楠賞の予想 2021版と11/2の他のレースの注目馬
11/2 園田11R
1400m 右回り
16:00発走
JRA馬が参戦しない地方全国交流競走としては1着賞金2,000万円でダービーグランプリと同額(総賞金は楠賞の方が上)で南関東の重賞レベルに設定された
今年は地元兵庫4頭に加えて南関東から3頭と高知・愛知から各1頭の9頭立て
やや寂しい頭数の気もするが各地から韋駄天が集結したことで短距離版ダービーグランプリと言って良いレベルの見応えあるレースになりそうである
[レースの注目ポイント]
楠賞が復活した2018年以降の3年は門別2勝と南関東1勝で地元馬は3→2→3着
馬券絡みはしているものの劣勢を強いられてきただけに今年こそ地元馬の奮起に期待したい
純粋なスプリンターを含めて今年は過去三年と比べても速い馬が揃った印象でスタートからのポジション争いは熾烈を極めそう
逃げ・先行タイプの出方次第で決勝線手前では怒涛の追い上げが見られるかも
9頭立てだが展開次第で7頭に馬券絡みのチャンスがありそうな一戦と見ているので、それぞれのキャラクターを分析して検討していきたい
今回の出走メンバー中3頭が出走していた秋の鞍(名古屋)ではトミケンシャイリが見事な逃げを決めて快勝したが、そこに南関勢と園田の快速馬を加えた位置取り等も変わってくるので前走の結果だけを鵜呑みにするのは危険だろう
[各馬の特徴]
1.マルカフォルトゥナ 牝 長尾翼
逃げか番手インがベストではあるが1400mでもやや長く1230mの方が良いタイプ
C1レベルで足踏みしている現状では相手なりの面があるとは言えども余りにも上位勢と比べてスピードの絶対値で劣勢か
新人・長尾は重賞初騎乗のチャンスを貰えたことを経験にしてほしい
2.ブラックマンバ 牡 岡村卓
高知で磨いた世代トップレベルの差し脚を武器に意欲の遠征競馬が続く
前走の秋の鞍ではあまりにもノープレッシャーで逃げたトミケンシャイリをイグナイターが追っても届かずの展開で大勢が決した後で雪崩れ込んでの4着とインパクトは薄いものの、仮に前がやりあっていれば脚を溜めた時のこの馬の末脚が活きていた公算は高い
およそ距離適性があると思えない2000m級のレースでも折り合った時に末を伸ばして上がり最速で3着に追い上げた名古屋の西日本ダービーは適距離のレースであれば結果は違っていたはず
快速馬の多いここは直線→コーナーの繰り返しが急加速と急停止の繰り返しになって展開が向く可能性も十分あるだけに想定6番人気で穴党には非常に魅力的な存在と言えるだろう
3.イグナイター 牡 田中学
ここにきての笹田→田中へのスイッチは非情に感じつつもオーナー厳命でどうしても勝ちたいレースということか
秋の鞍では致命的な出遅れというわけでは無かったものの、スタートでやや出負けしたことでトミケンシャイリを他の馬に追わせて控えてしまったことで楽な単騎逃げの形に持ち込まれてしまった
3コーナーの手応え的には今少しやれていた気もするが4コーナー以降は勝ち馬と同じ脚になってしまったことからも、外の逃げ馬と競りかける先行勢を見ながら脚を溜めての追走から向正面で一気にマクる形でチャンスはかなり大きそう
ある程度前めから勝負を賭ける場合にはラストで後方勢にやられないようエイシンビッグボスが抜け出しを図るコーナーまでは我慢していつでも出し抜ける位置に付けて力を温存しておきたい
JRAで東京1600mの新馬戦で見せた快勝を含めて勝つ時のインパクトがかなり強い反面、負ける時はコロッと簡単に負けてしまう面をどう評価するかだが園田1400mで見せた2戦のパフォーマンスから地元での逆転を果たしたい
4.トミケンシャイリ 牡 今井貴
最も強さを発揮するのは逃げの形であるのは間違いないがゲート出の初速がそこまで速いタイプではないので外の二頭を抑えてまで行ききる場面は想像がつかない
