【5e】"旅"に出ようじゃ無いか冒険者諸君~Uncharted Jouney~
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「旅」に出よう。あてのないヤツ。
こんばんわ。旅ってのは良いですね。僕が旅行に出るときは基本一人で、当てもなく、何なら日程も決めずに行き先決めて宿だけ取ってふらりと出ることがあります。数年前にクロスカブを入手したことで、旅の選択肢も増えましたしね。
もっともコロナ禍と物価高のダブルパンチにやられて最近は旅に出ることが出来てませんが…となると、我々はTRPGを介して旅に出ることを考えるべき、なのかもしれません。
しかし、例えばD&Dの旅というとまぁだいたい目的地までの移動ってだけで、その間適当にランダムエンカウントを振るか、そこまで重要じゃなかったら移動の説明を全部すっ飛ばしたりしますよね。
いや、それはそれでいいんです、目的地までの移動にそこまでフォーカスしてないなら面倒でペースを乱すだけですし。でも、『あてのない旅に出て、たまたまであった現地の人たちや、たまたま見つけた遺跡に潜ったり、噂に聞いた魔導書を探したり』みたいなゆるっとした旅にも出てみたい、そういうプレイをしてもいい、そう思いませんか皆さん!
Uncharted Journeys ~未知なる旅路~
そんな貴方にお勧めの5eサプリメントはこちら、War Hammer RPGを発行しているCubicle 7が発行している5e用汎用サプリメント「Uncharted Journeys」です!
このサプリメントは、『出発地から目的地までの旅程』を設定したら、その旅の準備から過程、到達までを楽しむための『ジャーニー・ルール』を搭載した追加ルールなんです。本のページ数は300ページほど有るんですが、ジャーニー・ルールそのものは冒頭から20ページちょっとに纏まっており、把握も非常に簡単です。
じゃぁ残りは何書いてあるの?と疑問に思うかもしれませんが、残り250ページは全部ランダムチャートです。旅の途中で出会う人、旅の途中で見つけちゃった古代遺跡、旅の途中で出くわすトラブルや奇妙な出会い、などが地域単位・遭遇内容単位で山ほど用意されているめっちゃ内容が濃いランダムチャート集です。
このサプリメントでは、『ルールを使って管理する長期間の遠征』のことを「大文字の"J"で始まるジャーニー」と定義し、ジャーニーに必要なロール(役割)と準備、そして実際の旅程での遭遇管理を行うルールと、発生した遭遇を決める大量のランダムチャートで作られている。簡単に説明していこう。
ジャーニー・ルール その1:ロール
まず、ジャーニーを行うにあたり、パーティーのメンバーに『ロール』つまり役割を決めておく。これはクラスとは別の概念であり、旅の道中に必要な「パーティー各メンバーの役割」を表すモノだ。そのため、旅に出る直前に割り振ることもあるし、目的地に到着するなどで旅がが終わればその役割からは解放される。
ロールは4種あり、それぞれ準備、並びに旅の道中に行う特殊判定を受け持つ。
リーダー
自信に満ち、賢明なメンバーであり、チームをまとめ励ますことができる。アウトライダー
グループの先を行き、安全なルートを探したりパーティの脅威を追跡したりする。クォーターマスター
パーティの食料と物資を管理、調達する責任を負う。一行が十分な装備を整え、過酷な旅の後でもすぐに物資が手に入るようにする。セントリー
パーティの目となり耳となる。彼らはグループとその周囲を見張り、しばしば危険を最初に察知する。
各ロールはジャーニー毎に1回使用できるロールアビリティを持っている。これを使うことで回避できる危機や苦難があるので使いどころに注意だ。また、ジャーニー中に行う『グループ・トラベル判定』を担当者が行って旅路を進めていく。
ジャーニー・ルール その2:ルート決定と準備
旅をはじめるためには、まず行き先を決める必要がある。目的地がどれだけ離れているのか、その途中にどんな地形があるのか、周囲の天候は、途中の障害は、そういったことを勘案して、まずはジャーニー難易度をGMが決定する。難易度は最低10から様々な修正を加えて行く。
その後、出発前の準備を行う。出発前の準備は原則パーティーメンバー1人1回ずつ行える。この準備には以下のような様々な種類があり、判定に成功すればジャーニー難易度を下げたり、ジャーニー・エンカウンターにおける判定を有利にするなどの利益が発生する。
酒宴をする
占いをする
工程表を作成する
運搬用の動物を調達する
周辺の地図を探す
などなど…
出発前の準備が終わったら、大休憩あるいは小休憩を実行した方がいい。なぜならジャーニー中の休息には制限があるからだ。
