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タイ・バンコクでの妊娠・出産体験記【後編】~産後の入院生活レポ@バムルンラード病院~
2024年6月3日、タイ・バンコクにて第一子となる男の子を出産しました。
本記事は、私たちがお世話になったバムルンラード病院における産後の入院生活レポです。
入院生活の流れや部屋の設備、食事のメニュー、当院でのお産全体を通した感想などについて、自身の備忘録として綴りました。
あくまで個人の経験談ですが、タイで出産を控えている方や興味がある方にとって、なにか参考になるものがあれば幸いです。
「前編」「中編」は下記リンクからどうぞ。
経腟分娩の入院期間は2泊3日
2024年7月現在、バムルンラード病院の出産パッケージは以下の3種類です。
・普通分娩139,000バーツ(入院2泊3日)
・無痛分娩159,000バーツ(入院2泊3日)
・帝王切開159,000バーツ(入院3泊4日)
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パッケージでは、経腟分娩は生まれた日から数えて2泊3日、帝王切開は3泊4日で退院となります。タイは日本に比べると入院期間が短いですよね。
私は無痛分娩で出産し、基本プランのシングルルームに滞在しました。
延泊料金は、1泊18500バーツです。気軽に払える金額ではないのでギリギリまで悩みましたが、退院前日になっても会陰切開部が痛く、「もう少し安静にしていたい」と1日だけ延泊を決めました。
よって、3泊4日の入院生活となりました。
部屋の設備やアメニティ
滞在していたシングルルームは、まるでホテルのように広々として清潔で、快適そのもの。
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大きな窓からは、隣接した庭園のグリーンが見えて癒されます。カーテンは全自動で、ボタンひとつで開閉可能。
来客があれば、窓際のソファでくつろいでもらえます。
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洗面所やシャワールームは、すみずみまで掃除が行き届いていて、衛生面でも安心。
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洗面所にはアメニティセットが置いてあります。
石鹸、シャンプー、リンス、シャワージェル、ボディパウダー、ボディーオイル、歯ブラシ、歯磨き粉、シャワーキャップ、くし、ゴム、綿棒などが入っていました。
実は、アメニティセットの入れ物も持ち帰りができたそう。かわいいかごだったので、置いたまま帰ったことが悔やまれる……(笑)。
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授乳パジャマやタオルは毎日交換してくれます。ドライヤー、産褥ショーツ、ナプキン、母乳パッド、スリッパもあり。
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机やいす、ケトル、冷蔵庫、電子レンジ、食器、コップ、ソープディスペンサーなども完備。
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冷蔵庫には水やソイミルク、ジュースなどが入っていて、これらはコンプリメンタリーです。
私は自宅から持参したポカリスエットやいちごミルク、育児サポートでタイ渡航してくれた母の岡山土産「むらすずめ」も、冷蔵庫に入れていました(笑)。
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ちなみに、上段の青いプラスチックケースは、出産直後にもらった「へその緒」の入れ物です。置き場所に困り、一時的に冷蔵庫に保管しました。生々しくてすみません……(笑)。
その他、紅茶やコーヒー、ホットチョコレートなどもありました。
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テレビの音声はタイ語と英語のみ。
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ちなみに、私は下記のものを持参していました。
とくに必要だと感じたものには◎印をつけています。
・スマホ(充電器) ◎
・モバイルバッテリー
・母子手帳 ◎
・健康保険証 ◎
・財布
・着圧ソックス
・母乳パッド
・生理用ナプキン
・退院時の私服 ◎
・下着(授乳ブラや産褥ショーツなど)◎
・スキンケア&メイク道具 ◎
・パスポート&パスポートのコピー(赤ちゃんの出生証明書用)◎
・延長コード
・パソコン
・リップクリーム ◎
・お菓子や飲み物
・ペットボトル用キャップ
こだわりのスキンケア用品があれば、持参されるとよいと思います。
ちなみに私は、入院中に甘いものが無性に食べたくなり、持参していた飲み物やお菓子に癒されました。
ただ、必要最低限のものはほとんど病院側が準備してくれるので、個人で持参すべきものは多くないと思います。
入院から退院までの流れ
経腟分娩の場合、出産当日に初回授乳や授乳指導、翌日に沐浴指導、翌々日に退院というのが、当院での大まかな流れのようです。
ただ私の場合、息子がNICUに6日間入院していたため、通常とは異なる過ごし方になる点をご容赦ください。
入院1日目
朝、NICUのドクターから、「赤ちゃんが新生児低血糖のため、ひとまずNICUで様子をみている」と話がありました。心配したものの、「大きな問題はない」とのことでひと安心。
私はずっとベッドで横になっていましたが、朝・昼・夕方・夜のバイタルチェックや、1日2回ある外陰部の赤外線照射、電動搾乳機を使った搾乳など、なかなかの忙しさ。
「ゆっくり昼寝」というわけにはいきません。そのほか、メモリ入りのペットボトルの水を飲み、飲水量や尿量を紙に書いて記録します。
なにかあれば、手元のボタンでナースコール。やりとりは基本的に英語でしたが、たまに日本語通訳さんが同席してくれたり、電話で通訳さんを介して話したりすることもありました。
