003.エディアカラ生物群
地球最古の動物は5.58億年前。オーストリア南部、トレンズ湖の北にあるエディアカラ丘陵から左右対称の多細胞生物の化石がたくさん見つかってるよ。硬い殻や骨格をもってないので化石に残りにくいんだけど、サラサラの砂が流れ込んだために、ハンコみたいにシルエットが印象化石になって残ったんだよ。
●ディッキンソニア(学名:Dickinsonia)
見た目は…でっかい指紋と言ったところ。最大で1.2mにもなるエディアカラ紀最大の生物。今日のどの生物種にも属さないため時代名からヴェンド生物として分類されてるよ。(ウミエラやクラゲに似てるんだけど....)
この時代の海はこんなかんじ...
◆エディアカラ生物群の想像図
出典:Ryan Somma - Life in the Ediacaran Sea Uploaded by FunkMonk
描かれてるのは...カルニオディスクス、シクロメデューサ、 ディッキンソニアあたりかな...
(-ω-)/ てきとう発言
地学や生物の教科書では、グニャグニャの生物「エディアカラ生物群」として登場するんだけど詳しく分かってないみたい。
でね....私には、ミドリムシの「動物か植物か論争」と同じくらい、「単細胞と多細胞の境界」が気になるんですよ〜
ある時代からいきなり多細胞生物が増えるって不思議じゃない?〜ミステリアスだよね? (≧∀≦)
●全球凍結イベント
多細胞生物が登場する少し前、地球がまるごと氷っちゃう大凍結が3回くらい起きてる。
教科書だと温暖に戻る際、雪溶けによる海洋面積の拡大、陸からの栄養流入が多細胞生物を促進したとなってるんだけど、多細胞化の流れは全球凍結にこそポイントが隠されているように思うんだよね。(ちょっと調べ中)
全球凍結の原因(諸説)
①シアノバクテリアが増加したことで、大気の二酸化炭素が減少。温室効果を失い寒冷化。
②銀河系内での超新星爆発により宇宙放射線が地球に降り注ぎ、雲核作用が促進。雲が太陽光を長期に渡り遮ったため寒冷化。
◆なぜそう思うか、いくつか理由を書き出してみました...
①まず、単細胞生物のシンプルさを活かして、短期間に爆発的に分裂増殖できるってことは、種の絶滅を回避できるメリットだと思うんですよ~。
ʕ•̫͡•)ʕ•̫͡•)ʕ•̫͡•)増殖
でも~1つ欠点があって、全てがコピーゆえに大規模な環境変動に弱い。(育ててたミジンコがある日突然消える悲劇に似てるw)
②これを回避したのが有性生殖。世代を重ねるごとに多様化し環境が変わっても一部の個体は生き残れる戦略で上手く生き残った。突然変異なんかもこの辺りに含まれるのかも...
③そして多細胞化の流れ。これは細胞内共生のときと関係が似てて、細胞同士で栄養を共有することで命の安全性を向上した進化だと思う。
ちょうどこの時代は、光合成生物の増加により海洋中の酸素濃度も増加。多細胞化(大きくなる)の流れは整ってたとおもうんだよね...。
はたまた、嫌気性細菌類は細胞内に逃げ込む(細胞内共生)ことで活路を見出したのかもしれない...。(真核細胞時代はもっと昔か....)
硫化水素などを餌にする嫌気性バクテリアの生活圏は熱水噴出口付近に限定。これに対し光合成バクテリアは全海洋に生活圏を拡大し結果的に海を制覇していったんだと思うんだよね。
氷結するほどの悪環境が、生物の多細胞化と組織の分化(器官の発達)に繋がり、より複雑で高等な生物へ進化できる契機になったと思うんだよ。
その証拠にエディアカラ生物は、光が透過し易いように身体はペラペラで透明。捕食の口もないんだよ…。温暖な海でより大型化していったと考えていいんじゃないかな...どうかな、どうかな、いい線いってない??
やがて気候が安定するとアルアルなのが、捕食生物の登場。硬い殻で身を守り、捕食向きの大きな顎を持つバージェス動物群が繁栄するよ。
今回は寒冷化が多細胞生物を誕生させたんじゃないかってお話でした。
地学の地球史年表を眺めると、いつもワクワクしている私。しかもマイナーなエディアカラ生物が好きなのは平和だからかな?いろいろ想像すると面白いんですよね~
◆第1回「生物の大型化、多細胞化には『抑制系の進化』が関わっています」高木 由臣(bio-anthropos)https://www.bio-anthropos.com/
◆ナショナルジオグラフィックニュース
謎の古代生物の正体は「動物」と判明、地球最古級
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/092100413/?ST=m_news
◆全球凍結と生物進化 田近 英一(東京大学)
https://park.itc.u-tokyo.ac.jp/tajika/wp-content/uploads/2014/05/Tajika-2007-JG.pdf
◆宇宙線と雲核生成との関連性についての検証実験 伊澤雄貴(名古屋大学)
http://www.astro-wakate.org/ss2011/web/ss11_proceedings/proceeding/cosmicray_14b.pdf