【4日目】逆噴射家族
こんばんは。千と千尋のチカラめしです。生姜はお変わり自由となっております。さて、4日目は逆噴射家族を観ました。
お、あらすじがないパターンがあるのか。では、U-NEXTより抜粋。
20年ローンを組んで一戸建てマイホームを手に入れた小林家。妻、息子、娘を愛する父・勝国は理想的な家族になるために、骨身を惜しまず行動する。ある日、勝国の兄の家を追い出された祖父がやってきて同居することに。これを機に家族の歯車が狂いだす。
1984年=バブル期に制作されたこの映画。当時はまだ大きな物語が存在していたのだろう。つまり、男は働いてナンボ、マイホームを建ててナンボという価値観のもと、身を粉にして働く時代だ。
「24時間、戦えますか」
というリゲイン(栄養ドリンク)のCMが流行語大賞を取ったのが、1989年。男に取ってはブラック企業? 知ったこっちゃねーよ! な時代だったんでしょうな。母親の病気は判然としないが、息子は受験戦争で一度負けた浪人、娘は芸能人に憧れた自己承認欲求の塊。この子供2人は現代でも、大きな物語として、多くの人が憧れているものですよね。そこにこの映画の現代感覚がある。
さて、本作を観るのはこれで2度目だったりします。石井岳龍も好きだし、なんと言っても植木等!!!!! 愛してる!!!!!
でも、以前観た時にはナンバーガールが再結成し、「我々は逆噴射である」なるツアー・タイトルを掲げて全国でライブするなんて思いもしなかったですね。
映画好きの向井秀徳らしいタイトルだと思いました。ちなみに植木等はTATOO<刺繍>ありという映画にも出演。勘のいいあなた、そうです。正解です。
さて、家族というバンドを破壊し、再結成したのは、父親である勝国。家族が全員病気だと思い込んでおり、家族間戦争、念願のマイホーム破壊など、どんどん狂っていく。バンドを極限まで突き詰めて、その後、解散。そして、改めてリスタートを切った向井秀徳とどことなくカブるのは私だけでしょうか?
そして、バンドのリーダー=家長である向井秀徳がツアーのタイトルで本作をモジったのは、映画終盤で家を本格的に破壊し始めた父・勝国が、家族に向かって放ったこの一言に凝縮されているのではないでしょうか?
「大丈夫。お父さんは狂ってはいない。よーく考えたうえで壊しているんだよ。私たちは本当の新しい生活のために、この家はすべて壊し、真っ白の0から出発するんだ。黙って見ていなさい。」