この日は昼過ぎに母が面会にきてくれ、夕方にNICUで息子と対面しました。
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入院2日目
翌日から、午前と午後に1回ずつ、夫婦でNICUに通う生活が始まりました。
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午前中には、担当医のラシック先生が病室に来てくれました。改めてお礼を伝えると、優しい笑顔で「グッジョブ!」。ほんと先生大好き……。
21時過ぎにナースさんがきて、シャワー浴のサポートをしてくれました。会陰切開部が痛くてへっぴり腰(笑)。でも、1日ぶりに髪を洗えて最高に気持ちがよかったです。
入院3日目
早朝にドクターから、「赤ちゃんの黄疸が落ちついて、数値が基準値まで下がったので、光線療法はいったん終わりです」というグッドニュース。
午前中、NICUで息子のオムツ交換を見学しました。
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夕方、初めて息子を抱っこさせてもらいました。
必死で搾り取ったわずかな母乳を飲んでくれて嬉しい。ミルクもごくごく。よい飲みっぷりです。
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入院4日目
「赤ちゃんの血糖値が安定するまで様子を見ましょう」とのことで、一足早く私が退院することに。
15時にチェックアウトして、病院を出発しました。
※チェックアウトの時間は人によるそうなので、各自ご確認ください。
出産パッケージには、「バンコク市内の送迎」も含まれています。迎えにきてくれたのが、想像よりも大きく立派なバンで驚きました。
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私の退院後も、1日に2回、夫婦でNICUに通いました。
生後5日目に、「血糖値が安定した」ということで、息子が晴れて保育器から卒業。この日、初めて授乳に挑戦しました。
同日に、日本式の先天性代謝異常検査(新生児スクリーニング検査)を実施。こちらは出産パッケージには含まれておらず、自費です。
生後6日目には、NICUにて沐浴指導を受けました。NICUのナースさんは英語が話せる方がほとんどですが、この日対応してくれた方はタイ語オンリー。タイ語ができる夫に通訳してもらいました。
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生後7日目、ついに迎えた息子の退院日。退院直前に、息子のパスポート申請用の写真をゲット。
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ナースさんに付き添ってもらい、息子がついに外界へ。ドキドキ……
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無事に息子を連れて我が家に帰宅。いよいよ家族3人の生活が始まりました。
ちなみに当院では、産後エステやニューボーンフォト撮影といった日本人向けのオプションサービスはありません。ただ私の場合は、とにかくゆっくり休息を取りたかったので、ノープロブレムでした。
食事のメニュー
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食事は、和食・洋食・タイ料理・ハラル・ベジタリアンの5種類。それぞれにメニューが2つあり、合計10食から選択できます。
また、昼食時にはおやつ(お菓子とジュース)がついてきました。下記は、私が提供してもらった食事です。
1日目の朝(和食)
産後初めての食事は「和食」でした。これ以降、メニューを自分で選択します。
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1日目の昼(和食)
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1日目の夜(洋食)
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2日目の朝(洋食)
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2日目の昼(洋食)
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2日目の夜(和食)
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3日目の朝(洋食)
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3日目の昼(タイ)
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3日目の夜(洋食)
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4日目の朝(洋食)
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4日目の昼(タイ)
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個人的に、2日目のミートスパゲティと、3日目のグリーンカレーがとくに美味しかったです。ちなみにタイ料理は、容赦なく辛い(笑)。
日本人向けの「祝い御膳」の提供はありません。食事の全体的なクオリティについては、「ちょっと物足りないかな……」いうのが正直な感想ではあります。
でも、海外の病院で和食が食べられるだけで、本当にありがたいこと。毎回どんな食事が運ばれてくるのか楽しみでした。
退院時にいただいたもの
退院の日に、たくさんの記念品をいただきました。
まずは、当院オリジナルのマザーズバッグ。程よいサイズ感で、内外にポケットもついていて機能性抜群です。実際にとても使いやすく、息子と出かける際は重宝しています。
