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物と向き合う
恥ずかしながら私は、小学生の頃から忘れ物が多い子供だった。
机やバックの中身はいつもごちゃごちゃで、どこに何を置いたかすぐ忘れるし、ある時は 電車の網棚にランドセルを置いたまま帰って来たこともあった。笑
月日は流れ、20代で一人暮らしを始めて早20年。
息子が出来てからは、忘れっぽいのは相変わらずだが、ゴミ屋敷に子供を住まわせたくはないので、前よりは 部屋を整えられるようになってきた気がする。
今住んでいる我が家は、両親が40年以上前に建てたもの。
私達家族は そこに10年住んだ後、横浜、そして、東京のマンションへと引っ越した。
その後は、何度か他の家族が住んだり、空き家になっていたのだが、9年前、今度は私が自分の旦那さんと息子を連れて帰ってきた。
3人で住むには大きな家で、部屋数が多く、納戸も屋根裏部屋もある。
戻ってきた当初は、歴史好きな父の日本刀や掛け軸、母の食器や額装された絵、毛皮のコート、カーペット、弟のおもちゃやレコード等に加え、その後に住んでいた人達のゴミなんかも残っていて、それを1人で処分するのは 本当に大変だった。
物には思い出や気が詰まっていると言うが、引っ越した日の夜は、そんな物達、いや、この家全体に思い出エネルギーが溢れていて、なんだか圧倒された。
それに、もはや 都会暮らしの方が長くなっていた私には、家全体に響き渡る風の音や鈴虫の大合唱が まるでジャングルの中にいるみたいに感じて、ゾクゾクした。
ゾクゾクを感じながら、この家を これからの未来を築く場所に変えていこう。と、思った。
見える所は 大分スッキリしてきたけれど、
実はまだまだ残っている「開かずの箱」がある。
人には見えないし、生活に支障もないけれど、自分の中で気になっている場所があるって、なんとな〜く 心のどこかが重いよね。
先日、ピラティス終わりに更衣室で着替えていると、あるパンフレットが目に止まった。
「こんまりコンサルタント」。
開くと、全国にいらっしゃる「こんまりメソッド」を習得したコンサルタントの方々が、あの こんまりさんに代わり実際に家へ来て、お片付けのアドバイスをしてくれるという。
私は さっとそのパンフレットをバックに入れ、電車の中でもう一度開いてみた。
調べてみると、なんと私の家のすぐ近くにも コンサルタントの方がいらっしゃるようだ。
早速 勇気を出し、メッセージを送ってみると、彼女から すぐに返信が届いた。
その後、zoomでお話しをし、まずは また増えてしまった「洋服」のお片付けを手伝っていただくことになった。
服、本、食器など、人によって 大変と感じる場所は様々なようだが、私には断然 「洋服」が難しい。
服が好きだし、ときめいて買った服は何十年経っても着ていたりして なかなか捨てられない。
まず、どんな暮らしをしていきたいのか?
どんな部屋でどんな風に過ごしていたいのか?そんなことをはじめにイメージし、久しぶりにコラージュなんかもやってみた。
なんだか、久々にワクワク、心が熱くなった。
当日、コンサルタントの方と一緒に全部の服を出し、これはときめくのか、もう さよならで良いのか?を決めていく。
どうするかを決め、捨てるのは私の仕事。
だけど、全出しして聳え立つ服の山を前に、思考が停止し ぼーっとしてしまう。
そこへすかさず、「そしたら、これはこうしてみましょうか?」と、ぐいっと舵を切ってくださるコンサルタントさんのお陰で ぱっ!と、光が差し込み 道が開けていく。
お片付けなど習ったこともない私には、全くなかった発想、アイデアを教えてもらうのは とても楽しく、嬉しくなる。
持っているのに、全然使って来なかった物達、クシャクシャになってしまっていた物達に目を向け、綺麗に整えてあげる。
これは また使えるかもしれない、この子は 誰か喜んでくれる人に譲ろう と考える。
物にもやはり命や魂があり、縁があってここに在る。
その1つ1つと向き合うことで、物達もなんだか喜んでいるような感じがする。
お役目が終了した物達には、きちんと「ありがとう」を伝え、今度はちゃんと考えていい買い物をしよう と思う。
それぞれに思い出やストーリーがある物達。
それは、過去。
これらを迎え入れた私が、これからなりたい私(の未来)にとって、ときめく物だけを選びとる作業。
五感やイメージをフルに使い行動していくと、沢山の深い気づきもあった。
お片付けって、実はものすごいセレモニー(お祭り)なんだな。
そうして集中しながら導いていただくうちに、4時間程で きちんと終わりが見えてくる。
あんなに何ヶ月も何年も、滞っていた場所が、今や スッキリとクリアになった!✨
家事や掃除の苦手な私が、やり方を学び、お片付けを少しずつ楽しめるようになったこと。
むっちゃくちゃ遅い進歩かも知れないけど、こういうささやかなことに喜びを見出せるようになれたことが なんだかとても 嬉しいのだ。
大好きな私の家。
これからも感謝を忘れず、自分のペースでより心地の良い空間にしていきたいな。