2021 エリザベス女王杯の予想

阪神11R
15:40 発走
芝2200m 内回り
良馬場想定

[コースについて]
阪神2000mは4コーナーを曲がりきったところからのスタートで1コーナーまで320mほどと短くコーナーまで18〜20秒で迎えるために先行争いがやや激しくなるが、2200mのスタート地点からであれば1コーナーまでの約30〜32秒の間にそれぞれが取りたいポジションを取りやすい
コースの得手不得手は明確に現れやすく、持続性のある脚を使いやすい血統背景を持つ馬が近年の宝塚記念や昨年の代替開催のエリザベス女王杯を席巻している

土曜の競馬を見た限りは外差し馬場ではあるものの2,3着争いには内を突いた馬も来れているので、願わくば外から一気の差し脚を伸ばしたいが距離ロスなく最短距離で回ってくる馬にも注意は必要かもしれない

[昨年の振り返り]
人気はラッキーライラック、ノームコア、ラヴズオンリーユー、センテリュオの4頭が1桁人気のカルテット

レースは元祖トリックスター横山典弘が誰も出て行かないのを確認するや否や好発を決めたノームコアでまさかの大逃げから1コーナーまでを30秒,5Fを59.3秒の明らかなオーバーペース
先行各馬は息を入れながらも追走で脚を使うところへ阪神2200mの18番枠という大きな不利枠と目されたゲートの至難をモノともせずにラッキーライラックがルメールのエスコートで4角外から抜け出して圧巻の押し切り勝ち
後方待機のラヴズオンリーユーとサラキアがラッキーライラック目掛けて外から強襲しての2,3着

結果的に速い上がりが使える馬が上位独占した1〜5着のうち、ウインマリリン以外は向正面で11番手以下の馬ばかり
追込み決着となる中で12番枠から上手く内に潜り込んで3番手インでじっと我慢して外からノームコア目掛けて追撃する各馬をやり過ごしながらチャンスを待ったウインマリリンが先行馬総崩れの中で頑張り4着と大健闘

2011年のアーネストリーが叩き出した2.10.1のレコードに迫る2.10.3の決着となった


[リピーター出走]
ウインマリリン 2020 4着
→ もう少しこの馬に向く展開であればと思うくらいにこのコース設定は合う印象でラッキーライラックとラヴズオンリーユーのような驚異的な末脚を発揮する馬が少なくなれば自ずと着順は上がりそう

ソフトフルート 2020 6着
→ 夏の上がり馬として秋華賞を最後方から追い上げて3着した後のエリザベス女王杯は枠の関係もあったか5番手追走で速い脚が使えず雪崩れ込んだ形にはなった
ディープ産駒には珍しく時計の速い決着よりは時計がかかるタフな馬場の方が力を発揮するタイプで世代レベルに疑問が残る4歳世代ではあるが、中途半端な雪崩込みではなく脚を溜めて乗るレースで結果を出してきた岩田望が騎乗するのは好感が持てる

リュヌルージュ 2020 12着
→ 中途半端な位置から中途半端に雪崩れ込んでの形で特に印象も残っていない
古馬になってからのOP実績があまりにも乏しく1年間で大きな上積みも感じない


[前哨戦比較]
過去10年での前走好走例を挙げることは京都コースに戻るまではほぼ無意味なことだと思うのでここでは参考データは取り扱わない

ただ、1800m,2000m,2200mから転戦の馬がほとんどの中で2400mからの距離短縮での好走例が全く無いことからコトブキテティスはこの時点で予想から省けそうだが、この後に取り上げる血統面での評価においてはコトブキテティスも貴重な血脈を持つ馬として取り上げているし、昨年の勝ち馬と同じ18番枠だけに侮れないかもしれない

①中山コースと阪神内回りコース
②非根幹距離への対応力
③3〜4コーナーにかけては京都外回りの4mの高低差程ではないにしても直線の短さと相まって一気の加速ポイントとなることから、残り800〜400mでスピードUPして以降も持続力のあるスピードと根性を発揮できそうなタイプ

昨年のように上がりがしっかりした馬が上位を占めるような競馬を想定しないわけではないが、先週・先々週の内回りの競馬を見る限りでは昨年のような33秒台で上がりの脚が使えるような馬場ではない(元々がそういうコース設定ではない)ことから上記の①〜③は特に重要視しておきたい