この辺りは今井もゲート次第と考えているだろうが、多少強引にでも馬の後ろに入れて脚を溜める競馬もできることは古馬との対戦をしている2走前に実際に示している
ただ、番手の外の位置になると馬に常にスイッチが入った状態になって消耗が激しくなるタイプだけにそれだけは避けないといけない
名古屋移籍後の唯一の黒星がそういう展開だったことからも意外と穴はあって乗り難しい馬なのかな?という印象
それでも並の馬では名古屋で8-1-0-0という成績は叩き出せないし、スピード能力自体は地方全体を見渡しても高いことは疑いようがないので前に行くか馬の後ろでインで溜めて乗れるかといういずれかの形なら今回も勝機はありそうだ
5.ワールドリング 牡 張田昴
1500m以上 2-1-1-6に対して1200m以下 3-0-0-1という生粋のスプリンタータイプで唯一の着外も東京盃(Jpn2)で地方馬最先着を果たしての0.6秒差の5着と広いコースであれば古馬を含めても屈指の実力馬
優駿スプリント制覇から2ヶ月後のアフター5スター賞でJBCスプリント覇者のサブノジュニアら古馬も撃破して実績では最右翼
大井の広いコースでこその操縦というところもあったかもしれないが、地方随一の小回り園田で嫌気がささなければあっさり突き離しての勝利までありそうだ
ジョーロノとエイシンビッグボスが演出するハイペースの流れも好位から速い上がりが使えるこの馬にはうってつけか
6.リュウノシンゲン 牡 御神本
芝も含めた全成績10-0-3-0と馬券外はこれまで一度もなく血統背景からも2000mよりは明らかに1400mの方が向いている
この鞍上が園田まで乗りに来るということが陣営の本気の現れと見て良い
左回り盛岡では常に早め先頭からの押し切りを図るレースしかしてこれなかったが、小回りで右回りの水沢では6-0-0-0で無敗の上にどの位置からでも高い操縦性で速い上がりが使えている点は園田コースの適性は十分ありそう
前回の不来方賞は広い左回りの2000m戦且つ復帰初戦と悪い条件が全て重なったこともあり、離されての3着である程度評価は落としそうな気もする
岩手ダービー馬でも短距離志向の強いこの馬が4番人気くらいに落ち着きそうなところは大きな魅力に感じる
枠的にベタインを取るようなことはないだろうが、動きやすい位置で前を見る競馬で3コーナー以降の勝負圏に割って入れるか
7.ジョーロノ 牡 左海誠
これまでの14戦でハナを叩けなかったのはスーパースプリント戦の前走と昨年の兵庫JGの2度のみでハナを叩かずとも楽勝だった2戦目は除いて確実にハナ主張のタイプ
昨年12月22日から勝ち星こそないものの単騎ハナの1600m以下のレースに限定すれば0-1-2-1とどれだけ番手の馬に序盤から絡まれるか次第といったところ
おそらくブラックマンバと6,7番人気を分け合う逃げ馬という立ち位置になるので、ここも思い切ったレースをしてどれだけ踏ん張れるかという形にするのみだろう
内のトミケン外のエイシンにどれだけプレッシャーをかけられるか次第だが、1コーナー短期からコーナーでじわっと差がつけれるようであれば案外面白いレースをしてくれるかもしれない
個人的には昨年の兵庫JGのJRA勢以上の難敵揃いに感じる今回は評価的には抑えざるを得ないが逃げ有利と見込む人は思い切って頭で買う手もあって良い
8.エイシンビッグボス 牡 下原理
道営から移籍後の園田は5-2-0-0で1400m戦に限れば4-0-0-0で底を見せていない
その一方で生粋のスプリンターというタイプではないものの単騎ハナ理想だけにトミケンとジョーロノが目の上のたんこぶのような存在になりそう
前傾ラップで後続に脚を使わせ続けて先頭を死守するという好走パターンが時計面からもこのメンバーでどこまで通用するのか正直疑問の方が大きいが、これまで控える競馬をしていない園田移籍後の陣営がそのあたりをどう考えてレースを組み立てていくか注目したい
イグナイターとの力関係では劣勢と見ているので人気する中では最も評価を抑えたのがこの馬となった
