㉒「どん底ホームレス社長が見た闇と光」(最終回)
心に余裕を
心に余裕がなければ、人の話を素直に聞くことは難しいものです。職場などでの人間関係を難しくしてしまう原因の一つでもあります。
心に余裕がなくなると、不安なことを考えてしまいます。不安のほとんどは考え過ぎ、取り越し苦労です。起こりもしないことを必死に考えてしまうのです。
しかし、心に余裕がなければ、そうした極端な方向へと走ります。
心に余裕がないと、どうなるか?まず、人が寄ってきません。暗い気持ちは表情に出てしまいます。表情にも余裕がなくなるわけです。人脈という大きな財産を失っているのです。余裕を持って相手と接すると、相手も気持ちよくなり、自分自身も気持ちよくなります。だから心に余裕を持つことが大切なわけです。
私もそうでしたが、心に余裕がなくなると、将来の計画すら立てることができなくなります。今日や明日のことで頭がいっぱいになり、同じ悩みが頭の中でグルグルと空回りしてしまいます。そんな時は、自分で言葉に出して余裕を与えてみてください。愚痴をこぼすのとは違います。自分の置かれている状況を認識することが大切なのです。例えば、「慌てなくてもいいや」「明日のことは明日に考えよう」「こんなに傷付いたのだから仕方がない」と。そうすると、今の自分の状態を冷静に見つめることができます。毎日、自分を癒す言葉を発していると、気持ちも落ち着いてきますし、人に接する態度も変わってきます。
心に余裕のある人は、自分をしっかり持っているので、人と比較することはしません。自分の人生をとにかく大事に生きているため、考え方や口からでる言葉も前向きです。また、感謝の気持ちも忘れません。どんなに些細なことでも当たり前と思わず、感謝できるのです。それによって、同じような人も周りに集まってくるようになります。
使命に生きる
私は、3度の大病と事故、2度の詐欺に遭い、それを乗り越えてきましたが、いつしか、この世の中で果たさないといけない使命のために生かされているのではないかと思うようになったのです。苦しんだからこそ、人に伝えられることがあります。悩み抜いたからこそ、社会貢献の大切さに気付き、人の優しさや気遣いを素直に受け取れるようになりました。
この世に生きている人には、例外なくそれぞれの使命があります。
のんべんだらりと生きる人もいれば、使命に目覚め、そのために生きる人もいます。人が使命に生き始めると、情熱と歓喜で充実します。使命を生きる人は、外から見ると辛い状況にあっても幸せを感じています。使命に早くから目覚めている人は、社会でも活躍する人が多い気がします。
物事に挑戦した結果、失敗してしまうこともあります。ですがそれよりも後悔するのは、挑戦したかったのに挑戦しなかったことです。病苦、事故、借金、大切な人との別れ・・・生きていれば様々な困難もあります。だから人生は面白いのです。飽くなき向上心、不断の挑戦の心こそ、人生を勝ち開く鉄則です。
自分の人生を振り返って、可もなく不可もない平凡な人生だったなぁとは思いたくありませんよね。お金がない、将来が不安だ、年齢的に厳しいなどと言う人がいますが、それは、自分を制限した中で生きているからです。使命とは、まさに命を使うことです。
まずは、これが私の「使命」だ、と動き出すことが重要です。迷っているうちに、短い人生が終わってしまいます。私たち一人一人が使命を生きることは、自分と周りの人たちが共に幸福になる道なのですから。
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