[日記]M-1グランプリ2回戦を見に行った話
初めての生のM-1
生まれて初めてM-1の予選を会場まで観に行った。ああいうのは東京近郊に住んでる熱心なお笑いファンの人たちが行くもので、地方在住の私には縁遠いものだと思っていた。
が、ちょうど10月16日は東京に行く予定があり、その翌日に私が好きな漫才コンビの「きつね日和」がM-1の2回戦に出ると言うので、これはもう行くしかないと思いチケットを購入した。即完売するほど人気だったが運良く買えた。
2回戦は朝の11時から夜の19時過ぎまであり、この日は全119組が出演。出場組数は全て見終わってから公式Twitterで知り、そんなに見たのかと驚いた。
約8時間半の長丁場のため、中には途中から来て目当ての芸人さんを見終わったら帰る人もいる。
私も一瞬そうしようかと思ったが、出場者一覧を確認したら良い具合に見たい人達が序盤、中盤、終盤にばらけていて「これは最初から最後まで見るしか無い…」と覚悟を決めて全て見ることにした。
浅草の「雷5656会館」と言う建物が会場だった。MCのレギュラーによると吉本が昔良くライブで使っていた場所らしい。
絶対に途中でお腹が空くから浅草らしく人形焼などを買って行ったが感染対策で会場はおろかロビーでも食事は禁止だった。
なお再入場は不可。約8時間半、水だけで過ごした。朝食はもっと遅い時間に取るべきだった。
1回戦を勝ち抜いた119組が全力で笑わせに来る。向こうが全力だからこっちも全力で大声で笑わされてしまう。合間に休憩※を挟むものの、それが約8時間半続くのだ。最後は体力勝負。本当はもう笑いたく無い(疲れるから。)
でもおもしろいから笑わざるを得ないし、笑わせてくれるなら心の底から笑いたい。
だから約8時間半ほぼずっとタガが外れたかのような大笑いをしていた。疲れた。笑い疲れだ。
※1グループ8組(約30分)が終わるごとにMCが現れて小休憩、3グループ終わるごとに10分〜15分のトイレ休憩がある。なお女子トイレは激しく混雑する。
残念ながらコンビ名は忘れてしまったが(なにせ119組もいるので)、本当にどの組もおもしろかった。見たことがない変な漫才もたくさんあった。
この「変な」は決して悪口ではない。褒め言葉でも無いかもしれない。でも私は変なものが好きなんだ。
漫才の中で漫才
誰も突っ込まない漫才
溜めに溜めた末に出る静かな一言で爆笑をかっさらうボケ(それが何度も繰り返されるので次は何を言うんだと固唾を飲んで沈黙に見入った)
漫才のテンプレートをネタにした漫才(何組かいた)
小学生と父親のコンビ(スタンドマイクが1番低い位置になっていてかわいかった)
年齢差20歳のコンビ
あえて昔ながらの漫才らしい漫才をするコンビ
相方が人間じゃない
途中からボケが一切声を出さない
1人の強気なボケに2人の強気なツッコミによる戦い
ボケとかツッコミではない殺伐とした関係のトリオ
漫才でもないしコントでもない歌系の何か
ひたすら回文
ひたすらモノマネ
ひたすら楽器
高校生コンビ
会社員コンビ
現役弁護士と元消防士のコンビ
現役グラドルとその実兄のコンビ
車椅子に乗った人と立ってる人のコンビ
etc…。
3回戦に勝ち上がったのは20組/119組だが、残りの約100組もみんなおもしろかった。
疲れたけど、最初から最後まで全部見て良かったと思う。ネット配信で見て一度生で見たいと思っていたコンビも何組かいたし、初めて見ておもしろいと思ったコンビはそれ以上にいた。
M-1を見るファンの気持ち
去年M-1に出る芸人さんや彼らを応援するファンの人たちの悲喜交交を見て2つの相反することを思った。
「私が好きな漫才コンビはもうM-1に出ることがなくて良かった。」
「もし彼らがM-1に出ていたらどんな漫才をするのか見てみたい。」
