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宝屋物語 1


縁あって、宝屋で働く

 結婚はしているが、子どもがいない私は、36歳。
仕事を探していた。
 ある日、1枚のチラシが目に止まった。
宝屋が、リニューアルオープンするらしい。
それに向けての パート・アルバイトを募集する、というもの。
宝屋は、地元の総合小売店。
自称『デパート』だけど、海外高級ブランドの取扱いは無く、
安さが売りの印象だった。
そんな宝屋の求人の職種を、確認する。
残念ながら、POPライターは募集していなかった。
 後日、ふと思った。「 直接、電話して聞いてみる?」
当たって砕けろって言うし。思い立ったが吉日。
さっそく採用担当者に電話して、POPライターの経験者だと
売り込んでみた。
すると、面接してくれるという。とりあえず、良かった。
 私は、自作のPOPを集めたファイルを、準備した。
そして、店長と採用担当者との面接に挑んだ。
店長室では、店長と採用担当者( のちの上司 )と3人で会った。
店長は、これまでの私の実績を認めてくれた。
そして、これからの話をしてくれた。
 POPの作成機能がある、新しい専用のパソコンを導入予定で、
ぜひ、そのパソコンでのPOP作成を担当して欲しいと言われた。
私は店長から、採用を伝えられたのだ。
嬉しかった。これからの事を考えると、わくわくした。
研修後の配属が、楽しみだった。


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