新しいビジネスで勝つための最強の選択術/ライアン・レヴェスク
◯旅の初めに、最も重要な選択肢
起業にはリスクがつきものだ、ということを認識する
間違いなく失敗を引き起こすことがある
それは「間違った市場を選択すること」だ
間違った市場を選んだら、始まる前にすでにその事業は失敗すると決まったようなものだ
間違った市場を選ぶという過ちの原因をたどると、最初に間違った質問を問いかけたことにいきつく
「チューズ・メソッド」を使って、あなたのアイデアにどれほど需要があるかを予測したり、市場の規模や潜在力を推し量ったり、あなた独自の観点を見つけたりする方法を学んでいく
おそらくノーということは、イエスと言うことよりも重要だ
アイデアのいくつかは失敗した方がいい
そして失敗を進捗として再構築する
あなたがそのアイデアをずっと温めていたら、そんなことはできないと思うのも無理はない
どんな進歩をするにしても、まずスタート地点に立たなくてはならないことを認識しよう
実業家として大成功したイーロン・マスク、スティーブ・ジョブス、に共通することは何か?
最初から億万長者だったわけではなく、何もないゼロかの状態からスタートした
STAGE1 ブレインストーミング
□STEP1 ビジネスモデル
あらゆるビジネスモデルには、程度が異なるが、報酬などのコストやトレードオフが含まれる
例えば実店舗を開店するなら、賃借料や固定ロケーションを考えなければならない
従業員を雇っていたら、仕事が多い時に人員を増やしたら、仕事が少なくなると一時解雇しなければならなくなる
授業を受けた学生たちに役に立ったのは私の教科書に対する膨大な知識ではなく、彼らが理解できる形に情報を噛み砕いて伝える能力なのだとわかった
ビジネスモデルのブレインストーミングとは、あなたがそのモデルをどのように運営するのかを考えることでもある
□STEP2 市場の選択
・使命感タイプの起業家
明確で具体的な使命を持っていて、その追及を天命のように感じている
その理念を命に代えても守りたいと思っていて、そのためにはビジネスはその理念を軸として展開する
このタイプの起業家の大半は厳格な倫理基準、少なくても世の中に良い影響を与えたいという願いを持っていると考えて間違いなく、それが社会問題の解決や、社会改革へと発展していく
金銭より使命の方が重要だという信念があり、お金は後からついて来ると思っている
・情熱家タイプの起業家
自分の好きなテーマや物事に対するエネルギーを得るが、その対象に釣りからカメラまであらゆることが含まれる
自分の情熱を世の人々と分かち合いたいと願い、その情熱をビジネスに変換する
・機会重視タイプの起業家
機会と成長をもたらす新しいビジネス分野を発見し、それを追及する
まだ満たされていない需要がありそうな市場に可能性を見出し、「なぜこの問題はまだ解決されていないのか?」を自問する
・未定タイプの起業家
ものタイプのビジネスを始めるべきかを決めるためのほとんどの項目に確信が持てない
追及する価値のある具体的な使命や情熱を持っているのか確信ができない
□STEP3 ビジネスアイデア
ブレインストーミングで出し合うアイデアに悪いアイデアというものはなく、どれも良いアイデアなのだ
どんどんアイデアを出してみて、うまくいきそうかを見極める
「キーワードフレーズ」
市場を選択する枠組みという文脈においてはキーワードフレーズはプロセス全体の基礎となる
ビジネスアイデアのブレインストーミングというステップで生み出され、ビジネスアイデアの簡潔な要約を作成するために使われる
ゆえに、キーワードフレーズは、あなたのビジネスや、あなたが提供する製品において、核になるコンセプトを表現するものだ
まず少し時間をかけてビジネスアイデアに関する出来るだけ多くのキーワードフレーズを考え、その上で最終的には最も良いと思われる3〜5個の候補に絞り、次のステップに進む
特定のビジネスアイデアを採用すべきかどうかを迷っているなら、2つの質問を問いかける
1)これは私の性格に合っているか?
あなたのアイデアのどれかは物議を醸しそうなテーマで、信念に対する反論があったり、公表したく無いプライベートを晒すことにならないか
2)あなたはこのビジネスを5年後も続けていると思うか?
将来の計画を立て、今日明日ではなく、今後5年間に何をしているかを考えることは、あなたがそのアイデアにどれほど関心を持ち、入れ込んでいるかを確認する良い試金石になる
STAGE2 テスト
□STEP4 ブルズアイ・キーワード
キーワードフレーズをごく簡潔に要約したもので、実際にテストを行うと、あなたのアイデアにビジネスを立ち上げるだけのメリットがあるかどうかを確認できる
ブルズアイ・キーワード
製品を購入した人々がその結果体験するプロセス、旅、変化を表現できるものでなくてはならない
ビジネスで成功を収めるためには、顧客に価値のあるものを提供する必要がある
だから確信が持てないときは「私のビジネスに関連するもので、人々が何をする、達成する、体験する、あるいはどんな結果を得る手助けがしたいのだろう?と自問してみるといい
□STEP5 市場規模のスイートスポット
長い年月をかけた数々の試行錯誤の後、市場にらスイートスポットが存在すること、そして、スイートスポットとは大きすぎず、かといって小さすぎない市場規模のことだ
ほとんどの人が市場は大きければいいと思っているが、こらからそれが誤りであることを明らかにする
Googleトレンド
ある検索語が世界中の検索数と比較して、どれくらいの頻度で検索窓に入力ささらるかを示したもの
検索方法の表示方法をカスタマイズ
1.検索する場所を指定できる
検索範囲の幅をコントロールできる
2.タイムフレーム(時間枠)
時間的にどこまで遡って見たいかを指定できる
あなたが検索している市場がスイートスポットに入っているか、どのような判断するか?
