22テイストイメージ診断 第4回
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今回は、22テイストイメージ診断では実際には何をするのか、ということをご紹介していきたいと思います。以前は基本的に対面でコンサルティングを行っておりましたが、この2年ほどはオンラインでのコンサルティングを希望される方もたくさんいらっしゃり(しばらくはそうせざるを得ない状況でしたね)、顔写真を送っていただくだけで診断ができるメニューを新設するアドバイザーもおりました。対面のほうが納得感があってよいとは思いますが、顔写真だけで診断が成り立つのも22テイストイメージ診断のよいところですね。顔には本当にたくさんの情報が詰まっています。個人的には、テイストは目で決まると感じています。黒目の色と大きさ、黒目と白目のコントラスト、動き、視線などですね。その他に、骨格や肉のつき方も顔から見えてきますし、パーツの位置関係なども重要なポイントだと思います。ただ、それらはテイスト位置を決めるものというよりは、テイスト位置に持ってくるための調整の方法(色・柄・素材などの要素の組み合わせ方)に関係する要素なのかな、と感じております。22テイストイメージ診断のアドバイザーのみなさんから聞くところによると、22テイストイメージ診断のお客様には、骨格診断や顔タイプ診断(あるいはもっといろいろ)を受けていらっしゃる方もよくいらっしゃるようですね。私はそちらには不案内なのですが、22テイストイメージ診断を受けることで、それらの診断結果の意味を総合して考えることができるようになった、というご感想もいただいているようです。きっと私が感じていることと同じなのではないかな、と思います。チャンスがあれば、他の診断もいろいろ勉強してみたいですね。そう言えば、ここまで触れてこなかったパーソナルカラー診断についてもいろいろと語ることはあるのですが。お客様の多くは、パーソナルカラー診断も受けられていますよね。
さて、対面での診断では、まずは色や柄がプリントされた布、ドレープと呼んでいますが、これをお顔の下に当てさせていただいて調和感を見る、という方法をとります。こういう感じです。
モノクロの柄がプリントされたドレープと、いろいろな色が縞になっているカラーのドレープが、それぞれ20枚程度用意されています。詳細は省略しますが、柄の大きさ、柄のコントラスト、色相、明度、彩度、配色コントラスト、その他いろいろが見られるように設計されているものです。おそらくお客様も、診断を受けている間に、ご自身によく調和するドレープと全く調和しないドレープの違いを感じていただけるのではないでしょうか。これはいいけれど、これは全くだな、とか。それをアドバイザーが整理してご説明いたします。「明度が高いほうが調和する」とか「高彩度のほうがお顔が映える」とか。あるいは「柄が大きいのは顔が負けてしまっている」とか「彩度も低くてコントラストも低いものは、とてもさみしく見える」とか。ですので、診断を受けている最中に、ご自身に調和する柄の大きさ、柄のコントラスト、色相、明度、彩度、配色コントラストの特徴を把握することができると思います。ここまでが第一段階です。まとめると、たとえばこんな感じのことがご理解いただけると思います。
色相:紫系
明度:中〜やや暗い
彩度:やや低彩度
配色コントラスト:やや弱い
柄の大きさ:やや大きい
柄のコントラスト:やや弱い
そうは言っても、では具体的にどうすればいいのか、上の全ての条件を満たしたファッションでないといけないのか、生地やシルエットはどうなのか、という疑問が残ると思います。それについては、顔写真を撮らせていただいて、持ち帰らせていただいております。私自身のこの段階の診断方法は、ファッション雑誌の写真を切り抜いたものを大量にストックしてあるので、その中から「すごく似合う」「すごく似合うとは言えないが、なんらかの良さを感じる」「どうも似合わない」ものをピックアップし、特徴を分析していくスタイルです。「すごく似合う」とかがなぜわかるのか、と疑問に思われるかもしれませんが、顔写真をファッション写真に当てて、あたかも着ているかのように見せて、判断しているだけです。