第21話 【メタルハート 21話 協力】
メタルハート 21
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第21話
【メタルハート 21話 協力】
ダードゥはロウによる魔法で視界を奪われた。
その魔法は洞窟探索の時や街の街灯などで使われている光の魔法を強化したものだろう。
目が治るまではほんの数秒かかる。
ロウの狙いは視界を奪い奇襲をすること。だが、ダードゥは何度の命を狙われてきた。その度に戦闘をして生き残ってきたのだ。
視界を奪われた程度では負けない。
他の感覚を頼りに、ロウの攻撃を予測する。そして先ほど投げられた剣が目の前で止まった。
つまりそこに少年がいる。そしてそこから反撃をしてくる!!
ダードゥは前にロウがいると予想してカウンターをしようとする。だが!!
後ろからも足音?
前後の両方から気配がする。
だが、ダードゥはすでにカウンターのつもりで前方に攻撃をしてしまう。
ダードゥの攻撃は当たった。前にロウはいたのだ。
だが、ダードゥの攻撃はロウに一瞬掠るが、
後ろから奇襲を仕掛けていたアイサの攻撃を受けたことにより、途中で力が抜けてしまい、ロウにダメージを負わせることができなかった。
ダードゥはそのまま倒れる。
「な、なぜだ。さっきまで動けていなかったはず……」
ダードゥは倒れた状態でアイサの方を見る。
アイサは完璧とはいえないが、少しだけ傷が治っていた。
不思議そうなダードゥにロウが答える。
「俺の魔法だ。俺の魔法でアイサの傷を塞いだ」
ロウはダードゥと戦っている間に魔法計算を行い、アイサの傷を癒していたのだ。
「あの間に……か」
ダードゥは悔しそうに言った。
「俺も歳を取った。そんなことにも気づかないとはな……」
「さぁ、ダードゥ、あなたを王国に連行する」
アイサはそう言い、ダードゥを縄で縛ろうとするが、アイサの身体はぶらりとふらつく。
それを咄嗟にロウが支えた。
「俺の魔法は応急処置だ。無理はするな。あとは俺がやる」
ロウはそう言うと、アイサを休ませてダードゥを縄で縛る。
ダードゥは諦めたのか大人しくロウに縛られる。
そんな中、ダードゥはロウの顔を見て、髪に隠れた左目をみつけた。
「紅瞳……」
それにいち早く反応したのはアイサだった。
「何か知ってるの!?」
ダードゥは縄に縛られながら答えた。
「ああ、噂程度だがな」
「なんでも良い。手がかりを探してるの」
ダードゥはしばらく考える。そして、
「俺は商人だ。客については教えない。だが、君たちは俺を倒した。だから、それを代金として、情報を提供しよう」