第66話『変装?』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第66話
『変装?』
「どうなってるんだ。奴はまだか……」
予告の時間になったというのにイタッチが現れない。フクロウ警部はソワソワしながら周囲を見渡すと、何者かがこちらに向かって走ってきていた。
「警部ーー!!!!」
「ネコ刑事!? なんで外から……さっきトイレに」
「え? 今別の現場を片付けてこちらに来たんですが…………」
「まさか!?」
フクロウ警部はネコ刑事と数人の警官を連れて美術館に入る。
中に入り、ミストウォールのある展示室へと向かった。
「オーナー!! ミストウォールは無事ですか!!」
扉を勢いよく開けて中に入ると、オーナーはガラスケースの前で待機していた。
「フクロウ警部。どうしました? ミストウォールは無事ですけど……」
オーナーがガラスケースの中を照らすと、中にはまだミストウォールが残っていた。
ミストウォールが入っていることを確認して、フクロウ警部はホッとする。
「良かったなぁ、まだ無事だったか」
「どうされたんですか? まさか、イタッチがすでに……!?」
「はい。私の部下に化けて中に侵入しているのです。用心してください」
フクロウ警部が事態を説明していると、廊下の方から何者かが歩いてきた。
「警部? どうしたんですか、突然中に入ってきて」
トイレから出てきたネコ刑事がやってきた。
「お、俺だ!!」
フクロウ警部と一緒に入ってきたネコ刑事が指を指して驚く。それと同じ行動して同じようにやってきたネコ刑事も驚いた。
「警部!? なんで俺がいるんですか!!」
「ふふふ、甘かったな、イタッチ。お前が偽物なのはお見通しだ!!」
フクロウ警部は一緒に美術館に入ってきた警官達と一緒にトイレから戻ってきたネコ刑事に飛びかかる。
トイレから戻ってきたネコ刑事は警官の山に潰される。
フクロウ警部達が奮闘する中、後から来たネコ刑事はオーナーの方に近づくと、
「ここでは危険です。ミストウォールとライトをこちらに」
「は、はい!!」
オーナーは急いでライトを渡して、ミストウォールの入ったガラスケースを開けると、ネコ刑事にミストウォールを持ってもらった。
ネコ刑事はフクロウ警部達から距離を取るように窓の方へと駆ける。
「警部!! 違います、俺は本物です、偽物はあっちです!!!!」
フクロウ警部達に捕まったネコ刑事は押し潰されながら叫ぶ。
「え?」
フクロウ警部は捕まえたネコ刑事の顔を触るが、折り紙で変装している様子はない。
「ほ、本物だ!? ってことはまさか!!」
フクロウ警部達はそのままの体制で、ミストウォールを保護していたネコ刑事の方を見る。
ミストウォールを持ったネコ刑事は背中から赤いマントを取り出して、マントに包まれる。
「バレちゃしょうがないな!!」
マントから姿を現したのは、ネコ刑事ではなく、赤いマントを羽織った怪盗イタッチ。
「奴が本物か!!」
「ミストウォールは頂くぜ!!」
イタッチがそう言うと窓がライトで照らされる。そしてヘリの音が響く。
イタッチが窓を開くと、外にヘリが来ておりハシゴが降ろされた。
「早く乗れ、イタッチ!!」
ヘリに乗り操縦しているのはダッチ。イタッチがハシゴに捕まると、ダッチはヘリを上昇させて逃げようとする。
「逃してたまるかァァァ!!!!」