第60回 六甲盃の予想
コース幅が20mほどで2コーナー出口と4コーナー出口がスパイラルカーブのため超小回り設定のコーナー実に8回(スパイラル出口を4度)をクリアする必要がある(大井2600は6回)
大柄な馬の外目の追走は明確にマイナスだが1400m戦に比べれば追走そのものが緩いので迷った時に評価の上げ下げの材料にする程度でOK
いかに馬場の内側に位置取るかが勝負の鍵となるので外枠各馬はいかに意中のポジションを取りきるかが最初の試練となる
園田11R
ダート2400m 右回り
17:55発走
兵庫の絶対王者ジンギに対するは昨年覇者トーセンブルをはじめとした強力南関東勢
2019年には3,6月と2度開催されて年度が変わった6月からはこれまでの東海・北陸との交流から全国交流となり南関所属馬が参戦するようになった
2020からは700万円の優勝賞金となり南関のOPレースよりも高い設定の賞金体系になったことで、近走一息でももともと地力の高い馬が参戦するようになり、2020年は川崎の牝馬アッキーが2021年は船橋のトーセンブルが制覇
今年は更に賞金も増額されたことで昨年より更に強いメンバーが参戦してきただけに南関馬の連勝に地元馬が待ったをかけるか注目したい
コース設定
スターさト地点は1400m地点からやや手前
最初の直線が400m弱あるので割と隊列はすんなり決まり長距離戦だけにスタート直後のハナ主張以外はしごいて行くような形にはなりにくく、ほぼペースはスロー濃厚
6/1はかなり前有利の馬場
差・追タイプは3コーナーで3番手くらいに押し上げていないとゴール前の200mの直線では届かない
現状の馬場継続なら4角1〜4番手は必須
データ分析(過去9年で10回分)
A.人気傾向
1番人気 2-5-1-2
2番人気 2-1-2-5
3番人気 1-2-3-4
4番人気 1-0-1-8
5番人気 4-1-0-5
6番人気 0-1-1-8
7番人気 0-0-0-10
8番人気 0-0-1-9
9番人気 0-0-0-10
10番人気 0-0-1-9
1〜3番人気馬の50〜80%の複勝率で人気戦だが、伏兵的ポジションの5番人気馬の成績が上々で下剋上が目立つ
8,10番人気で2012,2014の3連単20万オーバーの配当を演出したのは当時100勝するかしないかで重賞ではまだまだ厩舎の3番手に乗ることの多かった吉村が挙げたもので共に差・追タイプのブルースイショウとストライビング
3連単は7回が万馬券で3回が1000〜2000円台と波乱含みではあるがガチガチか紐荒れ、頭荒れはそれなりに起こる
特に適性外の距離へチャレンジした人気上位馬の凡走や他地区のステイヤーが好走するパターンによって兵庫の上位人気馬が苦戦する傾向は一考の必要あり
B.騎手的な要素
下原 4勝(2,3着1回ずつ)
田中 1勝(2着が3回と3着が1回)
杉浦 1勝
吉村 0勝(3着が3回)
大山真 0勝(3着が1回)
それ以外は中田,永島(※),丸野(愛),大畑(愛)が1勝ずつで兵庫所属騎手では菊水賞男の下原が六甲盃男ぶりも遺憾無く発揮している
C.枠順傾向
1番 3-1-1-5
2番 0-2-2-6
3番 1-1-0-8
4番 2-0-1-7
5番 0-0-1-9
6番 1-1-4-4
7番 0-1-0-9
8番 1-0-0-9
9番 0-0-0-10
10番 0-1-1-8
11番 1-1-0-7
12番 1-2-0-5
D.脚質別成績
逃げ 2-2-2-4
番手 1-2-1-6
3番手 2-1-0-7
4番手 1-1-1-7
5番手 2-2-1-5
6番手 0-1-2-7
7番手 0-1-0-9
8番手 0-0-2-8
9番手 1-0-1-8
10番手 0-0-0-10
11番手 1-0-0-7
