ふつうの日

今日で夏休みはおわり。今年は帰省だけで遠出もせず、暑くて、外出もままならない日常だけが通りすぎた。
今日は恋人のうちにスープを作りにいった。体調が悪いことにかこつけて甘えたい彼女は、桃のケーキが食べたい、わたしが寝てる間にお鍋をくつくつして、体によいものを作ってほしいと言った。だから、桃のケーキとチョコレートとフランボワーズのケーキを洋菓子店で、スーパーマーケットでは広告の品だった手羽元を買って、家からレタスとトマト、茅乃舎の出汁、生姜、塩麹を持っていった。
手羽元を少し焼いて、くつくつと煮込む間にケーキを食べた。どちらのケーキも、とてもていねいに作ってあっておいしかった。チョコレートケーキは濃厚で、秋にコーヒーを飲みながら食べるのがいいかもねえと話す。ケーキを食べ終えると、少食な恋人は横になった。お昼がまだのわたしはスープに野菜を入れ、恋人のうちの卵を溶いて、一足先に食べた。
ごろごろしながら、スピ系陰謀論に夫婦ではまった芸能人の話題になり、やはり教育や学ぶことは大事だという話になった。物事は根拠をもとに考えることが大切で、また同時に、世の中の全てに説明が必要なわけではなく、根拠はないが存在し救いになるものもあると理解している。そのうえで、（彼らがはまっているらしい）陰謀論の某氏や鍼灸師のSNSにあるようなひどい文章にのせられることは、たとえ自分が不安定なところに立っていたとして、今後もない気がした。あんな文章になにか宿っていると勘違いしないための、ある程度の読解力と、思考力を身につけるためには、やはり学ぶことが大切なんじゃないか…という話をしたんだけど、書きたいのはこういうことではない。話をもどす。
ふたりでいくつか動画をみた。崎山蒼志の観てほしい動画があるんだよと何度か言ったものの、嫉妬深い恋人はそれをスルーした。しばらくして、彼女もおいしいと言いながらスープを飲んだ。
そうこうするうち、出かける時間に。スープは雑炊にしてもおいしいよと言って、家の前で別れた。
夜、シャワーのあとうたた寝をしている間に、体調が回復したことと、雑炊にしてたくさん食べたことの連絡が来ていた。湿度が高いので、窓を閉め、除湿して寝る。