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5e海外サプリの世界:モンスターデータ本についてアレコレ
追記:実際に海外データを使う際の流れを軽く書いておきました。Foundry VTTだと英語のモンスターデータはあっという間にコマに出来るんですよね。
注意:本記事は全編無料です。応援いただけると軽率に買ったサプリメントの翻訳や利用、感想とか捗るので、ちょっと試験的に販売ボタンをつけてみます。
注意2:このページのアマゾンへのリンクは確かアフィリエイトが設定されてると思います。思いますってのは、若い頃に設定したっきり忘れてるからです。10年かけて最近500円ほど帰って来ました。素人でも時間をかけるとお金が返ってくることあるんですね、アマゾンのアフィリエイト。
どうもmashです。仕事でストレスが溜まってきているのでnoteによしなしごとを書き付ける、そんなライフサイクルで生きている気がします。だいぶ健康に良くない気はしますが、「まぁいいでしょう」のマスターロゴス(2代目)の精神で生きていくこととします。
5eのモンスターデータは有償・無償含めてほぼ無限にある
表題の通りです。D&D5eのモンスターデータは、有償・無償にかかわらず山のように存在します。公式の出版物(D&D Beyond)、サードパーティーからの出版物(Kobold Press/EN Publishing)、様々なユーザー自家製のモンスターデータ群(D&D Beyond の Homebrewモンスターデータ / CritterDB)など、それこそ無数にある。インターネットは5eモンスターのソドムとゴモラの街、質を問わなきゃなんでもあるわけです。
とはいえ、やっぱ冒険のキモになるもんですから質は問いたいですよね当然に。となるとやっぱり出版されている本をベースに考えたくなる。そこで今回は、様々な出版済みモンスターデータ本についてお話ししたいと思います。本当に山ほど出ていますし、山ほど手に入れてしまっているんですよ自分…いつつかうかって?聞くな。今使ってるし今後使うよ。
Dungeons & Dragons公式のモンスターデータ
Dungeons & Dragons公式のモンスターデータは、現在入手可能なモノは2つあります。日本語ではまずお馴染みの「モンスター・マニュアル」ですね。DMやる人は必携のアイテムです。
あと、まだ英語しかないですがMonsters of The Multiverseですか。これは過去に出ていた2冊のモンスターブック(ヴォーロのモンスター見聞録/モルデンカイネンの敵対者大全)から様々な伝承を省いてデータだけにしてしまったモノであまり評判は良くないですが、でも300体近いモンスターの公式データはこれでしか現状手に入らないし、他のシナリオ集とかサプリメントに掲載されたモンスターも載っていますし、データそのものも若干リファインされている(使用可能性の低い呪文をオミット、能力値などの変更)ものもあるので、興味のある人は手に取るのも一興でしょう。
過去の二冊がもし中古で出回ったら早めに確保しておくのをお勧めします。様々なモンスターの生態や思想、信仰対象、様々な種族間対立などこってり書かれていて読み応え抜群でしたので…
公式の本については強く解説はしません。DMやってる人はもう盛っていると思うし。あと、WtoCの版権に関わらないより一般的なモンスターデータは「ベーシックルール」や「5e System Reference Document」からでも手に入るのでプレイヤー専の人も良ければ一度読んで見て下さい。
日本語で手に入るサードパーティーのモンスターデータ本
さてここからはサードパーティーのモンスターデータの話だ。日本語で手に入るサードパーティーの本はまずこれだ。
サンディ・ピーターセンの暗黒神話体系
サンディ・ピーターセンはあの傑作TRPG「クトゥルフの呼び声(クトゥルフ神話TRPG)」の製作に初期から関わっている人物だが、彼が5eでクトゥルフのモンスターが出てくるヒロイックファンタジーを遊ぶためのソースブックとして製作したのが、この「サンディピーターセンの暗黒神話体系」だ。日本でのクトゥルフ神話人気を受けてかまずはこれがサードパーティーの5eサプリメントとしてホビージャパンから発売された。物理書籍にはSRDから抜粋した実プレイに使えるフィフスエディションRPGのルールブック付きだ。電子書籍版は付属しないけどフィフスエディション自体は無料でダウンロード可能なので安心してほしい。
この本にはクトゥルフ神話に出てくる冒涜的なクリーチャー、邪神の数々や、その邪神の信者NPCデータなどがモリモリ載っかっている。ぶっちゃけ邪神とまともに戦って勝てはしないのだとは思うけど、邪神から逃げるというシナリオでもデータがあればもう少し「逃げ方」を提示しやすくなるから一冊持っておくと安心かもしれない。
あと、脅威度低めのモンスターのバリエーションが拡がるのも良い。ちょっとホラーテイストのゲームがしたいときにこそっと混ぜておくだけでも味わいが変わるからお勧めだ。
シナリオ集も2つ出ているが、こっちはまだ自分は目を通していないので割愛。恐竜のデータとかが充実しているというので割と欲しいんですけどね…
![](https://assets.st-note.com/img/1697797068348-qu0pM4Pk9o.png)
あとD&Dというゲーム、初期は公式のソースブックでクトゥルフ神話の邪神を出していたのだ、出版後に著作権者と揉めて削除したんだけども…
ゴガパンダ(@gigadanba)氏が製作している旧版データの5eコンバージョン集
こちらはDungeons & Dragonsのロゴをつけて公式データを使った創作物を発売できるサイト、「ダンジョンズマスターギルド」。ここでゴガダンバ氏が過去のD&Dモジュールなどで発表されたモンスターの5eコンバージョンデータを日本語で公開している。クラシカルなダンジョンシナリオをやりたかったり、ひと味変わったモンスターデータを使いたかったり、あるいは過去のAD&Dモジュールを5eで遊んだりする場合には特に有用と思うので興味のある方は手に取ってほしい。
英語で手に入るサードパーティーのモンスターデータ本
さてここからが本題だ。ほぼ無限の沃野とも言える英語のモンスターデータ集の紹介だ。ボクはもう沢山勢いで買ってしまったので、ここで沢山紹介してみんなにも読んで欲しい見て欲しい使って欲しいのだよ!