前哨戦評価
◎ オールカマー
◯ クイーンS
▲ 秋華賞,新潟記念
△ 西宮S,新潟牝馬S

◎オールカマー
良馬場 2.11.9
12.6-11.1-12.4-12.2-12.4-12.1-12.0-11.8-11.5-11.7-12.1

前半60.7-後半59.1でコーナーを曲がる頃には持続的な加速ラップとなった
スローと言えばスローだが息を入れながら行くというよりは後続に脚を溜めさせないような工夫で先行勢は乗った形で基本的に先行馬有利の流れで動くに動けなかった馬には恵まれない展開となった

条件戦を除けば前哨戦として唯一の牡牝混合のオールカマーからは出走5頭全てがエリザベス女王杯へエントリー
スタートからの200m以外は一度も12.5秒/Fを下回ることの無い流れを前々で競馬して今回も上位人気になる牝馬3頭が1,2,4着と大検討
唯一割って入った3着の牡馬はG1馬のグローリーヴェイズのみで、4着のレイパパレから7着のランブリングアレーまで0.2秒差と展開とコース適性次第で本番での逆転まで考えてみても良さそうな内容だった


◯クイーンS
良馬場 1.47.8
12.2-11.7-11.9-12.0-12.1-11.9-11.8-11.8-12.4

クイーンSからは勝ち馬テルツェットとマーメイドSを逃げ切ったシャムロックヒルがエントリー
こちらのレースは最初と最後の1F以外の7F全て11.7〜12.1で淡々と流れたレース
4角では最後方の真ん中に居たテルツェットが1頭分の隙間が出来た瞬間に間を割って進出
パトロールビデオを観ればいかに完璧な競馬をしたかがわかる内容だった
ここも3〜4コーナーで一気にペースアップするコース形態だけに距離さえ問題なければ再現を狙えそうな立ち位置に居る


▲ 秋華賞
良馬場 2.01.2
12.8-11.6-12.2-12.3-12.3-12.0-11.5-11.3-12.3-12.9

強いと目される3歳馬最後の一冠として4週前に開催されたものの、今年の秋華賞に関しては評価しにくいというのが正直なところ
前半61.2-後半60.0が物語るように特に速くもなく逃げたエイシンヒテンと番手追走のソダシに絶対的に有利な流れとなった
3〜4コーナーで22.8/2Fという時計でペースアップしたものの後半4Fの25.2はあまりにもかかりすぎだし、ソダシにアクシデントが無ければ圧勝していたようなレースのはず
レース上がりから0.6秒速いだけのアカイトリノムスメが差し切れたのは後ろすぎては届かなかったし、有力馬が勝手に潰れた儲け物のようなレースの内容という評価が妥当に思える
逆にレース上がりより0.8〜1.0秒速い上がりを使ったファインルージュとステラリアは展開に泣いた

アカイトリノムスメからステラリアまで0.5秒差があるので逆転は容易ではないものの、今回は秋華賞に比べて流れるのは確実視されるメンバー構成だけに人気程の差は無いようにも感じるが果たして


▲ 新潟記念
良馬場 1.58.4
12.9-10.9-11.5-12.2-12.5-12.2-11.8-11.3-11.0-12.1

前半が60.0で後半58.4というスローの流れと言えなくもないが、やや先行馬が飛ばした影響で道中息を入れて走りはしたものの前半35.3/3Fのお釣りは無かった形
1〜4着馬が道中10〜15番手の馬が独占した中で僅かな差で3着に敗れたクラヴェルがエントリー
デビューから+36kgの馬体成長と非力な面も解消されてきた印象を受けたし、0.1秒差の3着になった大きな原因は4角〜直線へのスライドしながら外に出すときの捌きに失敗したことと理由は明白
パトロールビデオを観ればそこを完璧に立ち回ったマイネルファンロンとの差は如実に出た感じで、2着のトーセンスーリヤが上手くクラヴェルの走路に立ち塞がったことも厳しくなった要因だろう
俗に言うノリさんの後方ポツンが見られそうな気もするが、この馬に限ってはその乗り方をして展開が向くかどうかで良い気もする


△ 西宮S
良馬場 1.46.1
12.9-11.7-12.0-12.1-11.8-11.4-11.1-11.3-11.8

前半が60.5後半4Fは45.6と完全な超スローで上がり勝負となった同レース
本番でこのような形はまずあり得ないし内回りと外回りの差もあるので参考にはしづらい
ただ、ジェンティルドンナの娘のジェラルディーナが抜群のキレを見せて3連勝を飾った脇役となってしまったイズジョーノキセキだがこの馬の見せた末脚もなかなかの威力だった

3着馬がオークス4着のタガノパッションということを考えても3勝クラスの上がりだけの勝負とはいえ、この馬が中途半端な位置ではなくきっちり馬の後ろで脚を溜める形さえ取れば阪神コースは内外回りに関係なく活躍できるので展開によっては穴として考えてもといったところ


