今井雅子作 「膝枕」 冒頭部分 ふりがなver.
短編小説「膝枕」とその派生作品をclubhouseで朗読する「膝枕リレー」と、日本語を勉強している人と日本人のコミュニティ「にほんごではなそう」とのコラボ企画。「膝枕リレー 体験knee部」用に、ルビを振った原稿を用意しました。
お試しで読んだ後は、ぜひ他のお話も読んでみてください!!
今井雅子作 「膝枕」
休日の朝。独り身で恋人もなく、打ち込める趣味もなく、その日の予定も特になかった男は、チャイムの音で目を覚ました。
ドアを開けると、宅配便の配達員がダンボール箱を抱えて立っていた。オーブンレンジでも入っていそうな大きさだが、受け取りのサインを求められた伝票には『枕』
と書かれていた。
「枕」
男の声が喜びに打ち震えた。
「受け取ってもらって、いいっすか?」
配達員に急かされ、男は「取扱注意」のラベルが貼られた箱を両腕で受け止めると、お姫様だっこの格好で室内へ運び込んだ。
はやる気持ちを抑え、爪でガムテープをはがす。カッターで傷をつけるようなことがあってはいけない。箱を開けると、女の腰から下が正座の姿勢で納められていた。届いたのは「膝枕」だった。ピチピチのショートパンツから膝頭が二つ、顔を出している。
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