Additional~追加モンスターデータ~
さて、ほとんどのモンスターデータ集の本はこれに属すると思うが、「モンスターマニュアルに載っていないモンスターのデータ集」のことをここでは示す。本当に「君のゲームに追加する」ためのデータだ。
Kobold Pressのモンスターデータ本4種
まずはアメリカの5eサプリメント出版社の雄「Kobold Press」のデータ本「Tome of Beast」シリーズの紹介だ。以前にも紹介したけど、ここのデータ本は英語圏のD&Dマスターをする人間にとってはド定番の追加モンスターデータ集だ。以下は日本のAmazonから入手する場合のリンクだ。さすがにお高いが物理書籍を手元に遺すならこれを利用するのもアリだ。PDFは公式サイトかDriveTHRU RPGから入手してみてくれ。
データの歯ごたえ、アートの美しさ、バリエーションの広さどれをとっても一級品だ。一冊あたり400体のモンスターが乗っていて、それがだいたい1ページ1体(モノによっては2ページ見開きで1体)紹介されているのでアートもデカい。例えばローレライのデータはこんな風に掲載されている。
![](https://assets.st-note.com/img/1697798675641-7fywR1l82m.png)
Tome of Beast I 2023より抜粋。
有名な伝承モチーフのモンスターから、マイナーな伝承モチーフ、あとどう考えても「ボクの考えた超人コンテスト」的なヘンテコモンスターまで山ほど載って居るぞ。PDFなら機械翻訳するときの取り回しもいいから、PDFで購入するのがお勧めだ。でも物理書籍があった方がいいな、ってなら物理を買ってもいい。
Nord Games社の「Ultimate Bestiality」シリーズ
ゴブリノイド系のバリエーションと伝承に特化した「Revenge of the Horde」、グールやゴースト、リッチなどのアンデッドに特化した「The Dreaded Accursed」なんかがある。現在三作目のフェイに着目した本を製作中。
特定の世界観向けに作られたモンスターデータ集
これは、キャンペーンセッティング向けに書かれたモンスターを集めた本だ。特定世界観向けじゃない追加のモンスターデータ集なんてのもわりとあるけど、追加モンスターデータ集ってのはこういうのが主流。例えば、Privateer Press 社による魔法&スチームパンクミニチュアゲームの世界であるIron Kingdoms: Requiemに向けて作られた「Monsternomicon(モンストロミコン)」。
これには、様々な神話ベースのモンスターもリファインされて載っているが、スチームパンク的に解釈された様々なモンスターが楽しい。例えば機械化技術で肉体を保っているアンデッド「アイアン・リッチ」のビジュアルなんてこんな感じだ。イカす。データも強い。3回攻撃で1ラウンド最大100点ダメージは飛んでくる。
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こういうイカれたビジュアルや伝承を持ったデータがモリモリ見つかるので、普段は遊ばない世界観だとしてもモンスターデータを積極的にDigっていくといいかもしれません。Hunble Bundle などのバンドル販売サイトでまとめ売りされているときに買うとお得に手に入るのでお勧めです。
Replace~置換モンスターデータ本~
D&D5eの公式のモンスターマニュアルだが、実際のところバランスが取れているかというと5年もすると色々バランスや立て付けの悪いところが露わになってきて、様々な人が「モンスターのアクションエコノミー(一度のアクションでどのくらいのダメージを与えられるか概念)の修正」を試みた。1ラウンドに何回攻撃できるか、持っている特技をどうするか、どんな呪文を覚えるか、そもそも脅威度ってここでいいんだっけ?と言うのを試行錯誤しはじめた。
だいたいは一部のモンスターに対して特性、アクションの入れ替えなどを行うことが多いのだが、「公式のモンスターマニュアルとほぼ同じモンスターをより適正かつ強力に修正した本」が現れた。それがこの Level Up:Advanced 5th Editionのモンスターマニュアル「Monstrous Menagerie」だ。
この本に載っているデータはだいたいD&D公式のモンスターたちだ。だが、そのモンスターデータにはいろいろな修正が加えられ、もの足りないモンスターはより強く、バリエーションが乏しかったゴブリンやコボルドには豊富なバリエーションが、そして各モンスターが徒党を組むときはどういう構成が望ましいかというのを脅威度別に分類してまとめてくれている。
遭遇の構築にも困らないし、モンスター登場時の演出にも凝ることが出来る。これ一冊持っていると戦闘の幅、演出の引き出しを増やすことが出来るのでマストバイの一冊である。自分もモンスターによってはこっちに乗っているデータをよく使いますので…。
