
【1月29日】
カランカラ〜ン
「お好きな席にどうぞ」
”エッ、闇ガ・・・”
「俺さ、殺意ってのを初めて持ったよ、殺意」
「いくらなんでもそれはさぁ」
「マジで許せないから」
「殺意は言いすぎだろ」
「いや、これは間違いなく殺意だ」
「じゃあ仮に殺意としてだ、どうするのさ」
「そりゃ殺意だから、殺すかもよ」
「どうやって」
「刺したり」
「刺したり?」
「突き落としたり」
「突き落としたり?」
「殴ったり」
「殴ったり?」
「万が一殺意を持って行動に移して、失敗したらどうするよ?」
「ご注文決まりでしょうか?」
「あっ、もう少し」
「で、どうするよ」
「ハンバーグ定食かな」
「注文じゃなくて、失敗したらどうするよ?」
「どうするんだろ・・・」
「なんだよそれ」
「俺もハンバーグ定食にしよ」
「すいませ~ん」
「ご注文決まりですか?」
「ハンバーグ定食二つで」
”ヤッパリ、コノ人、闇ガ・・・、浅イ”
”微妙”
「つまり失敗しなきゃイイんだよ」
「お前、前向きなのか何なのか分かんねな」
「そもそも殺意の原因は?」
「って、相手は誰だよ?」
「・・・、おかん」
「母親???」
「そう」
「おいおいおい、親殺しちゃダメだろ」
「なんで?」
「りさちゃんからのプレゼント捨てやがってよ」
「え?」
「俺が大事にしていた、りさちゃんからのプレゼントを」
「りさちゃんは誰だよ?」
「りさちゃんは、俺の好きだった、りさちゃんだよ」
「元カノってこと?」
「元カノではないけど」
「けど何?」
「初恋の相手だよ」
「え?」
「ちゃんと説明してみ」
「殺意が無駄な事が理解できるかもよ」