△ 新潟牝馬S
稍重 2.15.3
13.1-11.6-11.4-12.3-13.2-12.7-12.8-12.5-12.3-11.6-11.8

改めてラップ構成を見ると無茶苦茶なレースであったことがわかる
7頭立ての2,3,6着馬がエントリーしてきたが休養明けから2走目となるソフトフルートにしても3走目となるムジカも決して侮れない力は見せたと思う
ウインキートス、デゼル、クラヴェルを1月の中山2200mで破っているブラックマジックに先着して新潟牝馬Sを勝利したマリアエレーナは距離を伸ばし始めて結果を出してきただけにここに出ていたらそこそこ人気していたであろうし、マリアエレーナは展開と斤量の利がかなり作用しての勝利だったことからも休み明けや復調途上の0.2秒差負けの2頭も人気を考えれば簡単には切りたくない


府中牝馬Sはトライアル的な要素としては無かったために敢えて評価はしないが、セントライト記念で全く競馬にならなかったタイトルホルダーが菊花賞を圧勝したような流れがあるとしたらデゼルの前走は何もしなかったとして判断してみるのもありか
アカイイトはほぼ勝ち馬のシャドウディーヴァと同じとこから同じようなとこを通ってダメだったことを思えば現状あれで一杯といった感じもする


[血統評価から]
単純に二代血統(例:父ディープ×母父クロフネ)のところだけでも重要なファクターにはなるので阪神2200mで複勝率の高い種牡馬を選ぶ方法でも的中には近付く
ただ、近年デビューした種牡馬の産駒に関してはデータそのものが少ないことから最も勝利数を挙げているのはディープ産駒ではあるものの出走頭数が頭抜けて多いことは忘れずに買うタイプ買わないタイプをきっちりと判断したい


1.ディープインパクト産駒の取捨
A×母父クロフネ
→2000m以上の重賞になると急激に成績が下降
内枠を引き当てて一気の逃げまでありそうなレイパパレは宝塚記念も3着しているのでナーバスになる必要は無さそうだが、個人的にはユニコーンライオンを捕まえきれなかった宝塚記念のように2000m以上で時計水準が割と速くなってある程度の相手関係も影響してくると見ている


B×母父シンボリクリスエス
→スプリンタータイプも産まれるが今までにJRAで全登録された24頭のうちアドミラブルやレトロロック、イサベルなど2200m以上の活躍馬が居る配合
ランブリングアレーの兄姉には2200m好走馬2頭と1800m好走が2頭と若干判断は難しい
兄姉以外も1800mや2200mで好走歴の多い非根幹距離対応力は出やすい血筋ではある
全登録24頭(22頭出走)で挙げた31勝内訳
1200m 1勝      1600m 2勝
1800m 15勝 2000m 6勝
2200m 5勝     2400m 2勝

前走で中山2200mはこなせなかったと見るべきかどうかが取捨のポイントか


C×母父キングカメハメハ
→俗に言う金子血統で根幹距離も非根幹距離も走れるタイプが揃っているが全44頭の登録の中でOPクラスでの活躍が主に以下の面々のみという点は非常に気になるところ

母ミスアンコール→ダービー馬ワグネリアン
母ベネンシアドール→宝塚記念2着のデニムアンドルビー
母ウィンターコスモス→2年連続で目黒記念2着のアイスバブルと2200m戦で2勝のグリュイエール
母アパパネ→秋華賞馬アカイトリノムスメ、今年の阪神開催の京都記念4着のジナンボー、ホープフルS4着のラインベック

アカイトリノムスメは2000m以上が良いという陣営の見方
全兄の2頭同様にキレるタイプではなく相手なりに走れる反面、瞬発力勝負では分が悪いのでレースセンス頼りな面はある


D×母父キングマンボ
→登録全29頭の中でOPクラス実績馬が昨年秋華賞3着からエリザベス女王杯6着で今年も出走のソフトフルートと東京新聞杯5着のトラインくらい
直仔のキンカメを挟まないことでクロスがずれる影響かマイラータイプの産駒が目立つので2200m以上の距離で好走実績を重ねてきたソフトフルートが例外的なタイプか


E×母父デインヒルダンサー
→全登録が6頭(未出走2歳除く)しか居ないので調べやすかった
5/6が勝ち上がりで優秀とは思うものの、テルツェットとサトノラディウス以外は1勝止まりで現在の成績的にテルツェットはまだわかりかねるもののサトノラディウス以外はマイルベストの模様
テルツェットは8戦6勝が1600,1800mに集中している点と唯一の大敗がG1のヴィクトリアマイルという点は気になるものの右回りの適性で距離克服なるか