それは市場のグラフが特定の範囲内にあるかどうかを見ればいい
・安定したまたは上昇傾向にある市場、そういう市場には長期的な可能性がある
・反対に下降傾向にある市場に参入してはならない
□STEP6 市場競争のスイートスポット
あなたは開拓者が道を拓き、困難で危険な仕事をすべて終えた後にやって来る入植者になればいい
入植者は開拓者の失敗や成功から様々なことを学び、はるかに少ないリスクと費用で、成果を手に入れられる
知る人ぞ知るような成功を収めている競争相手がいる市場を探すのだ
儲かる市場だという動かぬ証拠がある
競争相手が見逃している穴や隙間があるが、それはあなたにもチャンスがあることを示している
□STEP7 市場の必要条件
この5つの「市場の必要条件」は、自分のビジネスアイデアは絶対に利益を上げると確信するために市場になくてはならない、極めて重要な属性だ
《イン・アップ・マックス》
段階的なコンセプトでビジネスを始めるにあたっては、最初に顧客にとって抵抗の少ない低価格の製品を用意するべきだというもの
全ての顧客に提供でき、誰もが購入可能な製品を「イン」という
顧客が、あなたのビジネスやブランドに馴染んできたら、もっと高品質の製品をインより高い価格で提供することができる
高い価格でも購入する顧客は10%程度いる、これを「アップ」という
最後に、あなたの製品はサービスならば大枚はたいて購入してくれる余裕のある顧客のために、最高級の製品やサービスを用意する
それは最初に提供した製品の100倍程度で、購入するのは顧客全体の1%程度、これが「マックス」だ
インアップマックスのアプローチは、顧客に徐々に高いレベルの価値を提供すると同時に、あなたにビジネスを成長させる大きな機会をもたらしてくれる
市場の必要条件その1
エバーグリーン市場
あなたは季節や気温に関係なく、常緑樹のように常に自己再生を行う市場を探す必要がある
エバーグリーン市場とは、数十年間活力を失わない市場のこと
文化の変化や予測不可能な景気、人の関心など外部の力によって脅かされない
市場の必要条件その2
熱烈な愛好家がいる市場
買い手がそのテーマに強い熱意を持っていて、長期に渡って購入を続けてくれる
市場の必要条件その3
1万ドルの問題
あなたが実際に考えてみるべきなのは、「1000ドルの問題」のなかで、特定の状況下で1万ドル払っても解決したくなる問題に変化するのはどんなものだろう?
ことの重大さが10倍になる可能性
市場の必要条件その4
将来の問題
将来的に新たな問題が追加して生じる可能性があること
あなたかま解決することになる最初の問題に加えて、同じ顧客のために解決できる新たな問題が将来的に追加される可能性があるという証拠だ
市場の必要条件その5
お金を持ったプレーヤー(PWM)
PWMとは繰り返し起こる問題に対処するため、問題が起こるのを回避するため、あるいは重要な目標、趣味、個人的な構想に拍車をかけるために、人生のある特定の領域に、進んで多額のお金を使う人
PWMとは、必ずしも金持ちである必要はない、ただし、彼らは自身にとって大切な分野には、自ら不相応なほど多額の金を注ぎ込む
STAGE3 チューズ
STEP8 市場を選択する
候補に挙げた市場を念入りに吟味し、成功を見極めるための候補を見つける
その中から選択してビジネスを立ち上げるのはやはり賭けだ
これから行うのは自分自身に対する賭け
STEP9 メッセージ
市場を選択したあと、アスクメソッドはやや直感に反するマーケティング手法をとる
1.顧客が何を買いたがっているかを正確に把握する
2.最小限のリスクで首尾良くビジネスを立ち上げる
3.その過程で多くの熱狂的なファンを生み出す
顧客が欲しいと思うまでいるものでも、欲しいと言っているものでもなく、「本当に欲しがっているもの」
最も重要なのは、顧客が心の底から買いたがっているものなのだ
スティーブ・ジョブズは「多くの場合、人は形にして見せてもらうまで、自分は何が欲しいのか分からないものだ」と言った
だが彼らは「自分がほしくないもの」はよく分かっている
エピローグ 父から子へ
起業家に必要なものはただひとつ
一言で言うなら「推進力」だ
推進力とは前進する勢いだ
速かろうかま遅かろうが、構わない
推進力とは完成することではなく、進歩し続けることだ
どんなに不安にさいなまれても
推進力とは、自分の仕事で最善を尽くすことだ
そうすれば、世のため、人のために尽くすことができる
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