持ってる男の話。

次男の高校面接日。学校へ送り届けてホッとしていると、引率の先生から電話。「次男くん、受験票を紛失したようです」うそやん!!!そんなことある!?家で私も確認したしファイルから出してないし!?本人も家では出していないと。なのに念の為家の中捜索してください、あったら届けてくださいと。もちろんない。本人曰く昇降口で落とした時に、コピーの方だけ手に取っていたと。とりあえずコピーがあったのでそれで受けることはできた。

もうこれで落ちたらしゃあない、実力だしお前の居場所はここじゃないということだと。

これで終わったと思った合格発表前日。中学から電話。「やはり、高校側からコピーではダメなので再発行します。つきましては明日の合格発表前に中学に寄り、再発行した受験票を取りに来てください。今持っている受験票のコピーは無効だが、無くさずに高校へ提出してください。尚、不合格の場合はすべてこれらは必要ありません」ですよね。次男には何度も何度も「いいか、明日バタつきたくないから、受験票のコピーは無くさずに持っていけるようにしとこうな、2回もなくした、はもうあかんぞ」と。「オッケー!」その軽さに若干イラッとしながら子供を信じる親を演じた。

合格発表当日。さて行くかと声をかけ、受験票もったね?と聞くと、あ、うん、ここにおいたはず。…あれ?ここに置いてあったよね?いや知らんよ?見てないよ?あれ?うそだ、ないはずないんだけど…え…なんで?なんでないの?しらんがな!!もう家族総出で捜索開始。既視感。私はもう半泣き(アカン…もうアカン…いっそ落ちててくれ…)と親としてダメダメな思考に陥る。本当のことを言えば私は違う意味でもドキドキしていた。なぜならその日の朝は可燃ごみの日。私にはそこかしこにあるものを手当り次第に捨てる癖がある。前科持ちでもある。まさか…わたし…知らないうちに…捨て…いやいや流石にない、それはない。結局どこを探しても見当たらず時間は迫る。これ以上はもうだめだ、とにかく中学に行って新しい受験票を貰いに行かねば。その後のことはまた考えよう。何をどう考えるのか皆目検討もつかないまま車に乗り込む。車内はきょうびお通夜でももう少し賑わうわ、くらい重苦しい空気に包まれている。学校につき、担任の先生には聞かれたら正直に答えるしかないぞと話す。数分後、勝訴よろしく次男が走って戻ってきた。「なんか!!!なんか、先生が!お前も持ってると思うけど一応前の受験票のコピーも渡しておくなって言って!!!コピーくれた!!」
エンダーーーーーーーーーーーー!!!!!脳内にホイットニーが降臨した。夫は涙ぐみ「次男。今日のこの気持ちを忘れちゃだめだ。社会に出たらこういう大事な書類は山ほど出てくる。これを管理するのは自分だ。なんとかなる、はお前の長所でもあるけど同時に短所にもなりうる。先生にとにかく感謝しなさいよ」私はまるで自分に言われている気持ちだった。

ハッキリ言ってここが今日のハイライトで、合格不合格はもうなんかどうでも良くなっていた。私達は疲れ果ててしまった。

なので、結果だけ。合格でした!以上!!

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