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サロンタンゴ
ブエノスアイレス市の主催するアルゼンチンタンゴダンス世界選手権では、カテゴリーを
①Pista de Tango(ピスタデタンゴ)
②Escenario(エセナリオ)
と"今"は分けている。
ちょっと前には①のカテゴリーは
Tango Salon(サロンタンゴ)
と呼んでいていた。
サロンタンゴとは、サロン(ダンスホール)のタンゴの意味だ。
時代によって、その特徴は少しずつ異なっており、その人がバリバリ踊っていた流行がその人のサロンタンゴの踊り方になる。
ガンチョ(相手に足を絡めるステップ)や、高い位置のボレオ(つまさきが膝より上に上がる足の振り)をサロンタンゴの定義として許容しない人もいれば、OKな人もいる。エレガントであることにサロンタンゴの主眼がある人は、この2つは絶対に許容しない。
2011年か2012年当時のAMBCTA(Asociación de Maestros, Bailarines y Coreógrafos de Tango Argentino )会長であったEduardo Alquinbauが、サロンタンゴ部門では"普段ミロンガで皆さんが踊っているように踊ってください"と発言したあたりから、名称が"Pista de Tango"と変わった。
Pista de Tangoつまり床のタンゴ。床の上でできる踊り方ならOK。ジャンプしたりリフトしたりしなければOKとなった。あくまで、これは選手権での話なので、選手権のPista de Tangoの踊り方をミロンガではしてはならない。(簡単に言えば場にあった踊り方をすべきだ)
ミロンガの踊りも流行があるし、選手権向き(審査されるに適した)の"Pista de Tango"用の派手な動きは、よっぽど広い場所か、超絶技巧がなければミロンガでは基本的に向かないのです。
ここでも先述のEduardoの発した"ミロンガで踊るように"という定義からも乖離がおきているので、本当に誤解をされやすい。
最初に書いたように、タンゴを習い踊っているそれぞれの人によって、サロンタンゴの踊り方(時代)が違うため、実は判断基準の明確な線引きは大雑把なものだけで、細かく定義されている部分は少なく、実に曖昧な判断基準なのです。
じゃあ、両足が床についていてアブラッソが保たれていたらサロンタンゴなのだとすれば、こんな状態になってもOK?(笑)
答えはNOですけどね。こんなになっている女性がエレガントな訳ないですよね。