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誰のための傾聴?
私は今は休職中ですが、在籍中は一年に一度、傾聴研修を受けていました。それは職場に来訪する若いママさんの話を聴く機会が多い職場だったからです。
そして私はその傾聴の先生の講義がとても好きでした。家族や友人にも出来るスキルだし、毎回学びになるし、魅力的な先生でしたから。
しかしこの研修の目的は、別のところにありました。
話の聴けないスタッフSさんの意識改善のためでした。🤫
ちゃんとママさんたちの話を聞けや!
なんて言う上司もいない。
(話をふって、すぐに自分の話に持って行ってしまう)
誰もが、それレッドカード‼️と思いながらも本人には言えない優しいスタッフで成り立っていました。
研修は、話し手と聞き手と観察者の3人組で一定時間、傾聴練習。
最後は各人の感想を発表します。
皆が耳を大きくしてSさんの感想を待ちます。
「最近は段々じっくりとママさんの話が聴けるようになりました。うんぬん…」
いつも同じ感想ですが、スタッフたち下を向いて失笑。
だって全然変わってないんですから!😱
かくしてこのお一人のために、毎年行われていた傾聴研修は、彼女が介護で引っ越した瞬間になくなりました(⌒-⌒; )
優しい職場では有りますが、皆、芯は強くて意見交換は活発です。女性だけの職場は優しくもあり、風通しもよし、機動力あり、向上心あり、育児の相談も出来る。目配りもすごい。
だけど叱る人はいない。難と言えばそこですね。
私の大好きな職場でしたが、今年度で完全に退職する予定です。後任者もいるし、若返りを図ってるし。
こんなにいい職場はありません。
何より傾聴と出会えた。
いい40代を過ごさせてもらえました。
それより、話の聴けないSさんですが、このように結局自分の話をしたい人はサービス業に行きがちだそうです。自分の話がしたいから。
ママさんによっては、自分で話すことが苦手でSさんのように盛り上げてくれる人の方が楽しくて、一定数のファンはいました。
でも、そういう付き合いは好ましくない場所でした。
Sさん、どうしてるかな? 話聴けてるかな?
時々明るいSさんの笑顔を思い出します。