C.Dから内枠と前に行けるタイプの好走が目立つが2周目のスタンド前で動くようなレースになれば5番手以下につけていた馬の躍進もある
現在の園田馬場だと勝負は向正面で2周目3コーナーまでにおおよその勝負はつくはずだが、昨年の1〜4着馬が揃い踏みで更にそこに加わった強力な馬たちがレースを更に動かす可能性は高い
各馬について
1.アワジノサクラ 牡6 大柿 [北はは野]
兵庫デビューから叩き上げでOP馬まで登り詰めただけに隠れファンは多い
初年度産駒のこの馬以降はスプリンターからマイラーが続く母×父メイショウサムソンも産駒としての重賞ウィナーは軒並み1800〜2000mと距離が向くかどうかは半信半疑も姫路2000mと佐賀2000mは0-2-2-0と長い距離が向く可能性は一考の価値あり
半弟にJBC2歳優駿や北海優駿を含む重賞5勝のラッキードリームがいる血統なので血の魅力も十分
前走から更に相手が上がる面は明確にマイナス
2.マンガン 牡5 大山真 [田島(川崎)]
名前を見るたびにエメリミットが勝利した東京ダービーでこの馬が3着なら的中だった嫌なイメージがいつまでも残る馬(個人的な事情)
東京ダービー2着以降は2600mの金盃で昨年の六甲盃の覇者となるトーセンブルに-1.9秒差、サウンドトゥルーに-2.0秒の大楽勝で2400m東京記念は大外16番枠と6ヶ月半ぶりの実戦という面が重なってフレッチャビアンカから0.7秒差の7着と敗れはしたが長距離適性の高さは示している
アイルハヴアナザー×母父アグネスタキオン配合は代表的な馬はオメガレインボー、ウタマロあたりになるので3代まで遡ってアメリカ系ダート牝馬(シーキングかミスプロあたり)の血が入れば距離もこなせるということかもしれない
これまでも順調さに欠くとドカ負けする傾向があるだけに6ヶ月ぶりの実戦が長距離戦となるのはかなり不安ではあるものの、とにかく状態面ができていれば好勝負必至
☆2012年に北野の落馬負傷による直前の乗り替わりでパーフェクトランにテン乗りでこのレースを制覇してから10年、願ってもないビッグチャンスがやってきた
3.ホーリーブレイズ 牡8 下原[福永(大井)]
持ち時計2.41.4 良(3着)
昨年はじわっと逃げ主張から他馬に絡まれることなく大逃げの展開でジンギには向正面から追われたが4コーナー過ぎも先頭を譲らなかった
直線ではさすがに脚が上がったが3着には残り簡単に止まらなかったことでラストにトーセンブルの逆転劇を演出した立役者となった
昨年は大井から真島が乗りに来ての結果だったが、今年は名古屋グランプリで4着に入ったコンビの過去10回中4勝の下原を確保して六甲盃に挑む体制としては万全と言えそう
笠松のオグリキャップ記念ではこの馬らしさが全く出なかったのは気がかりだが名古屋グランプリでは3着ダンビュライトとは0.1秒差であわやのシーンもあり、園田コースでインでの立ち回りが抜群の下原だけにハナにこだわらずジンギをマークする形での巻き返しを期す
475kg前後まで馬体は落とせていれば◯
4.エイシンダンシャク 牡5 大山龍[坂本]
B1クラスの卒業に1年を要したが昨年10月から大山龍とのコンビ3-2-1-4で掲示板外は一度もなし
重賞ではさすがに力は足りないと思われた前走の兵庫大賞典ではデッドヒートを繰り広げた1,2着馬の後ろでエイシンニシパと3着争いでデッドヒートを演じた
ゴール板前と後はこちらの鼻先が出ていたので実に惜しい騎乗だったし吉村相手に全く引く所のない強心臓ぶりも魅力で、ここもそれなりに前目の位置から道中息を入れながら他の争いを無視して自分のペースで回ってきたら想像以上の好走はあってももう驚かない
母父ラーイに関しては活躍馬はトキオパーフェクトやフライングアップルなど1200ベストの馬ばかりで、種牡馬引退したダノンシャンティにしても代表産駒は最終的に短距離志向が強くなったスマートオーディンや短距離ダートのサイタスリーレッドなので距離が向くとは思えないが・・