原則ジャーニー中は遭遇の結果『休息が可能』と指示がない限りは大休憩も小休憩も取れない。ヒット・ダイスなどを消費して呪文スロットや回数制限付き能力を回復可能ではあるが、全回復を行うタイミングは限られてくるからだ。出発前には体をリフレッシュさせておいた方がいい。ただ、この出発前の休憩を諦めることで、更なる準備を積み上げることが出来る。
なぜなら『急いで目的地に向かわねばならないため、休息を事前に取る暇も無い』場合や『もうすぐ戦場になるこの街から、可能な限り物資をかき集めて急いで逃げ出さなければならない』ということもあるのだ。旅の前からもう物語は始まっている。
ジャーニー・ルール その3:旅をする
そして実際に遠征の旅…ジャーニーを実施する。基本的に遭遇回数は距離によって決まる。長距離になればそれだけ発生する遭遇も増えていく。そしてこの遭遇は戦闘とは限らない。思わぬ出会いがあるかもしれないし、危険な天候の急変に巻き込まれたりもする。
この遭遇を解決するのが「グループ・トラベル判定」だ。パーティーの各メンバーに割り振られたロールを元に、可能な能力値判定を実施。メンバーのうち半分以上が成功すれば、遭遇を無事やり過ごせたことになる。全員が成功すれば到着までの遭遇を減らせるし、失敗すれば増えていく。遭遇の種類によっては、各トラベル時に割り振ったロールの担当者による特殊な判定が必要になる。その結果でグループ・トラベル判定の有利/不利や修正値に変更が発生することもある。
そして、このとき遭遇の内容を決めるのがこの本の大半を占めるランダムチャートなのだが、それに関しては後述する。
ジャーニー・ルール その4:目的地への到達
そして目的地への到達である。到達の結果経験値をえたり、名声などを得たりするのだが、目的地が常に安全とは限らない。もし目的地が安全ではなかった場合は休息も取れずに遭遇が発生したり、すぐさま次の旅の準備を進める必要が発生したりするのだ。
パーティーの【判断力】が低い場合、最悪のタイミングで目的地に到着してしまう場合もある。くれぐれも油断めさるな…
大量のランダムチャートが冒険を更に魅力的にする!
そして、この本の魅力は、本の大半を占めるランダムチャートだ。途中で出会う人物のアウトラインを決めるNPC設定表、途中で出くわす古代遺跡の生成表、そして200ページ近くにわたる『地域別ランダム遭遇表』だ。
ランダム遭遇表は、遭遇のタイプと、遭遇する地形のタイプを掛け合わせると単純計算でも12*16*10=1920種類の遭遇が用意されているし、ここに立っている遺跡や登場するNPCに関してもランダム表で決定することで、ほぼほぼ無限の遭遇が構築できる。
遭遇の内容も各項目40~50語程度の文章になっているので、これを解釈してGMが演出を加えると、同じ出目の結果でもそのときそのときでまったく趣の違う遭遇になるだろう。
遭遇の種類は以下の12種類だ
偶然の出会い
秘密の宝物
道中の出来事
援助の要請
進行中の危険
自然の驚異
モンスターハント
憩いの場
古い記憶
暗い場所
死闘
運命の遭遇
そして、遭遇を設定する地域・領域は以下の種類が用意されている。
海岸
砂漠
農地
森林
開拓地
草原
大都市
呪われた土地
地獄絵図
ジャングル
フェイランド
山岳地帯
水域
地下空間
紛争地帯
ワイルド・マジック・ランド
この遭遇に出てくるNPCや古代遺跡に関して表を振るも良し、DMがその場で即興で仕上げるも良し、すでに設定済みの宿敵や固有名詞だけ出てきた未発見の建物にしてもいい。
例えば、『砂漠』での『道中の出来事』表を振ってみる。その結果が9だった場合はこうだ。
この遭遇が発生して『成功』した場合は単にそういう恐ろしい場所があった、で済むことになるが、『失敗』した場合や、あるいはエターキャップの言う事を無視した場合、ジャイアントスパイダーとの戦闘などが発生することは十分あり得る。もちろん、普通に遭遇失敗の処理をしてもいい。その場合でも追加の遭遇が発生しうるわけだ。
旅の過程を記録していく
この旅は、ジャーニー・クロニクルというシートに記録していくことが推奨されている。ロールや準備の結果、そしてジャーニーの途中の遭遇を逐次記録していくのである。この記録が積み重なっていくと、旅路が世界の一部に変わり、キャンペーン世界が豊かになっていくのだ。例えば途中で見つけた古代遺跡を今回のジャーニーでは探索しなかったが、後日そこの探索アドベンチャーを作ってみれば良い。もしくはこの遺跡の記録だけ公開し、他の誰かのアドベンチャー作成の種になってくれれば良い。キャンペーン世界の構築も、このジャーニーの結果可能になるのだ。
旅路が世界を形作り、プレイヤーは想い出として残す事が出来る。アンチャーテッド・ジャーニーはあてのない旅を大冒険へと変え、そして旅の記録が世界を豊かに描写していく。使って楽しいことになりそうなサプリメントだ。
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