9.エイシンリボーン 牝 竹村達
古馬混合のB2→B1と連勝中ではあるものの共にメンバー・展開・頭数と恵まれた面が大きいのも事実
前に行くよりは出たなりで後ろを走っている方が結果的に良い結果になりそうだが、超一線級メンバーのここに入ってどうこうできるだけの力があるようには感じない
ここでスピード競馬を経験して次走以降にその経験が活きることを陣営も狙っているような気はする
登録時点ではここにエイシンヒビキ 廣瀬航も入っていたので前崩れの展開をじっとしたまま最後末を伸ばすだけで3着くらいに来るチャンスはあると思っていたので回避は残念だった
[レース展開]
園田で控える形を経験していないエイシンビッグボスがぶっつけで番手競馬想定のレースができるかどうかを考えると是が非でもハナに行きたいはず
よほどのゲート失敗でも無ければ初速で勝るジョーロノも譲らず1コーナーまでにはジョーロノ、エイシンビッグボスorトミケンシャイリという隊列は決まりそう
マルカフォルトゥナとエイシンリボーンは無理してまでついて行くことはしないはずなので、4,5番手にイグナイターとワールドリングとスタートが悪くなければリュウノシンゲンまでが離されすぎずの追走か
ブラックマンバは後方で展開待ちで向正面から残り600手前からレースの動きを見ながら追撃を開始
ジョーロノはトミケンとエイシンに追われながら向正面を辛抱できるかかなり疑問で追い通しのパターンもありつつ4,5,6番手の馬が一気に脚をつかって上位を窺う時にお釣りがどれだけあるか
4コーナーまでにはかなり激しい出入りになったところでトミケンが先に抜け出すところを、イグナイター、ワールドリング、リュウノシンゲンがびっしり追ってくるところにブラックマンバが外を回すかインを捌くかでゴール前は5頭での大激戦を期待したい
[印]
◎ 3 イグナイター
期待込みだが9/15の1.27.4で2着との3.5秒差はあまりにも異常な時計でまだ時計は詰めれた内容だった
今回は自力で追わなくても展開的に向くだろうし今年の田中の特別・重賞は異常に乗れていることも追い風になる
◯ 5 ワールドリング
大井1200mでの内容は立派すぎる
古馬混合重賞でニシノレオニダス、サブノジュニア、コパノフィーリング(兵庫GC勝ち馬)を問題にしなかった強さを考えれば本命が妥当なところではあるが、小回りのコーナー4つというコース対応と微妙に長い1400m戦に若干の不安は残すことから表がは対抗に留めた
▲ 2 ブラックマンバ
この馬の末脚がハマったたきのことを考えれば単穴という評価が最も相応しいと思えたので最終的に一段評価は上げた形
あまりにもペースが速すぎて追走一杯という場面はこの馬に限っては無さそう
末脚が活きるところが大勢が決した後では厳しいが長く脚を使えるので向正面から一気に前に迫っていく場面があれば頭での期待もできるはず
△ 6 リュウノシンゲン
連軸にしても良いくらい小回り右回りでの走りは素晴らしい
今回はデビュー以降を過ごした岩手から川崎への転厩初戦ということで環境が変わって更に遠征競馬というクリアすべき精神面の課題が多いと判断して4番手評価となった
△ 4 トミケンシャイリ
インで前に馬を置けた場合に限れば突き抜けてもおかしくないものの、前に行って争った場合には無印にしても良いという評価とした
3番手インから内目をついて上がるような競馬ができたなら低評価にしたことが裏目に出るだろう
敢えて後一頭足すとしたらエイシンビッグボスよりもジョーロノの逃げが決まった時といったところ
9頭立てでもあるので5頭も印を打てば6頭目は選ばなくても良いと個人的には思う
[買い目]
3→2,5→2,4,5,6
3→4,6→2,4,5,6 本線と本線抑え
2,5→2,3,5→2,3,4,5,6
合計24点から強弱をつけて購入予定
※本日の他のレースでの注目馬
3R 10 イントゥアドリーム
