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永遠の愛って誓えるの?Part1~誰を何を愛するのか~

俳優の中村倫也さんと日本テレビのアナウンサー水卜麻美さんの結婚報道があった。(2023年3月25日中村の所属事務所より発表)お二人とも好感度が高く、祝福ムードに包まれましたね。

永遠の愛を誓う

今回は、幸せいっぱいのお二人にちなんで「永遠の愛」について哲学的に考えてみたいと思います。今回はPart1「愛」について生活に即して考えていきます。

そもそも愛ってなんだっけ?

哲学的に有名な愛は、純愛を意味するプラトンの「エロス」があります。一般的に使われる「エロい」という言葉はここから派生しているのだと思います。プラトンの考えた愛は、魂が記憶している理想を思い出すような感覚。もっと崇高な感じなイメージです。

永遠の愛と聞くと、結婚が思い浮かびますよね。結婚相手だけが永遠に愛する対象なのでしょうか?
愛する対象を2種類にわけて考えてみます。「変わらないもの」と「変わるもの」への愛です。

変わらないものとは、絵画、焼き物などの骨とう品、バッグなど高価で価値があるとされるもの。物質的なもの。

歴史的な人物、建物なども変わらないものでしょう。

亡くなった人やペットの「思い出」もこれ以上増えないという点で変わらないものに分類します。
思い出に関しては、賛否両論あると思いますが、あくまで分類ということです。

変わらないもの


一方、変わるものと言えば、パートナーや、子供、好きなアイドルのような今生きている人間。育てている植物やペットも日々変わっていくものとして分類します。

変わるもの

変わらないものへの愛

ほしかったブランドバッグ、宝飾品など手に入れたとたん、熱が冷める感覚を持ったことはないでしょうか。ほしいという憧れの気持ち。身銭を切るつらさ。それを乗り越えて手に入れる喜び。人生でそうそうある瞬間ではないが、そんな気持ちを持ったことを思い出しました。
しかし、その時に買ったバッグ。今はクローゼットの奥で忘れ去られています。。。使ってあげなくては!!

歴史上の人物や建物(お城や寺)などについて調べたり、観光したりするのはとても楽しいです。しかし、毎日同じ観光地を見学する人は、よほどのマニアでなければいないと思います。知識という点で、深く知っていくことは出来けれど、現在進行形で形が変わらないという点では、歴史上の人物や建物もやはり変わらないもの。毎日見れば、飽きてしまいますよね。

変わらないもの

亡くなった人やペットの思い出はどうでしょうか。状況や人によって違うがやはりこれ以上思い出が増えていかないという点では、変わらないものに分類できます。思い出に脚色がついて美しくなったり、人によっては忘れることはないかもしれないですね。

変わらないものへの愛は、バッグのように飽きたり少なからず忘れていくものです。とすると、変わらないものへの愛情は、永遠に誓う対象としては難しいでしょう。

変わるものへの愛

変わるものは、人間、植物、動物など日々変化があるもの。
私は、部屋に観葉植物を飾っています。新しい芽が出たり、大きくなれば喜んでいます。またちょっと元気がなくなって心配します。

これは、変化があるからこそ、愛情をかけ成長のための工夫をするのです。プラスチックの消臭剤になっている観葉植物のような置物も持っているのですが、それに対しては同じような愛情は抱けないですね。

変わるものへの愛

つまり、日々変化のあるものに対して、人は愛情を持ち続けられるのです。

永遠に愛するためには?

子育て、家族との関係を永遠に愛する対象として考えてみるとどうでしょうか。成長したり、老いたり。変わっていくからこそを愛することが出来る対象だとわかります。

近くにいる人ほど、時にはうっとうしくなったり、些細なことで口論してしまったりしませんか?私はしょっちゅうです。

私自身で考えてみると、老いていく両親は永遠に愛する対象です。
「どうしてそんなに頭が固いの?」なんて思うこともあるけれど、老いも関係しているのかもしれないと思うと反省します。
変わりゆく老いも含めて、愛情を持って接していきます。

すべてのものは変わりゆくもの。日本人の無常観にも通じますよね。

みんなHAPPY

そしてもちろん、自分自身も変わっていくことを自覚しなくてはいけないと思います。自分自身にも優しくすることで、相手にも優しく出来るからです。
「自分に優しくすること」については、下記関連ブログご参照ください。

哲学を日常生活に生かす

今回は、「永遠の愛」から愛する対象について考えてみました。

衝動的に高いバッグを買おうしたとき・・・「これは永遠に愛せる対象かしら?」と冷静になれるかもしれません。

昔好きだった人が今も忘れられず、新しい人生を踏み出せない。
そんな時にも心の整理の助けになるかもしれません。

今を生きる私たちに、大切なものを考え直すきっかけになると嬉しいです。


【参考文献】
・白石克己 俵木浩太郎『教育哲学』玉川大学教育学部教育学科通信教育課程 2022年
・ヤフー株式会社「中村倫也&水卜麻美アナが電撃婚!極秘交際実らせた 中村が知人に連絡先聞き猛アプローチタイトル」『Yahoo! JAPANニュース』
https://news.yahoo.co.jp/articles/ee0ea28882f10ad020f91e7ad85cc7f82b6a83d5(2023年3月29日確認)
・みふねたかし『かわいいフリー素材集いらすとや』いらすとや 2023年4月1日確認
https://www.irasutoya.com

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