「二世帯住宅生活成功の秘訣〜フィリピン編〜」 -外国人義母との同居-
2020年2月
奥さんの出産を手伝うため、義母がミンドロ島からマカティに来てくれました。
ミンドロ島は観光地プエルトガレラがありリゾートとして有名ですが、実家はそこからバン(ハイエースなどの乗り合いバス)で5時間かかる田舎にあります。
日本へ行くより時間が掛かる場所から、バンに乗り、船に乗り、バスに乗りはるばるお手伝いに来てくれ、それはそれはもう感謝しかありません。
義母の支援もあり、3月には奥さんが無事男児を出産。病院を退院後、1週間で例のコロナのため、フィリピン全土でロックダウンが始まりました。
当初は3ヶ月でミンドロへ戻る予定が、ルゾン島とミンドロ島の方針の違いもあり、結局1年半も家事と育児を手伝ってもらってしまいました。
この1年半、義母への申し訳なさと共に、居てくれたありがとうといつも思っていました。
「二世帯住宅って大変でしょ?」「気を遣うでしょ?」
「イライラしないの?」「しかも外国人でしょ?」と思ったあなた。
実は全然そんなことなかったんですよ。むしろ義母がいる安心感で、家にいるのが心地良かったぐらいで。
だって奥さん育ててくれたんですよ?
しかも子ども3人も育ててるんですよ?
しかもしかも家事のプロですよ??
そりゃ安心感が半端ないですよね!!
ロックダウン当初は在宅でしたが、会社へ出社するようになってからより安心感を感じるようになりました。休養中の奥さんと乳児を見てくれる義母。神様かと思いましたよ。
でも義母とはいえ他人と住む訳ですから、もちろん気を使うところもあります。
そこで今回はこちら。
「二世帯住宅生活成功の秘訣〜フィリピン編〜」
をお届けします。二世帯住宅というと同じ敷地内で別々の家に住んだり、2階建住宅の1階と2階で分けて住むことを指しますが、今回は今度アパートメントでの生活になるので、マンションの1室での義母との生活と考えていただけるとわかりやすいです。
※義母(以降はいつも呼んでいる”ママ”で統一します。)
僕が思う成功したポイントは3点あります。
1. 言葉が通じる
2. お互いを認める
3. 感謝の気持ちを忘れない
1. 言葉が通じる
これはかなり大きなポイントを占めます。お互いの気持ちを理解するのには直接話ができないとちょっと辛いかな。
実は現在、家にはメイドさんがいますが、彼女はタガログ語しかわかりません。日常会話は奥さんに通訳をしてもらっています。
直接のやりとりは簡単なタガログ語の単語のみ。
ですので、余計ママと英語で話していた時の有り難みがわかります。
ママがミンドロ島からマカティへ来てくれたことは冒頭でもお伝えしましたが、家の近辺では英語を使う機会がほぼありません。
ですので、最初は英語を話すことに抵抗がありましたが、昔学校で英語を勉強していたこと、普段から韓国ドラマを英語で見ていたことから、徐々に英語を話してくれるようになりました。
2.お互いを認める(僕視点)
ママと僕はカルチャーギャップ、ランゲージギャップ、ジェネレーションギャップと乗り越えなければならないことが沢山あります。そこで重要なのは「お互いを認めること」
多くの人は年を重ねるごとに新しいものごとへの対応が難しくなってきます。
そこで、まずは自分がママの価値観など全てを受け入れることにしました。
”ママがやることには基本、口を出さない。”
「日本ではこうだよ」「今はみんなこうやってるよ」などの声掛けはほとんどしませんでした。これはママが培ってきた過去を否定して傷つけてしまう気がしたからです。
どうしても変えてもらいたいことがあれば、”僕はこう思う”と主語を自分にする事でママの気持ちを確認していました。”国の違い”や周りとの違い”を主語にするより相手に気持ちが届きやすく反発も生まれません。
そしてここでの大事なポイントは2点
①”ママの息子として、家ではこうした方が上手くいくかもしれない” と伝える
②”ママに確認を取ることで、いつもママの事を考えているよ”という気持ちを見せる
①は息子としてみんながどうやったら楽しく暮らせるかを考え、まずは試してみようというスタンスで話をします。”絶対こうすべき”というような態度では相手を従わせる形になるので、避けます。
②はもっと重要です。むしろ②だけ実行できていればあとは何とでもなるような気さえします。家には帰れないし、住みたくもない都会に外国人の息子と住むなんてもの凄いストレスになってるはずです。
そんな中でも家族が自分の事をいつも考えていてくれたら、それだけで嬉しいですよね。
3. 感謝の気持ちを忘れない
何かをしてもらったりすればその都度、また何もない時でも ”Thank you mama” と伝えるよう意識をしていました。
そしてフィリピンではとても大事なことがあります。
「イベントは必ずお祝いをする」
これは超重要です!!イベントに関する期待度がフィリピンの人は元々高いので、そこで相手が喜ぶことをすれば普段以上に喜んでもらえます。
ロックダウン中で買い物先や移動が制限される中、僕がママのために開催したイベントは2つ。「誕生日」と「母の日」
移動、時間制限がきつい中、全ての準備を整えサプライズのお祝いをすると
ママ、嬉しくて泣いちゃいました。
そんなに喜んでもらえるとは思ってなかったので、僕も奥さんもすごいハッピーな気持ちにさせられました。
ミンドロへの帰宅が決まった際、ママが無事に帰れることを喜ぶ半面、帰ってしまうことから来る寂しさや悲しさが半分、複雑な気持ちになっていました。
今回、二世帯住宅という経験を自分で体験ができたことは非常に大きな財産になりました。
僕が持っていた二世帯住宅のイメージはネガティブなものが多かったですが、そんなことが全くに無いことに驚いています。
今、悩んでいる方がいらっしゃいましたら、ものは試しと短期間だけでも試してみることをお勧めします。
最後に一言。
I love you so much, Mama!!
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