対岸の火事
とある大国が隣の少し小さな国に攻め入った
世界中がそれを暴挙だと叩く
大国が攻め入った理由なんざどうでもよくて
攻め入られた国に同情してこう叫ぶ
「戦争反対!」
どんな事情であっても、戦争はタブーだと言う
なら、どうしてもう一つの西の大国が
遠く離れた砂漠の国を攻めたとき
誰も何もいわなかったのか
どう考えたっておかしいだろ?
平和という理想の名のもとに
何をしてもいいのか?
何を言ってもいいのか?
お前らみんな当事者じゃないだろ?
所詮は対岸の火事
液晶画面に流される映像を
安全な場所から傍観して
自分達の国の都合の悪いことから目を背けている
自分達より不幸な世界を眺めながら優越感に浸る
戦争反対
あの国の人間はクソだ
戦争反対
残虐な行為を赦すな
戦争反対
インターネットは一方的な悪意に満ち満ちている
侵攻の原因は何だったのかなんてどうでもよくて
ただ、自分達のうっ憤を晴らしたいだけ
こういうときの平和主義は
思想的な暴力でしかない
平和なんて
本当は現実逃避のための
薄汚れた言葉でしかない
みんな利用されているんだ
辛い現実から目をそらさせて
真相を追及されたくない連中に
冷静に考えてみろ
それまで何が報道されていた?
殆ど流れなくなった国内事情
またもや臭いものに蓋をされたな
目の前の現実と対岸の火事を
ここぞとばかりにすり替えられた
いい加減に目を覚まさないと
権力の亡者どもに丸め込まれるぞ
気が付いたときには
本当に大切なものを失うことになるんだ
いいか
対岸の火事に現を抜かすな