州校なら出願に耐えられるレベル。ただしちょっと弱い。)
ただ、何度もMathを解いたりVerbalを解いたり面倒なことと、やたらにVerbalの語彙が難しくてイライラしたことから、このテストは自分には合わないと思いました。語彙も使わんやろ!という語彙ばかりで勉強する気が起きず。

数学はGMAT比では簡単ですが、その分ミスができません。感覚的にはGMAT700相当の点数を目指す場合、GMATは8割正解で良い中、GREは9割正解する必要があります。
国語は語彙が難しいですが、GMATに比べて問われ方がシンプルなので単語の暗記が得意な人には有利だと思います。その辺りも踏まえ、どちらを選択するかご検討ください。

一般的には、GMAT→GREの変更は単語力の差だけなので比較的容易ですが、逆はGMATの問題形式に慣れることと数学の勉強をしなければならないため、やや難易度が高いと言われています。また稀にGMATしか受け付けない大学もあります。

その他

あとはよく聞かれるのがIRとAWAの対策はしたかどうか?という質問です。結論は何もしませんでした。
IRは論理力を問う問題で、SPIの様なものです。簡単な推理問題や表やグラフの読み取り等が出ます。これは読解力があれば苦にはならないと思います。私は特に対策はせず7点でした。
AWAはライティングです。これはネットに落ちているテンプレを使って毎回5点でした。いずれも平均(IR5、AWA5)くらいをとれていればマイナスにはならないと思いますし、この対策に時間を使うなら他に時間を使ったほうが良いと思います。

これから勉強を開始するなら

そんなに大きく戦略は変えませんが、勉強期間を間延びさせてしまい試験にこだわりきれなかったのは失敗でした。勉強を再開して割とすぐに660点が取れた時は、もういいか、となってしまいました。駐在があったので仕方がないのですが。良いスコアをとれば奨学金の額も増えることが期待されますので、そこはしっかりコミットしておけば良かったです。
自分はMathの難問と、VerbalのCRを苦手としていて、ハナからほぼ捨ててしまい、問題を間違えても復習しませんでした。こだわって対策していれば、結果はまた違っていたかもしれません。
①基礎固め→②模試解きまくる→③間違えた問題を潰していく
この③ができなかったのが私のGMAT受験でした。700超えを狙う人は復習頑張って下さい…。

あとは出来るだけ日本で試験を受けておけばよかったです。赴任地では土日の試験開催がありませんでしたので、自宅でオンライン受験となりました。これがネットのトラブルがあるわ、いきなり試験官に話しかけられるわ、英語が聞き取りにくいわで中々大変でした。日本は設備が綺麗ですし、日本の受験生の皆さんと帝国ホテル絶望談義等したかったなと思いました笑

最後に利用したサービスの感想です。

G Prep…最高。中山先生の講義無しではVerbalは意味不明で対策できませんでした。
eGMAT…問題の質は良いし安い。乱立してるサービスの中では、本番に近い問題を出していると思う。高地トレーニング用。
Experts Global…安く模試が大量に受けられる。試験時間を体に馴染ませるのに良い。問題は簡単。
Affinity(Math)…自分は合わなかった。Mathは別に塾に通わなくて良いと思います。

御徒町の塾は申し込んだ後駐在になり、受講できなかったのが名残惜しいです。

以上雑多に書きましたが、また思い出したら追記していきます。


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