F×母父ルアーブル
→全登録2頭でデゼルとオヌールの姉妹のみ
デゼルとオヌールに共通して言えることは左回りがからっきしダメで右回りで活躍しているのが救いの求めどころだろう
デゼルは東京1800mで2勝を挙げているものの、前走の府中牝馬Sでは何もすることがないまま16着に敗れたこともあり人気落ちは間違いない
オヌール 右回り2-1-0-0
デゼル 右回り2-0-1-0
で、今年1月の中山2200m戦ではウインキートスとタイム差無しの3着と距離もこなした

右回りで見直せるという方はディープ産駒で人気落ちの牝馬の激走に期待する手もありかもしれない


2.注目血統
ゴールドシップ産駒
→2200m 2-0-1-2 ※2020年以降
該当はウインキートス
言わずと知れたステイゴールド×メジロマックイーンの究極形
オルフェーヴル産駒のラッキーライラックが昨年の勝ち馬ということで二代血統背景が同じゴルシ産駒が新たに阪神2200mを庭とすることができるか注目したい

中山コース並びに2200mでの安定感は群を抜いて高く枠の内外に関係なく走れるのも魅力だろう
オールカマーはウインマリリンの後ろの内目で出るに出られず勢いに乗った時には勝ち馬に並ぶのはとても無理な状況の中でグローリーヴェイズを交わしての2着は悲観する必要も無さそう


キズナ産駒
A×母父モチベーター
→ステラリアの他に例が居ない
母父モチベーターを持っている活躍馬自体がメーヴェを母に持つドゥラメンテ産駒のタイトルホルダー、オルフェーヴル産駒のメロディレーンとディープ産駒のヴァンドギャルドくらいしか居ないために日本での適性判断をするにはまだまだデータ不足といったところ
日本で出走した11頭のうち8頭が1200〜1600mにおける出走が多く、地方に活路を求めて1400ダートを走っている馬も含めて母系そのものはスプリント寄りかもしれない
タイトルホルダーとメロディーレーンに関しては母メーヴェ自身がステイヤーとして活躍した馬だったので、良い言い方をするならば父系の良さを取り込みやすい血と言えるかも

サンデー系の血が入ることで短距離志向が強くなる可能性もあるがステラリア自身は忘れな草賞を勝利してオークス、秋華賞にも出走していることから特に問題は無さそう


B×母父タピット
→シャムロックヒルが該当
他は地方馬のグリュエールのみとこちらもサンプル数が絶対的に少ない
シャムロックヒル自身は阪神2000,2200mの内回りと札幌2000mでの2勝ということで距離は問題ないが如何にも力不足な印象

最内に強烈な馬も居るので持ち時計からも好走するための何かは足りない感じか


C×母父シンボリクリスエス
→ アカイイトが該当
JRA勝利経験はアカイイトの他は今年のNHKマイル2着で富士Sを勝利した1400〜1600mで勝利経験のあるソングラインと1200m2勝のロジーナのみ
アカイイトは3歳1勝クラスで京都2200mで2着があり、2000mで二度勝利してはいるもののOPクラスで際立った輝きはまだ発揮できていない

馬格があるので斤量負けに関してはそこまで気にする必要は無く、確実に毎回上がり1〜4位で駆け上がってくるがここは他にも強烈な決め手を秘める馬が何頭もいる
後ろで気楽に乗って直線バテた馬を1頭ずつ交わしていくような形となりそう


※総じてキズナ産駒にキレ味というものを秘める馬が少なく、魅力を感じるのはステラリア一択といった形になりそう


エピファネイア産駒
→ 2200m 0-1-0-10 ※2020年以降
クラヴェル、イズジョーノキセキ、ムジカの三頭が出走

A×母父キングカメハメハ
→クラヴェルとイズジョーノキセキが該当
イズジョーノキセキは阪神2000mの適性がそこそこあったかといった形で2200mは未知の距離で母がマイルがベストのタイプだったので、非根幹距離が向くとしても1800mのタイプの可能性はある
4月の京橋Sではアカイイトより速い上がりで上の着順に来ていることからも、アカイイトを買うのであればこの馬が買えない理由は無くなるか