この騎手の乗り替わりはかなりプラスに作用しそうで実力的にはどの馬にもチャンスがありそうな難解な一戦だけにそこまで人気もしなさそうで前進気勢の少ないここで前付けできれば面白い存在
4R 1 タケマルグランプリ
上り調子になった後で休養とリズムそのものは良くないが820m戦を経験してからはより短い距離での適性が出てきた
前走から対戦メンバーの強化も無く休み明け2走目のここはきっちり決めたいはずでカールグリン、ジューンメモリー、ツイスタンシャウツが飛ばしていく4,5番手インをロスなく回ればチャンス大
最下級条件でもペースが上がってタケマルグランプリあたりが早めに前を捕まえる展開になればハドロサウルス、ジューンチキータ、シキサイノブルースあたりの後ろからの馬にもチャンスはありそう
5R 1 レッドチアフル
人気は復帰初戦の前走楽勝のビスバルトが1倍台になるが前走のようにプレッシャーの無い競馬になるかどうかはやや微妙な気もする
本来は番手好位のタイプでケイウンコトブキ、パピードッグ、ロッキンマイハートが早めの競馬をすれば無理していく必要は無いものの前走のイメージから行ってしまった場合は脚をなくしてゴール前の逆転を招いてしまう心配がある
好位から中団インでこれらを見ながら競馬できそうなレッドチアフルの器用な立ち回りに期待したい
8R ラファームソルティ
ここ2戦の1230m戦で控える競馬をした内容が良く上がり最速で回ってくるというわけではないが後方から確実に押し上げて勝負圏に入る走りが評価できる
前に行くタイプが昇級組のJRAからの移籍馬とあって比較が難しいがウンエンリヒカイとテオリスがいずれも譲らない展開を演出して控える競馬で全く味が出なかったジョーパティオあたりも再度前付けを意識すれば自ずとペースは速くなりそう
欲張るなら距離短縮の方が走りやすそうなノーブルオリンピアの激走にも注目しておきたい
12R タニノシェクハンド
オリエンタルメラクは直線の走りはもっと上位クラスでも通用するものはあるが、小回りのコーナーで必要以上に減速しないと回れないという弱点があるだけに永井→吉村へのスイッチで向正面で完全にマクりきる競馬をしてきそうで3〜4コーナーでもたついて追いつかれるようなところを見せても直線で再度立て直せば挽回できるはず
前回はトキノヒトという初速だけはかなり速い馬がいた影響で粘れなかったユナチャンだが、徐々に下降した体調も回復してきてるはずだし単騎で行けた時は終始先頭を譲らない展開に持ち込みたいのでオリエンタルメラクが来るまでにナリタブルーやファイナルコールに絡まれなければ展開の利は十分というところ
オリエンタルメラクが速めの上位進出を窺う展開になって浮上するのがタニノシェクハンド
自力で追う展開であまりにも早く先頭に立ってしまいそうになった3〜4コーナーで一息入れて外外を回して直線再び加速した内容は秀逸だった
1.33.8という時計が見劣るので評価は分かれるかもしれないがレースVTRを観ればいかにドスローな流れだったかは明白だ
最内スタートでスタートもそこまで悪くなかったが包まれるのを嫌った田中Jがわざと最後方に誘導してインを離れ、2コーナー過ぎから一気に外からマクりに行ったのはこの馬の特性を1度で掴んであの乗り方に踏み切った鞍上のファインプレー
ペースが上がることとスタートが割と外目ということで前回のようにスタートから外に誘導する必要は無くなるので一気の相手強化で騎手も廣瀬航に乗り替わりとなるがこの馬を信じてみたい
穴を狙うなら二頭のマクりの恩恵を受けそうなケンゴッドだろう
このレースには危険な人気馬も居て12番のテイクファイヴは典型的な夏馬で内枠の捌きが非常に得意なタイプで一見するとB2昇級でもやれるところを見せた格好だが、よりによって大外枠を引いて寒くなってきた今日時点で夏場のお釣りが果たしてどれだけ残っているかは甚だ疑問である
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