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夏の終わり

9月の週末、町内のお祭りで 息子が子供神輿を担がせていただくことになった。
 
 子供達の学校も始まり、秋めいてくるはずの季節だが、この日はカンカン照りのお天気。
 
 横浜からお泊まりに来ていた息子の友達と一緒に集合場所へ向かい、半被を頂いて羽織ってみる。
 

暑いと言いながら、羽織った半被と息子達。

 立っているだけで茹だるような暑さに、息子達のテンションは既にガタ落ち。。 ムービーを撮りに来た旦那さんも、「暑い。」とか「3時間?!そんなに歩くのか?」とかぶつぶつ言うし、私だって、バテそうで正直、カフェでのんびりしたいのに(笑) 。 「みんな、そんな態度やめて〜!」と、ちょっとおかしな雰囲気になっていると、ゾロゾロと小さな子供達や友人達が集まってきた。  
 
 みんなで気合いの 一本締めをし、気を取り直して、「さあ 行くぞ!」と スタートした矢先に、押された息子が足を引っ掛け 転んでしまった。

出発直前の、子供神輿。

 「止まれーっ!!」という声と共に神輿は止まったのだが、神輿の乗ったタイアが息子の足を轢いたまま止まっていることに気づいた。
 「足が轢かれてる!!!」と、慌てて息子に近づくと、息子は倒れたまま大泣きした。
 とにかく息子を起こし避難させ、神輿は先に出発。
 
 あー。これは、どうしたものか。。これで、今回は神輿終了かな?お友達は、、どうしよう?それより、当たりどころが悪くて、歩けなかったりしたら、この先の予定も、どうしよう。。
 
 色々と考えを巡らせながらも、なんとか心を落ち着かせ、息子をクーラーボックスへと座らせる。
 即座に、町内のお父さん、お母さん達が、凍ったタオルで息子の足を冷してくれた。

 「男の子だ。大丈夫!」
「でも、びっくりしたねぇ。これで、戻ったら英雄だぞ。」なんて、励ましや、優しい言葉をかけていただき、擦り傷を消毒し、バンドエイドを貼ってもらうと、息子も徐々に心が落ち着いて来た様子。
 状況をみんなに説明してくれた。

 「僕はサッカーでいつも転び慣れてるし、捻ったり、骨に当たったんじゃなくて、踏まれたのが、ふくらはぎだったから、大丈夫だった。もう、みんなの所に行く。」と。(笑)

 大事に至らなくて、本当によかった。
 ほっと胸を撫で下ろし、神輿が最初に向かうポイント、海の近くの介護施設へと向かう。

 小さな子ども達も参加する「子ども神輿」は、ゆっくりゆっくり 休憩しながら進んでいく。
 みんなと再会した息子も気を取り直し、元気になってきた。
 ジュースを飲んで、さあ、改めて ワッショイ ワッショイ!

 5年前、6歳の頃は、大きな声でノリノリで「ワッショイワッショイ!」掛け声をあげていた息子達。 11歳になると、どんなに私が「はい!大きな声で!」と言っても、声が小さいのは仕方がないのかな。 
 あとで、ママ友パパ友に、「ぴーちゃんの声が1番大きかった。」と、言われてしまった。苦笑 

5歳の頃の息子達。まだまだ幼い!
5年前の同お祭り。元気いっぱいの子供達。

 神社の儀式が終わるまでの待ち時間などもあり、丸々3時間半、炎天下の中、子供達も最後までよくがんばった!  

待ちの間は、しりとり。


 みんな汗でベトベト、空腹になりながらお神輿を下ろし、お菓子と葉山コロッケ、おにぎりをいただき、無事終了。

 それから、近所のお友達の家でいただいたお昼を食べ、子ども達は服のまま海へ出かけて行って ボチャン!

暑すぎて、服のまま海へ入ってクールダウン。
こんな環境に、感謝だな。


 夜は、お祭りの出店で遊び、大満喫して帰って来た。
 夏の締めくくりにぴったりの、充実した一日だったな。
 
 詳しく知らなかったのだが、お神輿を担ぐことは、禊にもなり、神様のご利益を町中に届けるお役目を担うことなのだそう。
 子供神輿をみることで、町中の人々に元気と幸せをお届けすることも出来るんだな。
 今回、子ども達の姿に笑顔になる人々を見てそう実感した。

 昔から続く伝統って、奥深く 面白い。

 コロッケ屋さんや、ご近所さん、町内の人々から応援を受け、老若男女がコミュニティと一つになれ、触れ合える経験って 少なくなってきた分、とても大切な気がする。

 私にも幼い頃、浴衣を着せてもらい、夜、母に手を引かれて 同じ境内のお祭りに行った記憶がある。
 屋台のキラキラとしたオレンジ色の灯りに 胸を高鳴らせたこと。
 迷子にならないように、しっかり繋いだ母の手の温もり。
 ささやかな記憶だけど、なんだか私の心をあったかくしてくれている。。
 
 色々大変だったけど、この経験を 息子も  いつか、ふと思い出してくれたらいいな。
 

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