クラヴェルは母系にとっては悲願のG1悲願のエリザベス女王杯制覇を狙いたい
祖母 ディアデラノビア 3着
母 ディアデラマドレ 3着
と、エリザベス女王杯であと一歩のところで苦杯を舐めた血統
宝塚記念でも0.3秒差の6着に入った母やオークスやVMでも3着だった祖母のことを考えれば距離がこなせないことは無さそうだし、母も祖母もちょっと変わった距離で活躍馬を出す傾向にあるので、3歳秋に菊花賞を4歳秋にジャパンカップを強い競馬で勝ち切った父の血が騒げばといったところ
424kgでデビューした馬が今年初めには馬体を減らして432kgまで落ちた後に前走で460kgまで成長していることからも今が充実期と見て信頼する手はありか


B×母父ディープインパクト
→ムジカが該当
2200mのAJCCの勝ち馬で菊花賞でコントレイルを追い詰めたアリストテレス
9ヶ月の休養明けで2200mのセントライト記念3着→菊花賞2着のオーソクレース
2200mの2勝クラス勝ち→菊花賞3着に大健闘した牝馬のディヴァインラヴ
2400m→2500mを3連勝中のベデサンジュ
函館と札幌の2600mを連勝したビーマイオーシャンのように距離を伸ばすことで結果を出した馬が多い配合にあたる

ムジカは未勝利脱出に8戦かかった相手なりのタイプで3歳の5月に未勝利脱出→ローズS2着で10月には秋華賞まで駒を進めた
結局は勝利は未勝利で挙げた1勝のみだが、使われつつ状態を上げてきており2200mの新潟牝馬Sで上がり最速の3着と距離に問題がないことも示した
陣営が使い込まれてこそのタイプというだけに更なる進境を見せないことには急激に強くなる相手関係がどうか


スクリーンヒーロー産駒
→ 2200m 0-1-1-4 ※2020〜
絶対数は少ないものの2017年のゴールドアクターが宝塚記念2着もあり、ウインマリリンも昨年4着で適性はあると言えるだろう
出走数が少ない理由としては産駒にスプリンターやマイラーの方が活躍馬が多いことに起因する
モーリスを輩出したことが評価されて毎年リーディングサイヤーの20位以内に入ってきているし、ゴールドアクター以来のG1勝利をウインマリリンが挙げることができるか注目


3.阪神2200mに強い血統
→欧州血統の中でもヌレイエフとサドラーズウェルズの血脈には要注意

昨年の阪神エリザベス女王杯
1着 ラッキーライラック
→サドラーズウェルズ(5代)
3着 ラヴズオンリーユー
→ヌレイエフ(4代) ※3代母のミエスクはキングマンボの母

昨年の結果だけではそういうこともあるか程度にスルー案件になるが、阪神2200mの大レースとして挙げられる宝塚記念になるとこの血脈は大いに有用であることがわかる

2021 
1着 クロノジェネシス
→ 3代父系にヌレイエフ
2着 ユニコーンライオン
→ 3代母系にサドラーズウェルズ

2020 
1着 クロノジェネシス
2着 キセキ
→ 5代父系にヌレイエフ
3着 モズベッロ
→ 5代父系にヌレイエフ
4着 サートゥルナーリア
→ 4父ヌレイエフ×3母サドラーズウェルズ
※この年はいずれかの血脈持ちがとにかく多かった

2019 
1着 リスグラシュー
→ 4代母系にサドラーズウェルズ
2着 キセキ

2018 
1着 ミッキーロケット
→ 4父ヌレイエフ×4母ヌレイエフ
2着 ワーザー
→ 3父サドラーズウェルズ×4母ヌレイエフ
3着 ノーブルマーズ
→ 3父ヌレイエフ
4着 ヴィブロス
→ 3母ヌレイエフ

2017 
3着 ミッキークイーン
→4母ヌレイエフ

2016 
1着 マリアライト
→4父サドラーズウェルズ×5母ヌレイエフ
2着 ドゥラメンテ
→4父ヌレイエフ

2015
1着 ラブリーデイ
→4父ヌレイエフ
2着 デニムアンドルビー
→3母ヌレイエフ×5母ヌレイエフ

2014
3着 ヴィルシーナ
→3母ヌレイエフ

2013
該当無し

2012
2着 ルーラーシップ
→4父ヌレイエフ

2013〜2014覇者のゴールドシップ
2012覇者のオルフェーヴル
ステイゴールド×メジロマックイーンの黄金配合の例外2頭を除けば17/30にヌレイエフかサドラーズウェルズの血が入っておりスピードの持続性に富んだパワー溢れる面々が名を連ねる


