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御法度カベセオ

アルゼンチンタンゴのダンスパーティである「ミロンガ」は、踊りたい人同士が誘いあうためのルールがある。「カベセオ(Cabeseo)」だ。

カベセオ:顔の表情や視線、頭から上の仕草でお相手を誘うこと

もちろん、カベセオ以外は禁止ではないが、タンゴを知っているスマートな男性(リーダー)であることを態度で示す方法だ。

多くはリーダー(男性)からフォロワー(女性)に行うが、お誘いをうけるかどうかはフォロワーが選択でき、視線を逸らすなどのことで意思表示する。

カベセオはミロンガでのルールのなかでもとても大事なこと。
目の前で手を差し出して誘うとかあり得ない。
カベセオが出来ないリーダーは踊る価値なしと言っても過言ではない。

ミロンガのルールを守ることは大事なのだが、本来のカベセオの意図を理解していない男性リーダーが最近は激増している。

目の前に行って誘いさえしなければOKだとおもっているのだろうか?
目的の女性から3〜5mほどの距離の目の前に立ちはだかって、女性側からのカベセオを受けるための視界を遮って、ガン見しているのだ。いや、人によっては1mの距離で1曲3分近く立ちはだかっている人も見たことがある。

なんなのだろう?女性が嫌がっているのは明らかだ。

大事なことはリーダー、フォロワーともに嫌な思いをすることなくカベセオを楽しんで踊りに入ること。

カベセオをお相手に気持ちよく受けてもらうためには、
①清潔な身なり
②踊りのレベルや嗜好があっていること
③友人でないなら、会話する等で予めハードルを下げておく
④相手が他の人のカベセオを受けられるような態度

①清潔な身なり
これは社会人として当然。年齢層が上がれば上がるほど気をつけねばならない。
ヨレヨレのシャツで知り合いでもない人を誘ってはならない。とうぜん臭いにも気をつけるのは必須だ。

②踊りのレベルや嗜好があっていること
踊りのレベルが合わないと、お互いに苦しい。また踊りのスタイルが相手に合わせられないなら、同じ教室の仲間から踊るべき。

③友人でないなら、会話する等で予めハードルを下げておく
誰だってよく知らない人とは踊りたくない。だからこそ踊りに誘う前に挨拶したり、ちょっと会話したりすることは、カベセオの下準備として大切なことだ。
カベセオは便利だが、便利さにかまけて大切なことを省略してはならない。

④相手が他の人のカベセオを受けられるように
相手に対するリスペクトがあれば、そのひとの視界を遮るなんて出来ないはず。
目の前に立ちはだかってのカベセオはまったくもって御法度だ。
また何度もカベセオを断られていながら、しつこくカベセオすることも嫌われ続ける理由だ。

ミロンガでのルールはお互いに気持ちよく過ごすために出来上がってきたこと。ルールの元となる相手に対するリスペクトを欠いた行為をする人は、もはやミロンガで踊ってはならない。

タンゴダンス愛好家の男性には、これからのご自身のタンゴ生活をよくするためにも、本当に気を付けてほしい。

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