LGBTを読みとく/森山至貴
クィアスタディーズという言葉すら知らなかった私にはぴったりの入門書だった。
多様性をしっかりと知識として学ぶその入り口の一冊。
自分の中で差別や多様性について学びたいという気持ちがあるんだけど、それって結局自己満足でなんの役にも立たないし、もっと世間に役立つ方法を選んだほうがいいのではって結構悩みだったんだけど、そこをしっかりと知識は大事ですよって言ってくれてて安心して学ぶ・知る楽しさに没頭できた。
もう初っ端から全然思い違いをしていて、昔から同性愛ってあったじゃんって思ってたけどそれは実は奴隷だったり人身売買だったりで「同性愛」とは認識されておらず全然別のもので「同性愛」と認識されたのはもう少し最近のことだったし、さらにトランスについては歴史を遡るのは大変難しく、どこからが同性愛でどこからがトランスなのかは注意深く紐解かねばならないというところは、こんな基礎的なことも知らなかったのかーって思った。
同性愛は同性愛として、トランスはトランスとして認識されて存在するということが当たり前になった今って実はそれだけでも実は結構な進歩だったんだな。
昔も今もちゃんと認識されていたわけじゃなくて昔はなんだかわからないって人がたくさんいたのは、それがすごく不思議で、そういう歴史って大事でしれてよかった。
あと日本の現状の同性同士の結婚が認められなかったり、パートナーシップ制度が同性同士に限定されていたり、ゲイと性同一性障害の経済格差について語られていたり・・法律、制度、権利、経済、医療、様々な側面からきちんと話がされていて
もう世界は全部繋がってるし当たり前だけど全部の側面から考えるのが大事だなって思った。
やっぱ、学ぶことで差別や格差をなくしていけたらいいなと思う。
今はまだこれはダメ、あれはダメしかわからないけど、こうしたらよりよくなるだろうというアイデアは正しい知識を持つことで得られるのではないかと思う。
まだまだ始まったばかりの私のクィアスタディーズの道のりはこれからも続く。