第2話  【村の三人の少年 其の2】

 せかへい 外伝12


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第2話
 【村の三人の少年 其の2】

 ランニングを終えたパト達は今度はストレッチを始める。筋肉をほぐして、身体を痛めることがないようにする。

「あ、そうだルンバ後ろから押してくれ」

 前屈をしている最中に、エスがルンバに後ろから押すように頼む。

 ルンバはやりすぎないようにでも、なるべく力を入れて押す。

「いててててて〜」

 エスは口では痛がっているが、まだ大丈夫そうだ。

 ルンバはもう少し力を入れて押してみる。

「あ、良い!! もっと!! もっとぉぉぉ!!」

 ルンバは気持ち悪くて、押すのをやめた。

 準備運動を終えた三人は今度は武器を使っても素振りを始める。

 門番が基本的に使うのは槍だ。そのため三人とも今回は槍の訓練をする。

 槍での突きの練習などいくつか終わった後、三人は模擬戦を行うことにした。

 ルールは簡単だ。槍を使って戦う。相手を傷つけることはなく、ギリギリのところで槍を止める。
 一応先端が尖っていないものを使うが、怪我には気をつけて、それでも実戦に近い形で練習をする。

 まずは最初に、ルンバとエスが戦う。

「では始め!!」

 パトの合図で二人の戦闘が始まる。

 ルンバは一歩後ろに退いて様子見を行う体制だ。逆にエスは真正面から突っ込む。

 エスはルンバに何度も突きの攻撃を仕掛けるが、ルンバは上手くそれを防ぐ。

 エスは瞬発力があり、勢いで攻めるのを得意とする。三人の中では一番運動能力も高い。戦闘のセンスも一番高いだろう。

 しかし、攻め方が単純だ。

 ルンバは分析能力に長けている。エスのような特攻力はないが、距離をとって攻め方を探る。
 相手の癖や行動パターンを分析する。さらにその日の体調や疲れも読み取り、同じ人物でもその状況にあった攻略法を見つける。

 そのためルンバは何度も練習しているエスであっても、分析する時間が必要となる。だが、相手のペースを掴めば、ルンバの方が有利となる。

 エスは短期決戦を狙い、ルンバは情報を読み取ってからの反撃を狙う。

 時間を稼ぐことができれば、ルンバの勝利となる。だが、ルンバの防御をエスは無理矢理突破した!!

「勝負有り!!」

 エスの勝利である。あとほんの数秒だっただろう。しかし、今回はエスが勝利した。

「よーし、じゃあ、次はパト、やろうぜ。このまま連勝してやる」

 エスはルンバに勝ったことで調子付いてパトに連戦を申し込む。

「ほう、良いだろう」

 パトはその勝負を受けた。


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