コロナ禍で熱が出た話
※これはあくまで個人の体験談です。もしも発熱などの症状が出た場合は医師などの専門家の指示に従って適切な行動をしてください。※
悲劇の始まり
日曜の朝。
目が覚めるとインフルエンザにかかった時のような関節の痛みを感じた。
特に熱はなく、食欲もいつも通り。
まあ前日に部活の練習あったしな、疲れが出たのかな。
その程度にしか考えてなかった。
その日の夕方。
どう考えてもしんどすぎる。
明らかにインフルにかかった時と同じ感覚。
「あ、これ、めっちゃ熱あるやつだ。詰んだ。」
でも……もしもここで熱を測って、本当に発熱の症状があったとしたら?
迷惑をかけるどころでは済まないのでは?
そう考えると怖くて今にも泣きそうだったけれど、そっと祈りながら体温計を脇に挟んだ。
38.3
画面を見た途端、頭でどうこう考える前に涙があふれてきた。
はい、終わった~~~。
真っ先に頭に浮かんだのは、バイト先の人のこと、部活の仲間のこと。
なによりも私が働いているところに通ってくれている子どもたち。
もしも私が新型コロナウイルスに感染していたら。
私のバイト先は閉鎖される。
部活の練習もできなくなる。
家族は職場から追い出されるかもしれない。
学校で冷たい目で見られるかもしれない。
私自身も、誰からも相手してもらえなくなるかもしれない。
そう考えた途端、涙がより一層溢れた。
「自分がコロナウイルスに感染しているかもしれない」
その事実は、私を恐怖と不安のどん底に突き落とした。
肺炎の症状はありますか?
とりあえず自分の部屋に閉じこもり、スマホを取り出す。
「コロナ 電話 相談」 検索
自分の住んでいる都道府県が設けている相談センターに電話をかける。
……繋がらない。
今この瞬間に、電話が混みあって繋がらないほどの人数が、自分や家族がコロナウイルスに感染しているかもしれないという状況に直面しているのか。
今まではどこか他人事のように感じていたことが、一気に現実味を帯びて襲い掛かってくる。
何回かかけ直してようやく電話がつながった。
「いまどのような症状があるのか。
呼吸器疾患を患っているか。
息苦しさや咳の症状はあるか。
嗅覚・味覚障害はあるか。」
いくつか質問をされる間にも涙はどんどん溢れてくる。
肺炎の症状は今のところ特になさそうだから、今晩は自宅で待機すること。
いまから発熱患者を受け入れている近くの病院を紹介するから、明日病院に電話をかけてから受診すること。
いくつか指示を出してもらって、通話は終了した。
「今日の夜、38度3分の発熱がありました。」
関係先に連絡するたび、何度も謝った。
みんな心配してくれているけれど、本当は迷惑だと思っているんじゃないか。
ふざけんなよって怒っているんじゃないか。
怒られてもしょうがないよな、この先どうやって生きていこうかな。
どんな顔をして出勤すればいいんだろうか。もう辞めるしかないかな。
考えれば考えるほど、ドツボにはまっていった。
止まらない涙、尽きない不安、消えることのない恐怖、下がらない体温。
この日の夜は信じられないほど長かった。
翌日
翌日、病院に電話をかけて11時ごろに受診することになった。
家族に車で送ってもらい、駐車場で車から降りずに待機。
車まで来てくださった看護師さんに連れられて、病棟の一番隅のベンチに移動。
肺炎の症状はないこと、熱が下がってきていることから今すぐPCR検査が必要な状況ではないとのこと。
念のため血液検査をして、炎症反応を示すCRPと白血球の値を調べることになる。
一時間後。
「白血球は正常値の範囲内ですが、CRPが基準値を大きく上回っています。コロナウイルスに感染している場合、白血球の値も基準値を超えるので、(本名)さんは恐らくコロナウイルスに感染している可能性は低いと思います。ただ、念のため2、3日は自宅で症状に変化がないか様子を見てください。」
と、いうわけでですね。
いま私は自宅で隔離されている状況です。
学校はオンライン授業なので特に問題はないのですが、精神面・身体面共になかなか苦しいところではあります。
強い不安からなのか、胃がめちゃくちゃ痛い。
あとはふとした時に涙が止まらない。
正直、PCR検査を受けたわけじゃないのでコロナウイルスに感染していることは十分にあり得ます。
いまも平熱よりもちょっと高めかな?くらいの体温を行ったり来たり。
今回の件で改めて、自分がいかに気を抜いていたかを身に染みて知りました。
みんな外出しているし、飲み会とかもしてるから。
そんなのは理由にならない。
感染拡大を防げるかどうかは一人ひとりの行動にかかってる。
いま一度、自分の行動を見つめ直そうと思います。
できればこの記事を読んでくださった皆さんにも、ご自分の行動を見直していただきたいです。
どうか皆さんが健康でいられますように。
今この瞬間にも最前線で働いてくださっている医療従事者の方、運送業者の方、消防・警察の方、鉄道会社の方、そのほか数えきれないくらいたくさんの方々、本当にありがとうございます。
そして1日でも早いコロナウイルスの収束を願っています。
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