5.タイサイ 牡6 石崎[福永(大井)]
前走ブリリアントカップでは全く良いところがなかったが、距離に関しては2600m金盃は0.7秒差の7着で昨年末には大井2000〜船橋2200mで連勝しているように噛み合えばまずまずやれそう
昨年8月まで在籍したJRA時も3勝クラスは勝ち上がってオープンで頭打ちとはなったが仁川S4着など実績面での裏付けもある
枠的に揉まれ込む恐れもあるが好位ポジションから自分のペースで走れれば好走は可能
大井からの二頭出しも気になるところ
6.ジンギ 牡6 田中[橋本]
持ち時計 2.40.7 良(2着)
昨年あとわずかなところで勝利を逃したリベンジとして帝王賞ではなく地元のこちらに出走で臨戦過程も昨年の流れを踏襲してきた
3歳時は1700mでもやや長い印象だったが年齢を重ねるごとに距離の融通性が出て昨年は2着とこの距離でも走れることを証明した
名古屋大賞典は強力メンバー相手に逃げて3着に踏ん張る健闘を見せて兵庫大賞典はシェダルと徹底的なマッチレースを制したここ2戦が激戦続きで3戦しかしていないとはいえ夏の暑さに強い馬でもないので疲労は少し心配
とは言え年6回しか使わないし今年まだ4戦目で追い切りも手応えで苦しくなるエイシンニシパを置き去りにする抜群の動きを見せており調子は更に上がった可能性もある
西脇トレセンは時計がかなり出やすくなっている馬場とのことで時計はやれば出るといったところだそうだが、先週末に日本で1番大きなレースで調教でとんでもない時計を出した馬が4着に沈んだ時と同じように長めの距離のレースの追い切りで必ずしも速い時計が良いかどうかは評価が分かれるところだろう
徹底的に逃げを主張する馬がいなければ自らペースをコントロールする競馬を続けているだけにこの馬のハナ主張が濃厚
敢然とコントロールすればこの馬を負かすのは今回のメンバーでも至難の業だろうから、根っこの部分の距離適性の不安さえ出なければ圧勝のシーンすらあって良い
7.タガノラガッツォ 牡8 廣瀬[碇]
一度だけ挑んだ1700mの大差しんがり負けを見ても1230mベストのこの馬の2400m挑戦は正直びっくりした
風のシルフィードでベテランの吉原が天皇賞でマイルの馬でマイルレースを2回するという無茶苦茶な描写があった(しかも3着に入るという)がそれを思い出させるような挑戦である
いきなり開花する可能性が無いとは言い切らないがことを運ぶには段階があると思う
8.エイシンニシパ 牡9 吉村[橋本]
持ち時計 2.40.7 稍重(6着) 0-0-0-4
園田競馬における古馬中距離戦線で馬券内に入ったことが唯一ないのがこのレースで1番着差の少なかったレースで0.7秒差の6着と陣営も2000mを超える距離は適性外にあることは明言している
前走の兵庫大賞典でも一時と比べてかなりズブさが目立つようになったので距離そのものは問題ないかもしれないが、緩むペースから一気のスピードアップはズブさの出てきた馬にとってはより厳しい条件になる懸念は大きい
同厩のジンギが逃げの展開なら余計なことはしないと思うが、ジンギが番手競馬の場合にはどこかで思いきった押し上げをしてレースに紛れを起こす可能性はある
とは言え過去のこのレースの実績から人気薄になるようであれば兵庫で最多重賞勝利記録を更新中のこの馬は美味しい配当の使者になる可能性に賭けてみてもといったところか
9.トーセンブル 牡7 杉浦[山中(船橋)]
持ち時計 2.40.6(1着)
昨年覇者として連覇に挑むが昨年のようにうまくいくかどうかポイントは大きく2点