ディープ産駒でヌレイエフ持ちでなかった馬の好走例はレイパパレ、ショウナンパンドラ、ダノンバラード、ジェンティルドンナの4頭だが勝つまでには至らない

今年の出走馬で距離の裏付けがあるディープ産駒→紐付け、ヌレイエフ持ちorサドラーズウェルズ持ちで且つG1好走歴/重賞勝利歴あり→頭から狙う考え方か


☆既にG1好走歴/重賞勝利歴のあるサドラーズウェルズ持ち☆

2.クラヴェル
→5母ヌレイエフ×4父サドラーズウェルズ

6.ランブリングアレー
→4母サドラーズウェルズ

7.シャムロックヒル
→4母サドラーズウェルズ


☆ヌレイエフ持ち

2.クラヴェル
→5母ヌレイエフ×4父サドラーズウェルズ

3.アカイトリノムスメ
→5母ヌレイエフ

4.イズジョーノキセキ
→5母ヌレイエフ×4父サドラーズウェルズ

8.テルツェット
→5母ヌレイエフ

11.ソフトフルート
→4母ヌレイエフ

17.コトブキテティス
→5母ヌレイエフ

ヌレイエフ持ちは6頭で上位人気はアカイトリノムスメだけ
下位人気にも狙える馬がいるかもしれない


[調教内容から考える]
× ウインマリリン
オールカマー翌週に右肘の関節が腫れる持病の再発で熱発で横山武史をしてきっぱりと言って状態が悪いとのこと
1週前追い切りの時点では出走回避すると思った程に内容も時計も良くなく状態は言葉通りに悪そう
今週の追い切りも動きそのものは持ち直したがおしまいだけサッと流した程度
昨年の秋華賞で弱気のコメントで全く走らなかった過去があるので前走から落ちる状態をどう見るか

△ デゼル
マカヒキが攻め駆けしすぎるとはいえ、馬なりのマカヒキを先行して一杯に追って併入は馬の状態そのものは果たしてどうなんだろう?といったところ
先週はCWで長めを一杯に追っているので、レース当週でもまだ負荷をかけ続けている内容的に狙いは次走のような気もする
左回りより右回り、関東輸送より関西圏の方が競馬は走れていることを考えれば人気的にはかなり美味しい存在に映る

◯ レイパパレ
調教で行きたがる面は解消されてコントロールはしっかりできるようになっている
ルメールが乗ってグイグイ押された割に坂路でマークした時計がそこまで目立つものではないが、1年ぶりに跨ったルメールも好感触を得た模様
今までトライしてこれなかった3,4番手からの競馬を目指しそうだがこれが良い方に出るかどうか

◯ ウインキートス
2週続けて6F追いでさらに上昇しているイメージは伝わった
必要以上に追わなかったのは遠征も加味してのことだと思うし、鞍上の指示に従って乗れていた点も好印象

◎ ステラリア
2週続けて馬なりで回ってきたのが嘘のような時計をCWで出しており特に後半4Fは一杯に追ったような数字
追い切りが動きすぎるのかもしれないが、末に向けて馬も理解してるかのようにスッと伸びているのも非常に好印象
上積みという点ではこの馬が一番かも

◎ アカイトリノムスメ
正直、秋華賞がメイチの仕上げではないと感じていたので短期間で2度の関西輸送も含めて馬の出来に大きな上積みがあるか疑問だった
2週続けての馬なり調整なのはその辺りを加味してのことだと思うが、VTRを見る限りは胸の辺りのボリュームも出て前走よりもパワーが活かせそうな身体つきに映ったので明確に上積みはありそう
あとは強い3歳世代の代表例として古馬G1でどのような走りをするか

◯ クラヴェル
一週前に坂路で負荷をかけて当週はCWで馬なりで併せる形
かなり先を行かせた併せ馬のホウオウバニラが昨日の新馬戦で良い勝ち方をしたが、この馬をターゲットに見立てて無理せず気合いを入れる為に並ばせた
今年6戦しているので大幅な上積みはどうか?と思っていたものの、特に大きな疲れもなく馬体の成長が顕著なのが好材料

◯ シャムロックヒル
一週前にビシビシ攻めて好時計マーク
最終追いの前にも日曜に調教されているので当週はサッと流した
追い切り時計だけを見れば馬券的にも面白い存在にしてくれそうではあるが、これだけやらないといけない理由があったのかと勘繰りたくなる部分もある