全力を尽くして挑む漫才師さん達と勝ち進むことを信じて応援しているファンの人達が結果を受けて悔しがったり落胆している様子は、側から見ていても心苦しかった。私も同じように優勝を信じていたに違いない。
本来、笑って楽しむ為のものなのに勝ち負けがつくことでそれ以外の気持ちもついて来てしまう。それはとても辛そうに見えた。
そう思う反面、M-1の為の漫才がどのようなものなのかはとても気になった。素人には良く分からないのだけれどM-1で勝つための漫才とライブで人を笑わせる漫才は何かが違うらしい。それを見てみたいと思った。
去年はそんなことも思いながらM-1の敗者復活戦と決勝戦を見ていた。
————
今年、新たに「きつね日和」と言う若手漫才コンビのファンになった。
ファンになった経緯などは上の記事で書いたので省くが、とにかく彼らからは良くも悪くも目が離せない。
きつね日和がM-1の2回戦でやったネタは何回かネット配信で見たことがあるもので、その時も家で笑ったのだが今回は更におもしろくなっていた。
ベースは同じなのにツッコミのおいなりさんの叫びや動きとか、ボケの松本さんのさりげない一言が足されていて、それがたまらなくおもしろい。
元々おもしろかったものが更に力強くなっている。
私もバカみたいに声をあげて笑ったが、周りからもバカみたいな爆笑が響くたびに何とも言えない嬉しさと喜びもあった。
最高のものを見せてもらって大満足の3分間だった。
きつね日和の後にまだ5時間以上もあると気がついた時には軽く途方に暮れた。笑い尽くして体力を使い切ってしまったので。
それ程におもしろかったが、この日選ばれるのは119組の中で20組だけ。
きつね日和はその20組には入らなかった。
正直「マジか!!」と驚いたが、去年想像していた程は落胆しなかった。
会場の建物を出た後に「3回戦もきっと見に来よう。」と思ったので悔しいことは悔しいが、それ以上に「おもしろかった。」と言う満足感の方が強い。それに「期待」が伴う。
きつね日和の漫才を初めて見たのは今年の4月下旬。この日見た漫才は半年前よりずっとおもしろかった。彼らは見るたびにおもしろくなる。
2回戦の結果が「通過」だろうが「敗退」だろうが、そこで得た経験を自分たちの栄養にして成長して行くのだと思う。
「売れたい/テレビに出たい。」と言う純粋で熱い欲と、そこに向かう為に自分達を分析する冷静さ。周りを見て良いものを吸収しようとする素直さと、そこから得たものをすぐに次に生かす行動力。
それらが着実に彼らを前進させている。この先どこまでおもしろくなるのか想像も出来ない。何せ、まだ知って半年でコレだから。
2回戦当日の夜に音声配信アプリRadiotalkの生配信で
「芸人としては格好悪いやり方ですけど、やれることは全部やろうかなと思っております。」
なんてことを言っていたけれど、目標の為に何でもやろうと言う意志はとても格好良いと思うし応援したい。
推ささっちゃうねぇ…
(※不可抗力で推してしまうの意。北海道弁から。)
本当はもっと褒め称えようと思ったのだけれど、私があれだけ爆笑したM-1の2回戦のネタでさえ彼らにとっては105%の出来でしかなかったそうなので、全力で褒め称えるのは120%のネタを生で見る時まで取っておこうと思います。
※その時の配信アーカイブ(アプリから聞くことができる)👇
https://radiotalk.page.link/WSTNkMqDdeuQaRqz5
🦊👉💥
直近で見られるきつね日和が出るライブ
きつね日和の各種SNSに飛べるまとめサイト
(twitter,Radiotalk,Youtube,note,オリジナルグッズの販売サイト,稲荷寿司のレシピ,某高級スーパーの公式サイトなど)