早合点の方には「それがプロの仕事?!」と専門性を疑われてしまったりもするのですが、実際やってみるとそんなに簡単ではなく、余計なものは頭に入れず必要な情報のみを増幅してイメージする想像力も必要ですし、感覚と思考の両輪で進めていくバランス感覚も大切ですし、情報を理論に従って解釈して論理立てて整理するのもそこそこ脳のリソースを食いますし、しつこく考える頭の体力や忍耐力もいりますし、割と練習がいります。この段階は、アドバイザーによって少しずつスタイルが異なります。それぞれに7つ道具のようなものを持っていたりするようですが(アドバイザー同士集まって、ツール作りの研究会をやっていたりもする)、本質的には私のやっていることと同じです。
そういう過程を経て、お顔と調和するテイスト位置を判断し、そのテイスト位置になるように「色・柄・素材・形・装飾」を組み合わせる方法をご説明したご提案書(カルテと呼ぶこともあります)を作成いたします。お客様の脳にもそこそこ負担をおかけするような内容なので、できれば時間をとって、じっくりご説明したいところです。百貨店などにご一緒させていただいて実際に試着していただいたり、お持ちのお洋服をいろいろと持ってきていただいてコーディネート例をお作りしたり、といったことを通して初めて、ご提案の内容をよくご理解いただけることも多かったですね。
カルテは、「あなたのファッションタイプ」として、まずは「テイスト名」と「全体的なファッションの特徴」をお知らせいたします。テイスト名は、「楚々としたスタンダードなフェミニン」とか「モダン要素のあるフェミニン」とか「彩度を抑えて生地感で強さを出したいフェミニン」とか、同じフェミニンでもいろいろと異なった形容詞つきで表現することが多いです。そして、その意味するとことをざっとご説明しております。「あなたは王道のフェミニンタイプです。中明度・中彩度・中コントラスト・中強度でやや薄めの生地・フィットアンドフレアのシルエットで、楚々とした優美さを出すと個性が引き立ちます」みたいな感じですね。あるいは「王道のフェミニンではなく、一箇所だけシャープなラインを作る、中強度・中濃度を意識しながら粋なイメージの配色にする、などの"ひねり"を加えてモダンさを演出することで、あなたの良さがより表現できます」とか。「典型的なフェミニンでは中彩度がよいですが、中明度・低彩度の色を組み合わせて彩度と配色コントラストを抑え、上品なイメージにしたほうが映えます。その分、生地感では中強度を守り、異素材を組み合わせて強さを出すようにするのがおすすめです」とか。
そして、「色相、明度、彩度、配色コントラスト、柄の大きさ、シルエット」などの特徴を整理したものを表にしてお示しいたします。さらに、そのひとつひとつを具体例を加えてご説明し、コーディネートのポイントをまとめた文章を1ページびっしりと書いております。それから配色の例をいくつか(シーンに合わせて8種類〜くらいでしょうか)、具体的なファッションの写真をいくつか(こちらもシーンに合わせて15種類〜くらい。「結婚式がある」「スーツを買おうと思っている」などとお知らせ下されば、それに合わせてお選びしています)、説明文とともに載せています。アクセサリーや靴やバッグの写真なども載せてますね。これらは「こういうものを選ぶといいですよ」ということよりも(もちろんそれもありますが)、どういう点に留意してアイテムを選び、コーディネートすればよいか、ということをお伝えするのが主眼ですので、「こんなの着ないよ!」というものもあるかもしれませんが(パリコレでモデルが着ているものとか)、必ずカジュアルな普段着も載せていますので、実際に着るイメージも掴んでいただけるかと思います。
実際のカルテをここでご紹介できるとよいのですが、それはちょっと難しいので、なんらかの形でサンプルのようなもの公開できるといいなと思っています。
ここまで4回、だいぶざっくりではありますが、22テイストイメージ診断のお話をしてきました。いかがでしたでしょうか?あえてあまり詳しい話もせず、軽い気持ちで読んでいただけるようにしてみたつもりですが、ご質問・ご感想があれば、コメントいただけると嬉しいです。次の記事を書く参考にさせていただきます。