[レース展開]
各先行馬のコメント

ロザムール
→上原調教師は前に行ってこそ

シャムロックヒル
→佐々木調教師はロザムールが出していくなら2番手OK

レイパパレ
→ルメールも願わくば3,4番手で競馬したい

リュヌルージュ
→四位調教師は前を取りたい

アカイトリノムスメ
→戸崎はレイパパレを見ながらついていく

恐らくは無理してでもロザムールが先手主張、レイパパレは最内に入っことを活かすにはハナか番手外で外から絡まれない形にしたいので、蓋をされる前に3番手あたりを離す逃げ追走か
3,4番手インで全く囲まれないという形が取れればそれに越したことはない感じ
アカイトリノムスメとウインマリリンがレイパパレを見ながらレースを進める形もウインマリリンが最内まで入るとすると5,6番手あたりになりそうで外側には外で問題なく走れるウインキートスか
3〜4コーナーから一気のペースアップでレイパパレを直線入り口ではアカイトリノムスメ、ウインマリリン、ウインキートスが襲いかかるところへ後ろで脚を溜めきった馬が何頭台頭してこられるか?というイメージで臨みたい


[注目馬]
1.レイパパレ 4歳 56kg
ルメール 1人気
2000mから200m伸びて56kgを背負った宝塚記念、オールカマーとパフォーマンスを落としている点が気になる
ディープ×クロフネはどうしても距離の限界があるかもしれないし、外伸び馬場で先手主張も無さそうであれば枠が仇になりそうな気も
レイちゃんのぱぱとしてはずっと買っていくと決めた馬ではあるが本命には推しづらい

2.クラヴェル 4歳 56kg
横山典 9人気
常に軽ハンデで走ってきたので56kgの負担重量は不安になるものな、どこかでしっかりと勝ちを拾えていればここまで低評価になることも無かったはず
4角ほぼシンガリから唯一上がってきたマーメイドSのような末脚には期待してみたいし、毎週のように親子参観と揶揄されているが後方から息子を差し切る場面まで考えておきたい

3.アカイトリノムスメ 3歳 54kg
戸崎圭 2人気
秋華賞をさほど評価していないので危険な程に人気しているとも思えるが、斤量の恩恵と高いレースセンスで先団をみながらいつでも動ける位置にいるというのは魅力的
ディープ×キンカメ(ヌレイエフ持ち)というデニムアンドルビーに通ずる血を活かして長く脚を使っての1着も十分あり得る
中3週で関西圏への再度の輸送となるが見た目にはむしろ良くなった印象なので輸送さえ問題なくクリアできていれば
距離の融通は母アパパネよりも長い距離にありそうだし母が果たせなかった悲願を達成するか

4.イズジョーノキセキ 4歳 56kg
和田竜 13人気
まだこの馬自身が条件馬なので色々と上手くクリアしていく必要はあるが3歳の忘れな草賞ではウインマリリンから0.2秒差で、京橋Sでもアカイイトやソフトフルートよりも速い脚を駆使して先着と侮れないところはある
展開の助けがありつつ長く脚が使えればこの馬でも十分に狙う算段は立つ

5.ステラリア 3歳 54kg
松山弘 7人気
距離を伸ばし出して末を伸ばす形で結果を出してきたし、今年の忘れな草賞の内容が非常に良かったことから本番のオークスでも期待した馬
残念ながらコントロールが利かず先行大敗の形にはなったが、秋華賞はあまりにも不向きな展開の中で上がり自体は2位のタイムで6着
もう少し展開が合えば面白そう

6.ランブリングアレー 5歳 56kg
吉田隼 6人気
もともと前付けするタイプで脚質転換が良い方に出て今年の成績に繋がっているか
叩き2走目での前進に期待とキレを活かすのかパワーを活かすのか位置取り次第になりそう

7.シャムロックヒル 4歳 56kg
団野大 12人気
4-0-0-12と極端なタイプ
マーメイドSは藤懸が見事に乗った形だが当時と違って相手も同型も揃ったここでは楽な競馬は望み薄
阪神2200mで勝利を挙げている点は良い

8.テルツェット 4歳 56kg
デムーロ 5人気
敢えて後ろに下げなくても競馬できるとは調教師談だが、距離に見通しが立っているわけではないので控えて末を伸ばす形でどこまで来れるのかを見ておいた方が個人的には良いと思う
同じクラブのサラキアは苦労した先にエリザベス女王杯2着→有馬記念2着でラストランとなったので、割と順調に進んできたこの馬に当て嵌めるのはどうかと思うが、右回りの末のキレなら全く引けを取らないだけにどこまで追い込めるか注目したい
心配なのは420〜430kg台と小柄な馬の斤量面になりそう

