ひもトレと哲学
私の母は、膝が悪いです。5-6年前に左膝に人工関節を入れる手術をしています。最近急に調子が悪くなり、歩くのがおっくうになってきてしまいました。顔をしかめることも増え、家に閉じこもりがち。そうなると心も塞いでしまいます。
そんな時、ちょうど以前から気になっていたひもトレ講習会に参加しました。母の膝痛が軽減できたらいいなぁ。。。とかすかに期待もしていきました。
それが思いがけず効果があって驚きました。今回はこの体験談と、ひもトレの根底にある哲学を紹介します。
ひもトレって何?
そもそもひもトレとは、小関勲が発案した健康法のことです。丸い形状の綿ひもをおなかにゆるーく巻いたり、たすき掛けにするだけで様々効果が現れます。講習会では実際に色々と効果を体感させてもらいました。特に印象的だったのが、おなかに巻いた時です。
例えば、雑草を抜く時のようにしゃがみこんだまま歩き進んでみます。ひもがないと身体が微妙にグラグラする。ひもをつけて同じようにやってみるとあら不思議!ぐらつきがなくなり、安定するのです。
これは身体の上半身と下半身のつながりが上手に使えるようになるからではないかと言われています。もともと備わっている力が発揮できるようになるようです。肩こり腰痛などの改善はもちろん、身体能力も向上するそうです。スポーツ選手(なでしこジャパン他)、介護など多くの場所で活用されているそうです。
あまりお金がかからないので簡単に始められます。さらにやり方も簡単なので続けやすいのがとてもいいです。
逆にデメリットがあるとしたら、ひもを身につけた見た目が微妙なことくらいです。
効果については、科学的に立証できていないようです。科学が追いついていないのか?それでもゆるーく巻いただけのひもに効果を実感する人続出のため、検証している最中のようです。科学の先を行ってるようで面白いと思いました。
私と母の体験談
私と母の感じた効果を紹介します。
【頭痛】
眼精疲労からか、時々ひどい頭痛に襲われます。またそんな頭痛が来たので試しにひもを烏帽子(えぼし)巻きにしてみました。気のせいかな?と思うくらいおさまりました。ひもが顔周りにきたことで今まで痛いと頭の内部に向かっていた感覚が表面に向かったような感覚です。しかも、これをつけていると仕事があきらかにはかどります。職場でやっていたらびっくりされちゃいますので、出来ないのが本当に残念。。。
【母のバイオリン】
母は、50歳からバイオリンを始めて今20年くらい経ちます。ひもをつけてから、何気なく弾いているのを聞いたら明らかにいつもの音とは違いました。いつもの音は、本当に細かい不快な揺れがありました。それがなくなって滑らかな音になっていました。おそらく身体が安定したからバイオリン演奏に影響したのだろうと私は考えています。
本人もテープに録音して聞き返したら、最後まで聞けたと喜んでいました。というのは、いつもは下手でがっかりし、再生を途中で止めてしまっていたそうです。さらにレッスンでは先生からも「今日は音程がしっかり合っている」といつもより褒められたそうです。
ひもトレ講師の古谷久生子先生によると、実際に声楽家やプロの音楽家もその違いを認めているそうです。
私と母がやっているのは、基本のお腹巻きと、たすき掛けです。お風呂以外はつけっぱなしにするだけです。簡単でありがたいです。
たすき掛けは、ちょっとコツがいるので下記の動画を参考にしてください。慣れたら簡単です。講師の古谷久生子先生による動画です。
自分の感覚を大切にするひもトレ
練習の時はうまくいくのに、本番になると出来ないということはないでしょうか。
これは練習しているときは感覚でできているのに、本番になると脳がフル稼働してしまい考えすぎてかえってできなくなってしまうためです。
例えば、自転車に乗るとき。やり方を説明されることも大切ですが、結局は乗って自分の感覚で出来るようになるまで練習するしかないです。
運動というのは、自転車のように自分から行うものです。でも、指導者につくとそれをついつい忘れてしまいがちです。
アドバイスを100%うのみにせず、参考にしつつ自分なりのやり方を常に構築していく作業が必要になります。そこには、自分自身と向き合う意識が大切になってきます。
私たちは、いつもスマホに目をやり、他人の動きを気にするなど外に意識が向いています。ひもトレは、そんな外に向いた意識を自分に戻す良いトレーニングにもなります。自分を意識の主役に取り戻すのです。
ひもトレ哲学
ひもトレを通して考案者 小関先生が伝えたいことは執着を手放すこと。それは、ひもトレのやり方にも現れています。
「ひもは、お腹あたりでこぶし1個入るくらいの余裕をあけて」と指導を受けました。しかし、細かい場所や緩み具合は、自分の感覚でいいと言われました。一度やり方を知ったら、あとは自分の感覚でひもの調整を行います。
でも「お腹ってこの辺り?」「こぶし1個分ゆるめるってこのくらい?」と細かいことが気になってしまいます。この細かすぎるところが「執着」にあたります。まず、この執着を捨てる、つまり手放しです。そして、今の自分の感覚と対峙する。「どのくらいのゆるみがいいのか?」「どのくらいの位置がいいのか?」と自分の感覚で微調整していきます。
執着を手放すことは、ほかの運動でも役に立ちます。
例えば同じ運動をしていても、老いとともに同じようには出来なくなる。それどころか、30分前に出来ていたことが今はうまくできないこともあります。出来た時の自分にこだわって、焦りだすとスランプにおちいってしまいます。しかしこのスランプは、過去の自分への執着が原因なのです。
また、自分がこうなりたいと強く思いすぎて今の自分を見ていなければそれも執着となります。
ひもトレをすることで、今の自分と向き合う時間になります。自分へ向かう感覚が身につくと、今の自分にできることを考えるようになってきます。今の自分の状態で工夫することが楽しくなってくれば、幸福度も上がるはずです。
そうはいいながら、いつも過去の自分にとらわれてダイエットしている私。ひもトレで今の自分を大切にしていこうと思います。
母の一週間後
講習から一週間。母の膝痛が減りました。母とは一緒に暮らしています。今までは、母が動くたびに「痛っ」というのでそのたびに「大丈夫?」と聞いていました。その「痛っ」という言葉を全く聞かなくなりました。
本人はまだ痛みは残っているものの、明らかに楽になったと実感しています。外出もするようになり、表情も明るくなりました。本当に不思議です。コスパ最高の親孝行でした。
ひもトレを紹介している他ブログもありました。詳しいやり方の紹介もありますのでご興味あればどうぞ。
↓参考文献
↓素材いつもお世話になってます。
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