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姿は見えなくても
みなとみらいの桜が見頃だと聞いて、夫とベアちゃんと一緒に花見に行った。桜木町駅とワールドポーターズを繋ぐロープウェイに乗り、ほぼ真下にある汽車道の桜を眺める。ここのロープウェイはグループごとにひとつのゴンドラを使えるので、ベアちゃんも座席に座らせて、家族みんなで花見を楽しむことができた。
この日のランチに入った店で、少し不思議なことがあった。タッチパネルで注文するお店だったのだが、注文を終えてスタンドに戻した端末の画面が勝手に動いて、次々と料理を選んでいく。スタンドが変な位置に当たっているのかと思い端末を持ち上げても、まだ画面が動き続ける。店員さんがスタンドに立て直したら止まったが、あれは息子のいたずらだったんじゃないだろうか。息子よ、チリソースは君にはまだ早いんじゃないかな。
息子を火葬してから、こういういたずらが続いている。
夫がパソコン作業をしていると、勝手に「aaaaaa」と入力される。自宅だけでなく勤め先の電子カルテでも同じことをされたそうだ。マッサージ機が勝手に動き出したり、リビングの照明が設定上ありえない明るさになっていたこともあった。
さらに、見える人には息子の何かが見えているらしい。
例えば、以前つぶやきとして投稿した、夫と行ったサーティワンの店員さん。関西では年上の女性への呼びかけとして「おかあさん」という言葉を使うことがあるそうだがここは関東、そして店員さんは明らかにわたしより年上であった。
そしてつい先日、妹から連絡があった。ある日の夕方、もうすぐ2歳になる甥っ子2号が、無人の玄関に向かって「おかえりー」と声をかけたそうだ。意味が分からずに言っていることも多い年頃だが、一応「なに?」と聞いてみたら、2号は「あかちゃん!」と答えた。小2に上がったばかりの甥っ子1号まで「息子くんだよ!」と言い出す。1号には息子のことをひととおり話してあるが、幼い2号にはまだ分からないだろうと伝えていないそうだ。いとこのお兄ちゃんたちのところに遊びに行ったのかもしれない。一度夫とベアちゃんを連れて行ったことがあったから、場所を覚えていたのだろう。妹の家は飛行機の距離だが、魂ならば千里の道をも越えられる。
息子が楽しく過ごしてくれているなら何よりだけど、少し欲を言えば、母の前にも姿を見せてはくれないだろうか。
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