空間図形
直線や平面の位置関係
平行とか垂直とかそういう話である。空間図形において位置関係の把握は極めて重要である。
直線は両側に無限に延びているものとして考える。また、平面も無限に広がっているものとして考える。
空間上において直線と直線の位置関係は、交わる場合と交わらない場合に分けられる。
交わる場合、垂直な場合と垂直でない場合がある。
交わらない場合、平行な場合と平行でない場合がある。交わらず平行でない場合、二つの直線はねじれの位置にあるという。
直線と平面の位置関係は、直線が平面上にある、直線と平面が一点で交わる、直線と平面は交わらず平行の三つの場合がある。
直線と平面が交わる場合、垂直な場合と垂直でない場合がある。垂直な場合、平面上のどの直線とも垂直である。
平面と平面の位置関係は、交わる場合と交わらない場合の二つに分けられる。
交わる場合、垂直な場合と垂直でない場合がある。垂直であるかどうかは平面と平面のなす角によって決められる。平面と平面のなす角は、例えば、平面αと平面βが交わってできる直線(これを交線という)に対する平面α上での垂線と平面β上での垂線がなす角として定義したり、あるいは平面αの外の空間上の点から下ろした垂線(これを平面αの法線という)と平面βの法線のなす角で定義したりする。通常、角というものは平面上において定義されるためこういう回りくどいことをするわけだが、まあ細かいことは今は置いておく。
交わらない場合、二つの平面は平行である。
空間における位置関係の把握はなかなかにめんどくさい。
空間図形の構成と平面上の表現
ペンキをつけた刷毛を想像してほしい。それをそのまま紙に少し下ろしてすぐに真上に上げると、紙の上には線分が描かれるはずだ。ところが、また紙に下ろしてから横に動かして離すと、描かれるのは長方形である。
この長方形は、一つの線分が平行に移動してできたものと捉えられる。
今度は、カードを鉛直に何十枚も積み重ねてみよう。鉛直に積み重なったカードは直方体のように見えなくもない。
カード一枚を平面図形として捉えると、空間図形は平面図形を鉛直方向に積み重ねて、すなわち平行移動してできたものと考えることができる。
また、回転移動によっても空間図形を構成できる。半円を直径を軸として回転させれば球ができるし、長方形の一辺を軸として回転させれば円柱が、直角三角形の一辺を軸として回転させれば円錐ができる。
空間図形は捉えにくいので平面上に表現することがしばしば行われる。見取り図、展開図、投影図である。めんどくさいので説明は割愛する。
基本的な図形の計量
扇形の弧の長さや面積、立体の表面積や体積などを求めたりする。
錐体の体積はなかなか面白い。底面が同じ柱体の体積の$${\frac13}$$になるのだ。なぜだろうか。これを少し考えてみよう。
底面積が4で高さが2の四角柱の体積は4×2=8であるから、同じ底面をもつ四角錐の体積は$${\frac83}$$である。
この事実を確かめるのは意外と簡単である。体積を測定するにはどうしたらよいか。
水を使えばいいのである。
三角形を切り貼りして角錐形のコップを作り、満杯まで水を入れ、その水の体積を計ればいい。実際に、柱体の体積の1/3になることが確認できるはずだ。
普通はこれで納得して終わりにするのだが、これでは結局1/3という数の理由はわからずに終わる。
三角形が平行四辺形の1/2として納得できるのは、平行四辺形が容易に二等分でき、それが三角形となるからだ。逆に言えば、同じ三角形を二つうまく組み合わせることで、平行四辺形が作れるということである。
これが立体になると異様に難しくなる。が、ある特別な四角錐だとまあまあ簡単に柱体を構成できる。
平面図形は縦横二方向に、空間図形は縦横高さの三方向に自由度をもつ。平面は二次元、空間は三次元である。
図形の話はあまり興味がないのでこのへんでやめておく。