9.ウインマリリン 4歳 56kg
横山武 3人気
昨年は先行馬で唯一踏ん張って4着
オークス2着もそんな内容だっただけにある程度位置を取って抜け出す形が理想
前走から状態キープであれば間違いなく本命にしていただけに中間の患部の熱発で治療しながらの調整になったことは残念
抜けて強い馬であれば気にしないものの、G1はあと少しで手が届かないタイプの馬だけにこういった要素は大きく響きそうな気がする
騎手は3週連続G1制覇がかかるが、そう上手くいくかどうか

10.ムジカ 4歳 56kg
秋山真 15人気
相手なりのタイプでこの人気は美味しく映るものの条件戦でも大敗するようなところがあるのは不満
いくら相手なりと言っても控えても中途半端になるので差を詰めてきて掲示板の1番下くらいならといったところか

11.ソフトフルート 4歳 56kg
岩田望 11人気
この騎手が手綱を取ってからは1-1-0-0で競馬の内容が他の騎手と違って後ろから脚をためて乗る形で進境を見せたことは一定の評価ができそう
ディープ×母父キングマンボはゴドルフィンがこだわっている割に目覚ましい活躍馬が居ないのは気がかりだが、ヌレイエフの血が騒ぐことに少し期待してみても良いかもしれない

12.デゼル 4歳 56kg
武豊 8人気
G1では今のところ全く良いとこ無しだが川田とのコンタクトが悪かったような気もするし、右回りと関西圏の今回が全くダメであれば諦めもつくといったところか
フランス1000ギニー,オークスを勝利した母アヴニールセルタンはバリバリの欧州血統で本来はスピードよりも古めかしいステイヤータイプが出る血統背景もあるだけに、パワーと持続力を発揮できれば今回の舞台でこそ輝いてもという気はする

13.リュヌルージュ 6歳 56kg
富田暁 17人気
ここで何かできるならもっと前にできているはず

14.ロザムール 5歳 56kg
池添謙 14人気
阪神2200mのスペシャリスト池添を背に大金星を狙って逃げ粘る
この一年は1回走るごとに好走と凡走を繰り返すので順番的には好走の番ではあるが、ノープレッシャーで行けるほど甘い相手では無さそう

15.ウインキートス 4歳 56kg
丹内祐 4人気
父ゴールドシップの血に期待するならこの馬
包まれない方が味が出るので外枠も問題にはしないし、阪神2200mの方が中山2200mより合うとしたら相当強いパフォーマンスを発揮してもというところ
早い段階からこのレースを目標に休養に入っていたので、全く状態が良くなかった札幌記念が余計な1戦だったと判断するか叩き台として2戦あって良かったとなるのか結果に注目したい

16.アカイイト 4歳 56kg
府中牝馬Sを振り返る上でシャドウディーヴァとの比較で劣ることは説明したが、阪神コースで終いだけ追えばなんとかなりそうな気はしないでもない
枠にはあまり恵まれなかった印象

17.コトブキテティス 4歳 56kg
東京2400mがこなせるのでスタミナ面での不安はなさそうだが重賞レベルに上がるとサッパリだっただけにヌレイエフの血が入ってるとは言え強気にはなれない


[予想]
レース展開次第で8頭ほどに勝利のチャンスが生まれそうで人気薄でも決して侮れない馬はいるというのが率直な印象

今の馬場傾向的にも前で踏ん張るタイプの馬にも重い印は打ちにくい

人気どころでは常に不安が付き纏うレイパパレ、今回調子落ちのウインマリリンに重い印を投下することは避けることとした

3歳世代が強いと言っても牡牝混合の中距離戦線ではまだこれといった牝馬が出ていない点も気にはなるが実力を発揮した時のソダシは実際に札幌記念を勝利していることからも3歳世代は全体的に強いという見方は引き続き持っておきたい


◎   12 デゼル
◯    3 アカイトリノムスメ
▲     5 ステラリア
△△ 15 ウインキートス
△      2 クラヴェル

3着候補
1 レイパパレ
6 ランブリングアレー
8 テルツェット
9 ウインマリリン

普通に考えればアカイトリノムスメかウイン2頭の本命候補になるものの、意外性ある一発が狙えるデゼルは信用度は低いもののこの人気になれば気楽に乗れる怖い一頭になりそうで買い目が増えてでも絡む馬券を抑えておきたい

3,12→2,3,5,12,15→2,3,5,12,15  24点本線
3,12→2,3,5,12,15→1,6,8,9  32点抑え


資金に余裕があるなら
配当がつくところを3連複にして人気馬を上位に買う評価にするのも良いだろう


朝には投稿できる予定だったが文字数を見て我ながら引くボリュームにしてしまった

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