父が姿を変えた『 見守るハエ 』
まだ結婚もせず、実家で暮らしていた頃。
病気で、長めにふせっていた事があった。
仕事も1ヶ月ぐらい、休んでいたと思う。
その日も、起き上がれずに寝ていたら、突然ハエが現れた。
私の周りをグルグルと飛んでいた。
不思議だった。
どこも窓は開いていない。
どこから来た?
私は、直感した。
父だ。
私の様子を見に来たんだ。
薄目を開けて、あらためてハエを見た。
自分の部屋に、ハエがいる。
その時は、不思議とイヤな気はしなかった。
そして、しばらくするとハエは消えた。
私は、元気になった。
忙しい日常が戻って、私はハエのことを、すっかり忘れていた。
でも、その後の私のピンチの際に、またもやハエが現れたのである。