第59話『地下鉄大激突』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第59話
『地下鉄大激突』
イタッチとダッチの二人は地下にあるという、モーン石というお宝を探すために使われていない地下鉄へやって来た。
「東京の地下に使われてない地下鉄の路線があったなんてな」
ダッチは驚きながらライトで照らしながら先を進む。
「ゴーストステーションなら他にもあるぞ。知りてないだけで、非常時にはその地下の活用も考えられてる」
イタッチの説明を受け、ダッチは「ほーん」と返事をする。
しばらく進むと、見覚えのない駅名のホームに着いた。
「なんだ、この駅。セントラル? イタッチ分かるか?」
「ああ、ここは全ての地下鉄に通じる唯一のホーム。簡単に言えば、地下鉄の中心だ」
「そんな駅が……だが、聞いたことないぞ?」
「それもそうだ。ここを使ってたのは、回送の電車か、自衛隊。しかし、ある時期から使われなくなった」
「使われなくなった?」
イタッチはホームに登ると、柱についている巨大な三本傷を触る。
「怪物が現れたんだ……」
柱についた巨大な傷。そこ傷は深く生々しく残っている。
「なんだこれ……こんなデカい化け物がいるってのか……」
爪のサイズからその動物の大きさは、イタッチ達と堂々かそれ以上あることが分かる。
ダッチは警戒して周囲を見渡すが、そんな怪物はいない。
イタッチも警戒する様子はないため、ダッチは警戒を解き、改めてホームを見渡すと至る所に戦った形跡があった。
「この怪物はある組織では、ギガンズと呼ばれ、地底の大帝国に住んでいると言われている」
「なんでそんな怪物が地下鉄に……」
「さぁな。誰かが刺激してしまったか。それとも向こうからやってきたか。どちらにしろ、軍隊の一個小隊を壊滅させた」
壁には怪物の壁の他に弾痕があり、銃火器で応戦したのが窺える。
「怪物の巣であるここにモーン石があるってわけか」
「そういうことだ。この先からが奴らのテリトリーになる。警戒して進むぞ」
イタッチ達はライトで照らしながら、地下鉄の経路を進んでいく。
しばらく進んでいくと、巨大なフンが道を塞いでいた。
「なんじゃこりゃ……」
「奴らの排泄物だな。研究員なら宝石みたいな宝だ。ま、俺達にとっては必要ないものだがな」
「だが、これじゃこの先に進めないぜ。どうするよ?」
「流石にこれを退かしてる時間はないな。作業中に襲われる可能性もあるし……。別のルートを探すか」
イタッチとダッチの二人は別のルートから先に進むことにした。
地下鉄の経路は入り組んでおり、幾つもの路線が交差して繋がっている。
別のルートから進んでいると、ダッチはある匂いに気づいた。
「おい、イタッチ……。この先」
「ああ、ヤバいな」