部屋
ものが溢れた部屋は安心する。
いや、嘘だ。
どこかに、得体の知れないものが紛れているかもしれない。
必要なものがどこにあるか分からない。
何も、ままならない感じ。
そう思うと、途端に不安になる。
でも、本当に必要なものって?
なに?
何よりも必要無いのは、自分自身であるような気がする。
誤魔化すように、床に鞄を放り投げた。
机の上に、時計や指輪やイヤリングを置く。
ハンガーに掛け損ねた上着、空のメガネケース。
散らばった書類と手紙、リップクリーム。
飲みかけの、ペットボトル。
読みかけの、漫画。
書きかけの、詩。
これでいいの。
これでいいの?
私は私の部屋で、何か大切なものを失くしてしまいそう。
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