2024 秋華賞の予想

春の二冠を分け合ったクラシックの主役のステレンボッシュ、チェルヴィニアが共に出走してくるとあってこの2頭を中心に馬券は売れそうです

特にオークスで3着を2馬身近く離した2頭のパフォーマンスは秀逸だった・・と評価されているのでしょうが果たして本当にそうでしょうか?


そのオークスを振り返ってみましょう

前を行くショウナンマヌエラとヴィントシュトレが作り出した余りにも速すぎる57.7という1000mの通過タイム

全体時計で2.24.0(69.8-74.2)
前後半で4.4秒も前傾になった特殊な例だったと言えます

前を行った2頭は4コーナーを回るところですぐに後続に呑み込まれ3番手から運んだランスオブクイーンが早々と先頭に立ち残り400mでクイーンズウォークが交わしたあたりでもうチェルヴィニアもステレンボッシュも射程圏にいました

実質逃げ馬のように目標になったランスオブクイーンとタガノエルピーダを挟んで5番手にいたクイーンズウォークからすると先頭に立つシーンがあまりにも早かった割には勝ち馬から0.4秒差で後方から追い込んだ3着のライトバックとほぼ併入している点はかなり評価できると思います

オークスでは1〜8着馬のうち4角を10番手以降で回ってきた馬が6頭も上位を占めていることから4角を2,4番手で進入したランスオブクイーンとクイーンズウォークは秋の大きいところでも買いたいと思った方は多かったはずです

当時のステレンボッシュvsチェルヴィニアに関しては34.0と同じ上がりを使っていますが、徹底してステレンボッシュをマークして運び先に動いてロスを減らしつつ外に持ち出したチェルヴィニアのルメールJも周りの動きを待って唯一内に切り替えたステレンボッシュの戸崎Jのどちらも良い判断だったと思います

もう少し前が頑張るゆったりした流れになっていれば結果はもちろん変わった可能性も大きいですし着差もどうなっていたかはわかりません

少なくとも秋華賞を予想するにあたってのオークスの振り返りに関しては好走した差し・追込=評価するというよりは頑張った先行馬を評価したいと感じた次第です




秋華賞を予想する上で↑に書いた先行馬評価についてはショウナンマヌエラやヴィントシュトレといった超乱ペースを演出した存在が秋華賞には居ないからです

セキトバイーストという明確なハナ主張型はいますが他は番手・好位を取りたい馬は多いと感じます

ローズSは60.3-59.6という平均ペースで流れたレースを2,3番手の馬がついていかず結果として大逃げのような形となりましたが、セキトバイーストが前で運ぶレースは基本的に200〜400mのラップタイム以降は落ち着く流れになることが多いんですよね

そして秋華賞が行われる京都2000mのスタート地点から1コーナーまでは僅か300mほどしか無いのでこのコーナーを回ってからの上りでセキトバイーストの外から被せていく存在無ければ確実に落ち着きます

外の逃げ馬や先行馬がかなり好走する(レースレベルが上がると差し・追込がかなり有利になります)京都2000mはコーナーまでの距離も短くなるのでゲートの出もかなり重要になります

真ん中から外の前に行きたい馬がインをぎゅっと絞りながらコーナーを目指すまで僅か18〜19秒程度です

真ん中から内で出の悪い馬が後手後手に回ってポジションが取れずに内回り=イン有利という幻想は崩れるというのは何となく頭の片隅に置いておくと良いかもしれません

コーナーを回りきった時点で大きな駆け引きはできないので3〜4コーナーの下りに向けていかに自陣営の強みを活かすかというレースになることが多いです

ただ外回り3コーナーからの4.3mの下りと違ってなだらかに3mくらい下るといったところなので勢いのつき方は全く変わってきます

【どれだけコースロスのない良い位置を取れて脚を溜められるか】


直接聞いた話や解説も含めて京都内回りの乗り方についてはこれまでに色々なジョッキーから↑↑のようなコメントがありました


内枠が必ずしも欲しいわけではなく良い位置を取りたいというのが真ん中枠に良績が集中している要因になっているのかもしれません


と、余談ばかりしていると記事を作る時間が足りなくなるので評価している馬と人気ほど評価していない馬を記して最終予想とします



【評価している馬】

③クイーンズウォーク 川田
馬場改修後の川田Jの京都2000mの成績は良い馬が回るということはあってもずば抜けて安定していますし、キズナ産駒も相性抜群とあってここは買い要素の塊のような存在です

ローズSからの中3週という調整期間の短さから前走時よりマイナスと捉えるかかなりの大型馬だけに一叩きされたことで軽めに調整するだけで本番を迎えられると見るべきかは人それぞれでしょうが個人的には520kgを超えるような馬は2走目以降の方が狙いたいという古い感覚があります

コーナー4つ
大跳びの馬の内枠

よく心配されるところです

しかし、個人的に最も心配なのは今回が実は【初の先入れ奇数枠】のゲートで内枠自体はうまくクリアしてきてくれただけに先入れの内枠さえうまくこなせれば当然の主役級だと思います



⑤チェルヴィニア ルメール
右回りがダメかどうかは今のところわかりませんがルメールJは改修後の京都内回りコースでは騎乗回数は少ないものの改修前よりは良い成績を挙げています

また、間に合わせた印象が強かった桜花賞当時よりもしっかりと調整しての今回はわけが違うと思います

オークスは展開がハマったところはあるにしても一瞬であの位置を通ることを見出したセンスは他のジョッキーとの明確な差だと思います

結果として内回り競馬も右回りも関西輸送もダメという可能性はありますので軸として買うようなことはしませんが、力通りに走られると一瞬の脚が速く持続性もあるタイプの馬が強い競馬を秋華賞でしてきたイメージも高いので人気2強として扱われている中ではこちらを上に考えています