まず4番枠から最内の5番手を取り脚を溜めてジンギだけを見ながら競馬して直線ジンギの外に被せて差し切るという下原のベストパフォーマンスが凝縮された内容だったので、下原→杉浦への騎手がまずポイントだがノブタイザンで追込による勝利を挙げているのでコース取りはともかく位置取りについての心配はそこまでしなくて良さそう
前走のオグリキャップ記念はホーリーブレイズの自滅と相手の弱さに助けられたのも事実だが、なによりも岡部の3コーナーでの進路取りの好判断が光ったレースなので騎手の手腕が試されるタイプの馬と言えるかもしれない
もう一つの不安は中5週で2400m級レースを輸送競馬で使う点で普通に考えれば上積みは見込みにくいが、過去このパターンは5回も経験しており仕上げ方は熟知しているはず
ただ、昨年の六甲盃の輸送競馬の後は得意の長距離戦でもピリッとしなかったので少なからず連続の輸送競馬に対しての不安は考えておきたい
10.メイプルブラザー 牡8 永井[大山]
もともと長い距離が得意で血統的にも母父カコイーシーズは種牡馬の特徴を反映してスタミナや荒れ馬場の適性を付与するようなイメージ
ウィンマイティー(×ゴールドシップ)
ナカヤマナイト(×ステイゴールド)
などの小回り2200〜2500の活躍馬や
サブノジュニア(×サウスヴィグラス)
キタサンサジン(×サウスヴィグラス)
などのダート短距離でキレを活かす馬や
テイエムエース(×テイエムオペラオー)
タマモグレアー(×ジェニュイン)
のようなハードル巧者までを輩出
カネヒキリ産駒であれば長距離対応は可能で実際に東京2100mでは1-1-1-5と勝利経験もある
地方では川崎記念が最長距離経験となるが純粋な長距離戦としては初めての経験となるので前目でバテない強みを活かしたい
ポテンシャルは高いものがあるし一時よりも復調気配はあるだけに笠松への移籍などせずに可能であれば昨年挑めていればという思いはある
11.エメリミット 牡5 山口[林(船橋)]
この馬がこの枠に入って陣営は嫌かもしれないが他の陣営からしたらもっと嫌だったかもしれない
園田の外はスタートを決めれば行き脚はつけやすいのでベストはハナだがホーリーブレイズかジンギが行けば番手インを取り切る形で溜めを作って前有利の展開は作れそう
東京記念の2着もインで溜めてのものだったので逃げるよりは好位か番手インで前の争いに乗じた競馬かもしれないが枠が枠だけに出していく形の方が良いと個人的には思う
近走成績は極めて平凡になってきているものの2年続けて6月に状態を上げている点も魅力でそこまでの人気になりそうにもないことから積極的に狙う手はありか
レース展開
⑥ ③ ④ ② ⑦
⑪ ⑤ ⑧ ⑨ ①
⑩
この形かエメリミットが前に出る形の隊列を予想
最初の30〜40m以降は徐々に緩むので大きく隊列が変わるとしたら2周目スタンド前から2コーナーにかけて勝負を仕掛ける馬がいた場合のみか
道中どこかでインに入れてしっかりと我慢できた馬が好走すると思うのでエメリミットはハナか番手イン以外なら沈みそう
マンガンはここまでの小回りだと戸惑う可能性もあるが押し上げてペースを上げて圧勝した金盃の例もあるので半年ぶりでもレースに紛れを生むならこの馬か
いずれにしてもジンギをめぐる攻防になるのは間違いなく南関東馬のどれが勝負を挑むかという構図になるだろう
穴としての期待は昨年3着で名古屋GP4着コンビのホーリーブレイズと園田勢からアワジノサクラ
予想と買い目
◎ ⑥ ジンギ
◯ ⑪ エメリミット
△ ③ ホーリーブレイズ
△ ⑨ トーセンブル
☆ ② マンガン
穴 ① アワジノサクラ
⑥→②③⑨⑪→②③⑨⑪
②⑪→⑥→②③⑨⑪
②⑪→②③⑨⑪→⑥
24点
①を入れ込むかどうかは展開の読み次第
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