第75話『題名』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第75話
『題名』
「目的か……」
ブラックは折り紙の剣を強く握りしめる。そしてイタッチに向かって走り出した。
ブラックは近づくと、剣を振り下ろす。イタッチも剣を握りしめてブラックの攻撃を防いだ。
そして二人の激しい攻防戦が始まる。二人の武器は何度もぶつかり合い、火花を散らし、建物内に音を響かせる。
二人の戦いの衝撃で風が発生し、フクロウ警部の帽子は揺れる。
「なんて戦いだ……。あれがイタッチとブラックの戦い」
フクロウ警部は二人の戦いを見守る。
イタッチとブラックは武器を交え、二人は至近距離で睨み合う。
「オリジナル……。ならお前に尋ねる。お前は何のために怪盗を続ける!!」
「俺か。俺は世界を盗むためさ!!」
二人は武器を弾き合う。二人の身体は押され合って、少しだけ足が宙に浮く。
ブラックは折り紙を折って手裏剣を作ると、イタッチに向けて投げる。
「世界を盗む? ふん、ふざけたことを!!」
「ふざけてなんてないさ!! 俺は本気だ!!」
イタッチは剣で全ての手裏剣を切り落とす。迎撃されると思っていなかったブラックは、驚いて動きが一瞬硬直した。
その隙にイタッチはブラックの至近距離へと近づく。
そしてブラックに剣で次々と攻撃をし、ブラックはガードするので精一杯の状態になった。
実力が均衡していたからこそ、一度の油断で事態が大きく動く。
「不可能を可能にするのが。怪盗であり、俺なんだからな!!」
防御することしかできず、ブラックは後退していく。そして気がつけば、建物の壁が背後に迫ってきていた。
「俺はイタッチ。なら、お前はなんだ!!」
ブラックの背中が壁に触れると同時に、イタッチはブラックの剣を弾き飛ばした。
イタッチはブラックの首に剣を当てる。ブラックの皮一枚を折り紙の剣が切る。
「……俺は…………ブラック」
ブラックはイタッチにバレないようにマントに片手を突っ込む。そして中で折り紙を折り始める。
「そうだ。そしてお前はお前だろ」
イタッチがそう言うとブラックは作っていたものを折るのをやめた。
「……ブラックダイヤ。お前はなぜ俺をオリジナルと呼ぶ。お前はブラックダイヤであり、俺じゃない」
「……」
「お前はお前のやりたいことをやれ。それが俺からのアドバイスだ!」
ブラックはマントの裏で作っていた折り紙を広げ、別のものを作り始める。
イタッチが剣を一度下げ、そしてブラックに突き刺そうを真っ直ぐ動かす。
しかし、ブラックはマントの中で完成させた武器でイタッチの攻撃を防いだ。
「……斧か。まぁ、まずまずの出来だな!」
二人の武器は弾かれ合い、二人の身体は反る。ブラックの背中は地面にめり込むが、二人とも瞬時に次の攻撃に転じた。