⑧コガネノソラ 丹内→坂井
オークスで◎にした馬を評価しないわけにはいきません、という単純なことではなく混戦になったときの勝負根性のようなものがかなり高いと感じているので勝負所でごちゃつくような形になれば中山に次ぐ短い直線距離のこの舞台設定が悪いはずがないというイメージです

極端に4角出口でバラバラの展開にさえならなければというのが馬券を買う側の願いになりそうです



⑮セキトバイースト 藤岡
クリスマスパレード、タガノエルピーダ、ランスオブクイーンあたりの動きが気になるところですがこの馬はあくまで平均ペースからややHペース寄りの先行競馬を目指すのみなので大逃げするような馬がいれば2番手で良しとするでしょう

後ろに目標にされることがわかっている各先行馬やクイーンズウォークが後ろにいてくれることで4角先頭の場面を作ること自体はそこまで難しくないミッションにも感じます

あとは中京コースではゴール前ではむしろ再度踏ん張って失速しきらなかった脚をどこまでもたせられるかといったところで今回も大波乱の使者となる可能性はありそうです




【人気ほど評価していない馬】

②ミアネーロ 津村
紫苑Sでは高速決着に対する適性を見せたと言える一方で内をうまく利用して速い上がりで印象の強い差し込みを見せましたがオークスと同じく秋華賞での内枠に関しては早い段階で内を捨てるような動きを見せないと勝負どころでの位置取りが難しくなりそうです

先行・好位のインを取りきったほとんどの人馬が4角を回ってもそこをぽっかり開けるとは思いにくく内ピッタリの差し・追込は良くて1頭くらいがスペースを狙いに行くような形となると脚が溜まっていて待てるかどうかが鍵になりそうです



⑪ランスオブクイーン 松山
オークスでは未勝利を勝ったばかりで大外スタート、横並びの各馬が位置を取りに行ってくれたおかげもあってスムーズに位置を取れたのは結果として良い方に向きましたが試練続きで一旦先頭からしぶとく脚を使っての5着

展開が違えばもう少しやれた可能性もありましたし夏場も早めに始動して使われたことで状態面の上積みについては追い切りの動きからも半信半疑です

前走は浜中Jのタックルカーブを避けるような4角進入になったことも影響はあったかもしれませんが勝ちきれなかったことはここでの上位争いとなると厳しいかもしれません

京都内回りの適性はモレイラJが勝たせた未勝利戦がかなり良い内容だったので適性は高そうである一方、ここまでの人気をすると買いにくい存在になってしまった感はあります



⑭ステレンボッシュ 戸崎
今回は早めの栗東入りから追い切りの動きや枠順も含めて【持っていない】存在だというのが全てです

この枠からとなるとよほど良いスタートを切って早めに好位で壁を作る位置を取るのも難しく、末に賭ける形となっても位置取りが後ろになりすぎる可能性もあります

また追い切りの動きと時計からはまだまだ本調子になさそうで春の消耗が激しすぎたのか気を入れるのに時間のかかるタイプなのか、それも含めた精神面でのどっしりとした成長なのか判断が非常に難しいです

速い馬に挟まれるようなゲートの位置関係から位置取りがかなり難しくチェルヴィニアの方がその辺りはうまくクリアしそうといったところで買うとしても3着の一角程度に留めたいと思います


他ではボンドガールの最終追いについては賛否が分かれそうなところで負荷をかけるためだけの調整という意味ではラストのバタバタも理解できつつ、長く脚を使うというよりは一瞬のキレをどこで引き出すかというところになりそうなので頭まで突き抜けるようなイメージは持ちにくかったです


クリスマスパレードは右回りでは負けていない上に前走の中山が異常な時計が出る馬場であったとしても近年好走馬が目立つ紫苑S組だけに先行押し切りがあっても驚けない存在ではあります

初の関西輸送と前走の反動をクリアして前半で溜めが利くようなレース展開になれば侮れない存在となりますが超一線級とは初対戦となるだけにG Iレベルでどうか?というところでしょう

あとは2024年のGⅠで複数勝利のジョッキーがいないという点で石川Jが絶好の狙い目となりそうなところではあります


穴っぽいところではホーエリートとラビットアイが気になると言えば気になるところです

上位人気となるミアネーロとの比較というところで僅差の勝負をしている中で14,15番人気というところで、ミアネーロをあまり評価していない私としては来たら仕方ない存在くらいの認識です

しかし横山典Jが未勝利から乗り続けているラビットアイは本当に色々な乗り方を試している点からその経験が活きた時は怖い

ホーエリートは北村友Jが怪我からの復帰以降の充実期を迎えた感があることとこの人気で思いきった騎乗ができそうな点はプラスに捉えたいと思います


◎③クイーンズウォーク
◯⑤チェルヴィニア
▲⑧コガネノソラ
△△⑮セキトバイースト
△⑪ランスオブクイーン
△⑬クリスマスパレード

3着のみ
⑩ボンドガール
⑭ステレンボッシュ

他は買うとしても3着に穴っぽいところを入れるかどうかでミアネーロは狙うならむしろ頭候補として取るかどうかと考えています

この時のローズSみたいに完璧な狙いを見出すことは正直難しいですが、クイーンズウォークは2400よりは2000でこそだと思いますので軸として買うなら今回この馬ではないかと考えています

時間がギリギリになったところはご容赦ください

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