【13日目】ストレイト・ストーリー
こんにちは。缶コーヒー好き反抗期です。ババア、豆はキリマンジャロつっただろ!!
今日はストレイト・ストーリーを観ました。
ストーリー
アイオワ州の小さな町で暮らしている73歳の老人、アルヴィン・ストレイト。ある雷雨の夜、長年仲違いしていた兄・ライルが倒れたという知らせが届く。彼は兄に会うため、時速わずか8kmの芝刈り機に乗り、遠く350マイル離れた地へ向かう旅に出る。
父親に地味だけどすごく良いと教えてもらったんだけど、まず前情報でびっくり。なんかハートウォーミングな感じの映画だなあと思ってたけど、監督は奇才、デヴィッド・リンチ。しかも映画を観始めて、すぐにディズニーのロゴが出てくる。リンチとディズニーというまぜるな危険状態。どういうところにリンチらしさが出てくるんだろうと思いながらワクワクしましたね。
内容はあらすじ通り。350マイルって563.27キロだから、東京〜大阪間を下道で行くとそのくらいになるんじゃなかろうか。そんな道のりをジジイがひとり、芝刈り機で往く。ただ、映画のメインとなるのはその道中での様々な出来事。
例えば、会社と自宅、70キロを往復しているオフィスレディが、大好きな鹿をしょっちゅう轢いてしまうんだと発狂しながら出てくるシーンがある。ストレイトは轢かれた鹿をその夜、BBQにして食べるのだが、それをたくさんの鹿がジトっと見ているシーンなんかはリンチっぽい。次の日から芝刈り機の後ろに連結させてるコンテナに、鹿のツノを飾ってるのもなんかおもしろかわいい感じ。
兄との和解に至る道中で様々な人と出会い、ストレイトの人間性が少しずつ明らかになってくる。鹿の婦人、家出した若い女、ロードレース中の若い男たち、一家とその友人などなど。彼らとの会話を通じて見えてくる老人の人生のパイセン感が非常に心地良いんですね。ヨギボーくらい心地いい。ましてや、本作が撮られた1999年の73歳といえば、バリバリの戦争経験世代。戦場で途轍もない経験をしていることも作中で語られます。
で、映画を観終わると、こんな文字が。
ーーアルヴィン・ストレイトに捧ぐ
え〜〜〜〜実話だったのかよ〜〜(視界ぐにゃあ)!!!!
それでググってみると、実際に彼が乗っていた芝刈り機の写真が出てくる、出てくる。1994年にニューヨーク・タイムズが報じたものをベースに本作を作っていったそう。こんな映画ができたら、さぞかし、時の人だろうなと思っていたけれど、実在する本人は自分は注目されるような人間ではないことを理由に、テレビ取材を拒否。SNS狂いの若人に見せつけてやりたいですな。
さて、今作はストレイトの頑固さがすべてのきっかけとなっている。兄と仲違いしたのもそうだし、この珍道中もそうだ。こうした頑固ジジイと娘の会話から、旅に出かける前のこのセリフでお別れしましょう。
娘「もう73歳なのよ」
ストレイト「まだ私は死んでいない」
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