なぜ働いていると本が読めなくなるのか/三宅香帆
本を中心として世の中の変化を大正時代から観察。
タイトルの通り、働き方のことだけではなく、出版業界や人々の生活そのものの変化を追いかけながら、最終的には現代では本が読めるように、こんな働き方はどうかという提案がなされていた。
読書する人々の歴史というか、読書って社会階級の現れだったんだなって改めて実感した。なんとなく本は好きな人が読むものって気がしていたけど、そうじゃないんだよね。ちゃんと社会的に作られて趣味なんだ。
あと、単純に出版業界の変化も面白かった。文庫は紙が高騰する中、紙の節約から生まれたとか。10円本という今でいうサブスク本の誕生とか。インテリアとしての本、そしてそれに対しての批判とか、今では考えられないほど本が元気だった時代の話は面白かった。
私は多分現代人にしては本を読む方かもしれないけど、それもちゃんと社会階級に沿った読書遍歴がある。そのことにこの本を読んで気付いた。
小説から自己啓発・ビジネス本からしっかりスピリチュアルを挟んで、哲学へ。この美しすぎる経歴が私の人生なのだと思う。
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