あと、有難いことに公式にこのMonstrous Menagerieに使用されているアートを元にしたオンラインセッション用のトークンが無料で配布されている。掲載されているのは標準的なモンスターがばかりなので、他のゲームにも使える便利なトークンだ。無料なので今のうちにもらっておくのがいい。
~Mechanism~追加メカニズム
最近発売されて話題になり「過去発売されたサードパーティーのモンスターデータ集で最高の商品」とまで噂されているのが、このMCDM Production野手によるモンスターマニュアル「Flee,Mortals!」(逃げろ、定命の者どもよ!)である。
この本は、米国で人気のゲームライターにしてTRPG系YouTuberのマット・コルヴィルが提唱している「Action-Oriented Monster」の概念を取り入れ、更にD&D 4thで設定されていた「モンスターの役割」も改めて5thのモンスターに導入して、より運用しやすい、歯ごたえのあるモンスターたちを提案している。
この本にはゴブリンやホブゴブリンなどのお馴染みのモンスターも沢山あるが、モンスターマニュアルにあるモンスター全てがある、と言うわけではないので「置きかえ」というわけにはいかない。だが、様々な役割を与えられたゴブリンバリエーションや、見たことのない強力な伝説のドラゴンたち、目玉がたっぷりある新モンスターと言ったモンスターデータだけではなく、様々な悪事に手を染めているいろんなテーマの「敵パーティー」が7種類35人、敵の出てくる環境とその環境にふさわしい特殊モンスターなどもあって読んでいて非常に楽しいアイテムだ。アートも美麗だ。このフレイムジャイアントモンクの美麗なことよ!
![](https://assets.st-note.com/img/1697804019020-mVIrkHTfZR.png)
そして、追加メカニズムの「悪役アクション」も良い。手下を沢山抱えたボスモンスターはいつでも雑魚の手下を呼び出せるのでは?手下を駒のように動かしてPCを追い詰めたりするのでは?戦闘に一回だけ使えるフィニッシュ・ブローを状況に応じてぶち込んでくるのでは?という提案から、歯ごたえがあり、そして忘れられない戦闘を演出するためのメカニズムだ。
これはだいたい伝説アクションとかに似ているのだけど、1遭遇に1回ずつだけ実行できるアクションを3つ用意して、それを戦闘開始のタイミングから実行していくのだ。
大概のモンスターは3ラウンドで死んでいくという統計から、「3ラウンドは派手に大暴れできる」ためのオプションが設定されたボスモンスター、ソロモンスターが沢山用意されている。
例えばゴブリンクイーンのバーノット(Queen Bargnot)は、以下のような悪役アクションを搭載している。
![](https://assets.st-note.com/img/1697804555304-W0DwAqOhFh.png?width=1200)
What Are You Waiting For?(なにをしているんだお前たち!)
自分から60フィートの範囲にいる味方は即座に移動、あるいは近接攻撃をする(これは各モンスターのアクションを消費しない)Focus Fire.(ヤツを狙え!)
自分から60フィートの範囲にいる敵に向けて、バーノットおよびバーノットのから60フィートの範囲に居る味方は一斉に移動する。Kill!(殺れ!)
60フィート以内にいる味方モンスターは敵に対して「有利」で攻撃をする。この攻撃は+1d6ダメージとなる
このように戦場の初期状態を作り、戦場の仲間を動かし、 そして攻撃を爆発させる。3ラウンド以内にどこまで敵モンスターを減らせるか、悪役アクションに翻弄されるか。ゴブリンの女王だけに「自分からは決して攻撃しない」というキャラクター付けも含めて非常に楽しいアクションである。これを自作するのも手だ。基本的な追加メカニズムはなんとFlee,Mortals!のプレビューに全部(そう、メカニズム部分は全部だ!)載っているので君も悪役アクションを作って試してみよう。ボクは今やってるキャンペーンで試してますよ。
君も英語のモンスターデータの世界に飛び込んでみよう!
一気に紹介したが、他にも色々面白モンスターデータ本は転がっている。世界別に作られた特殊モンスター、ギャグなの?と思うくらいのヘンテコモンスター、特定のテーマに沿って作られた細かい設定も行き届いているモンスターなど本当に沢山だ。一冊もっているだけでも君のDMライフに彩りが加わるぞ。さぁレッツ英語データ!
英語データを機械翻訳して「実際に使う」ところはまた稿を改めて説明したいと思います。それじゃね。
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