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久しぶりにGANG PARADEを感じた日

WACKアイドルというとどんなイメージを抱くだろうか。

型破りで破天荒、無口で陰のある女の子たちが激しく荒ぶるエモーショナルなライブ。
たぶん多くの人が、メディアにも多く露出するBiSHや、最近勢いを増しているEMPiRE、アイドルの常識をぶち破ったBiSをイメージするのではないだろうか。

確かにそういった少し尖ったとっつきにくいビジュアルのグループが多い。

そしてGANG PARADEもその一つだった。
GANG PARADEのメンバーもWACKっぽい奇抜なビジュアルで、刈り上げ赤髪ピアスちゃんがいたり、坊主がいたり、2度聞きしたくなるような変な名前の人がいたり、癖が強すぎる歌姫がいたり。
爆裂的な個性が衝突してごった返すグループだ。

しかしGANG PARADEには他のWACK所属グループにはない彼女らだけの特徴があった。

それはライブでの多幸感だ。
GANG PARADEのライブはいつも笑顔で溢れていた。
アイドルのライブなんだからそれはそうだけど、ただただコールアンドレスポンスをして、ファンに笑顔を振り撒いて、歌って踊ってではなく、空間全体で会話をしているような、空間全てが幸せに包まれるような、そんな雰囲気があった。

彼女たちはその空間を「みんなの遊び場」と呼び、ファンのことを遊び人と親しみを込めて呼んでくれていた。
遊び人も彼女らに応えるようにその温かく優しくハートフルな空間作りに参加していた。

ライブ会場で困っている人がいたら優しく声をかけてくれる。新規のお客さんが楽しみやすい雰囲気をファンが作ってくれている。そんな温かい空間がみんなの遊び場だった。
みんなの遊び場の中心にはいつもGANG PARADEのメンバーがいてくれた。

そしてもう一つ。
GANG PARADEの大きな特徴の一つが苦労人集団であること。
説明し出したら夜が明けそうなので99%割愛するが、彼女らを知れば知るほど「なんでこの子達はこんなにも不遇続きなんだ」と、なんだか逆に笑けてくるほど「負け」を突きつけられる瞬間が多いグループだ。

それでも彼女たちはそんな素振りを微塵も見せず、ステージに立てばどんな時も「みんなの遊び場」を作って待っていてくれた。

いや…
そんな素振りを微塵も見せずは嘘だ。
何度も「負け」を突きつけられてきた彼女らの何物にも変え難いその経験は、いつしかGANG PARADEにとって最大の武器となっていた。

偽りだらけの世の中で、大好きな仲間と大好きな遊び人と一緒に、誰にも立ち入ることができないほどの強く確かな絆を武器に、反骨精神で分厚すぎる壁をぶち壊してきた人たちだ。

彼女らはいつだって全力疾走で必死で死に物狂いで遊び場を守ってきた。いつだって夢を諦めなかったし、誰よりも高い志でがむしゃらに突っ走ってきた。

ここまで綴ってきたが、お気づきの人もいるだろう。
私が綴ってきたGANG PARADEの話は全て過去形だ。
今はGANG PARADEはもうない。
ないのかな?わからない。
でも、今はもうGANG PARADEというグループのライブを見ることはできない。

その理由は「GANG PARADEの魂を継承する6人のゴリラ」でお話しているので、時間があれば読んでほしい。

そして先日、今は存在しないはずのGANG PARADEを感じる出来事があった。
カシワックでの選挙速報だ。
どうせ別のグループが上位を占めるんだろう。出来レースだろ。しょーむない。そう思っていた。

でも、蓋を開けてみると私の予想はひっくり返った。
というか、誰も想像していなかった結果だったのではないか?(失礼に聞こえるけど、悔しいけど本当にそうだから)
神7とされる上位7名中5名がGANG PARADEの元メンバーだったのだ。

まだ序盤中の序盤の速報だと言われればぐうの音も出ないが、この事実はオタクはもちろん何よりメンバーの心に火を着けた。
かつてGANG PARADEとして諦めないの精神で走ってきた彼女らは、ずっとずっと変わらない気持ちで活動してくれていた。
でも、あの瞬間確かに、彼女らが秘めていたギャンパレ魂が再びむき出しとなったのだ。

今は別々の道を歩む彼女たちの中で大切に守りながらも、そっと心に隠していた何かが弾けた瞬間だった。
その時私は、彼女らの言葉にGANG PARADEの魂を感じたのだ。
あの時から止まっていたように感じていた時計の針。動いていたのかもしれないけど、見えなかった時計の針が、再びはっきりと音を立てながら動き出した。

ここがスタートだ。
彼女らの夢を叶えてあげたい。おこがましいけど、叶えてあげたい、応援したい。心からそう思ってしまう力が彼女らにはある。
好きになってよかった。と。本気でそう思わせてくれる人たちだ。

彼女たちの味方が一人でも増えますように。彼女たちが巻き起こす嵐に一人でも多くの人が巻き込まれますように。
そう願いを込めてこの文章を書いている。

つづく。

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