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各種メーカーの試供品もどっさり。紙おむつ、母乳パッド、お尻ふき、赤ちゃん用シャンプー、ボディーソープ、洗濯用洗剤&柔軟剤、コットンなど。
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出産直後に撮影してもらった家族写真入りの写真立て。ベビーの顔写真や足形、生年月日、出生時の体重と身長、ベビー・父・母・担当医の名前が記されています。
すてきな記念品にキュン。さっそく自宅に飾りました。
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高級感あふれる箱に入っていたのは、授乳ケープ。
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ただ、柄がちょっと私の好みではなくて、まだ一度も使えていません(笑)。
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ミルク缶の残りももらえます。
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それから、新しいベビー手帳。当院では、妊娠中にもらう母子手帳と別々です。紛らわしいので、個人的には統一してくれた方がありがたいかも……。
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当院のロゴ入りベビーキャップももらえます。
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退院時には、当院オリジナルの肌着とおくるみを着て帰宅します。衛生上の観点から、このおくるみ以外は不可なのだそう。
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おくるみは分厚い生地で、白くまさんのようなフォルムがかわいい。
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私は普段、容赦なく服を断捨離するタイプなんですが、このおくるみは捨てられないかも……(笑)。
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(番外編)授乳でぶち当たった壁
かなり個人的な話ですが、私が授乳に苦戦した話について、簡単に記しておきます。
私はもともと授乳方法にこだわりはなく、漠然と「混合がいいかな~」と思っていました。YouTubeで授乳に関する動画をいくつか視聴して、ざっと予習していたつもりでした。
想定外だったのは、息子がNICUに入院したこと。産後すぐに授乳ができず、入院期間中は電動搾乳機での搾乳を余儀なくされました。
しかし、「母子同室じゃないし、ゆっくり休めてラッキー」くらいに思っていました。
入院1日目は、母乳の分泌はなし。
ナースさんに相談すると、「産後3~7日間は母乳が出ないのが普通なので、心配いらないですよ」とのことで、安心しました。
とあるナースさんは、「体を休めるのが第一優先だから、夜間の搾乳は無理しないで」と声をかけてくれました。その言葉に甘え、最初の2日間は夜間の搾乳を何度かサボってしまいました。
3日目に、別のナースさんから「搾乳は1日に最低8回がマスト」とのお話があり、慌てて3時間おきの搾乳を始めました。
一方、どんどん胸が張ってきて、痛みを伴うように。不安が増し、自宅で使うための電動搾乳機をLazadaでふたつも購入しました。
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振り返ると、産後4日目が「運命の分かれ道」だった気がします。
その日はわたしの退院日。午前中、NICUで授乳に初めて挑戦するも、うまく吸わせることができず。
夜、自宅で母におっぱいマッサージをしてもらいました。その痛いこと痛いこと。それもそのはず。私の胸は、すでにガチガチに硬くなっていたのです。
「このままでは乳腺炎になってしまうかも。心配だわ」と、不安な表情の母。そのとき初めて、ことの重大さに気付きました。
「乳腺炎になったらどうしよう。これでは母乳もでないかもしれない……」
不安に押しつぶされそうで、夫と母の前で大号泣。痛みに耐えながら、母に教わったマッサージをして、必死で3時間おきに搾乳し続けました。
その甲斐があってか、母乳の分泌が少しずつ増えるように。息子の授乳時間に合わせてNICUに通い、授乳にトライ。6日目には、両方の胸で50CCを搾乳できました。
息子がゴクゴクと喉を鳴らし、初めて直母できたときは、涙が出るほどうれしかった。
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生後1か月半が経った現在、幸いにも母乳育児が軌道にのり、完全母乳で育てています。
もし母の助言がなければ、搾乳を怠り、おっぱいマッサージの仕方もわからず、乳腺炎になっていたかもしれません。
「母乳育児は産後の初動が大切」だということ。乳腺炎の予防法や、おっぱいマッサージの方法についても、産前にしっかり学んでおくべきだったと感じます。
母乳も混合もミルクも、それぞれにメリットとデメリットがある。そして、多くのママたちが授乳の悩みや葛藤を抱え、奮闘されているのだと、出産を経験して初めて知りました。
バムルンラード病院でのお産 総括
以上、前・中・後編に分けて、バムルンラード病院での妊娠・出産・入院生活を振り返ってみました。
なに不自由ない快適な院内設備や、きめ細やかな医療サポートなど、「さすがタイを代表する病院だ」と率直に感じました。
また、日本語通訳の常駐や和食提供といった日本人向けのサポートもあり、心から安心できました。将来息子には、「あなたはこんな素敵な病院で生まれたんだよ」と伝えたいな。
妊娠出産という大切なライフイベントを、当院で経験することができて本当によかった。母子ともに元気で退院できたことに改めて感謝です。
以上、どなたかにとって、なにか参考になるものがあれば幸いです。